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平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター

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・ワンオフ・少数生産<br />

・開発・設計期間が短い<br />

・低い製造品質管理・長い(あるいは殆ど無い)メンテ周期<br />

などの制約条件が課せられる。<br />

以上から、船体構造への複合材料の適用は、初期の簡易<strong>成</strong>形型による WET ハンドレイ<br />

アップ<strong>成</strong>形法から、今日の大型・低コスト・高品質を目指した VaRTM <strong>成</strong>形法に変遷され<br />

ているものの、室温または低温硬化が可能な熱硬化性樹脂材料と<strong>成</strong>形型の組み合わせによ<br />

る複合材料構造のみが利用されてきた。<br />

(3)熱可塑性樹脂複合材料の船体構造用への適用例<br />

上記のような背景から、僅かな例外を除き、船体構造への熱可塑性樹脂複合材料の適用<br />

は殆ど見られない。小型で大量生産されている船体に小型マリンビークルがあり、<br />

YAMAHA マリンジェットの例でも1機種 5,000 台/<strong>年</strong>程<strong>度</strong>となっているが、本船体は US<br />

内を生産拠点にしていることも、現在は全て SMC 材かハンドレイアップ<strong>成</strong>形となってい<br />

る。<br />

全長2m程<strong>度</strong>の小型舟艇では高い強<strong>度</strong>・剛性が要求されないことから、熱可塑性樹脂によ<br />

るブロー<strong>成</strong>形が採用されている例もある。図 6.3.2-1 のトッパー級ヨットは 1970 <strong>年</strong>代から<br />

現在までに世界で 4 万艇以上生産されている 12) 。トッパーヨットは PP、リョービボートは<br />

PE が使用されている 13) 。<br />

現在、熱可塑性樹脂複合材料がヨット主構造に適用されている唯一の例は図 6.3.2-2 の<br />

Twincat15 級ヨットである。このヨットはフランス ÉireComposites 社が Twintex(GF/PP)を用<br />

いて<strong>成</strong>形している。ÉireComposites 社は電気ヒータと空冷装置を組み合わせた真空バッグ<br />

<strong>成</strong>形システムにて低コスト<strong>成</strong>形を図っている。同社は、熱可塑性樹脂複合材料を用いるこ<br />

とで、軽量・高強<strong>度</strong>、優れた耐久性に加え、高いリサイクル性が得られると評価している<br />

14)<br />

。<br />

図 6.3.2-1 熱可塑性樹脂製小型ボート(左:トッパー級ヨット 12) 、右:リョービボート 13) )<br />

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