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平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター

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7.6.2 Stork Fokker<br />

(1)調査日時<br />

2008/1/14 14:00-16:00<br />

(2)面談者<br />

Arnt R. offringa (Director R&D, M. Sc. Eng.)<br />

(3)機関概要<br />

オランダの航空機部品製造メーカーであり、1980 <strong>年</strong>代から熱可塑材料に注力してきた。<br />

同社の熱可塑材料部品は、欧米の軍用機および民間機の2次構造部材をはじめ、A340 およ<br />

び A380 の主翼固定前縁(J-nose)に適用されている。低コスト化、軽量化を目的とした研究<br />

開発を継続して実施している。短期的には動翼ボックス構造、客室床ビーム等を、長期的<br />

には胴体構造および主翼等、大型一体<strong>成</strong>形一次構造部材への採用を目指している。同社は、<br />

豊富な技術および蓄積データを有しており、この分野におけるリーディングカンパニーで<br />

ある。<br />

(4)調査内容<br />

a)熱可塑樹脂<br />

使用する熱可塑樹脂は、PEEK から PEI に変化し、90 <strong>年</strong>代の後半から PPS を使用してい<br />

る。しかし、耐熱性が低いという問題から、現在は新しい材料である PEKK を主要材料と<br />

している。<br />

b)研究室見学<br />

サイン桁試作品および主翼固定前縁(J-nose)試作品を見学した。サイン桁試作品は、予め<br />

個々に<strong>成</strong>形したサイン Web、<strong>平</strong>板フランジ、フィラーを一体<strong>成</strong>形(コ・コンソリデーショ<br />

ン)したものである。J-nose 試作品は、A380 の J-nose がスキンとリブの融着構造であるの<br />

に対し、セミプレグスキンと<strong>成</strong>形済のストリンガーの一体<strong>成</strong>形(コ・コンソリデーション)<br />

部品である。(図 7.6.2-3 及び図 7.6.2-4 参照方)<br />

c)工場見学<br />

主に A340 および A380 の J-nose の製造および組立工程を見学した。オートクレーブ硬化<br />

の時間を出来る限り短縮させ、製造コストを低減させることが重要であるため、積層ツー<br />

ル、バッギング材、シール方法等に種々の工夫がなされている。リブとスキンの Resistance<br />

Welding では、ツールにスキンをセットし、予め Weld Strip を貼り付けたリブの位置決めを<br />

した後、リブの後方から機械的にクランプして融着する手順であった。(図 7.6.2-1 及び図<br />

7.6.2-2 参照方)<br />

d)大型一次構造<br />

J-nose (PPS,300℃)等の2次構造部品であれば、オートクレーブを用いた<strong>成</strong>形が可能であ<br />

るが、一次構造部品では<strong>成</strong>形温<strong>度</strong>がより高く、また<strong>成</strong>形時間が長くなるため、現在のオー<br />

トクレーブ<strong>成</strong>形技術では部品製造が困難であるとの見解であった。より<strong>成</strong>形温<strong>度</strong>の低い熱<br />

可塑樹脂やヒーター埋め込み型ツール等、脱オートクレーブ<strong>成</strong>形に向けた種々の開発が必<br />

須であるとのこと。<br />

e)その他(融着、機械加工、修理)<br />

融着について、A380 では上述の通り、Resistance Welding を適用したが、Induction Welding<br />

の方が容易かつ高品質であるため、現在、実用化のための研究開発を実施中とのこと。<br />

機械加工について、熱可塑材料は熱に弱いため、ダイヤモンド工具は適しておらず、超<br />

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