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平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター

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2.2 複合材料としての材料物性<br />

複合材料の諸特性は、繊維に依存するものと樹脂に依存するもの、界面特性に依存する<br />

ものにある程<strong>度</strong>峻別できる。上記、熱可塑性樹脂複合材料の歴史で触れたように熱硬化性<br />

樹脂と比較した場合の熱可塑性樹脂のメリットは高靭性である。高靭性であることが熱可<br />

塑性樹脂複合材料の材料物性を特徴づけている。複合材料の引張特性は繊維の弾性率なら<br />

びに強<strong>度</strong>が支配的である。そのため、熱硬化性樹脂であれ、熱可塑性樹脂であれ大きな違<br />

いは見られない。一方、層間破壊靱性や 45°引張試験などは樹脂の特性が支配的であるた<br />

め熱硬化性樹脂のその特性を大きく上回る。一方で、熱可塑性樹脂の中には、樹脂弾性率<br />

が小さいものもある。その場合、樹脂の弾性率が支配的である圧縮特性などは期待するこ<br />

とができない。しかし、樹脂靭性の向上は航空機で重要視される衝撃後圧縮強<strong>度</strong>の向上に<br />

役立っている。図 2.2-1 にエポキシ樹脂および熱可塑性樹脂(PEEK)を用いた場合の衝撃<br />

試験後の内部損傷面積を超音波探傷装置を用いて評価し、比較したグラフを示す。このグ<br />

ラフからも PEEK 樹脂を用いることにより、通常エポキシ樹脂よりも耐衝撃性が優れてい<br />

ることがわかる。エポキシ樹脂の 3501-6 では、損傷面積がその他の対象材料に比べて極め<br />

て大きくなっている。<br />

図 2.2-1 衝撃エネルギーと損傷面積の関係 (24 プライ擬似等方性積層板) 1)<br />

同様に、衝撃後の圧縮強<strong>度</strong>を評価したグラフを図 2.2-2 に示す。このグラフから熱可塑性<br />

樹脂複合材料が内部損傷面積の大きさによらず、圧縮強<strong>度</strong>の低下率が低いことがわかる。<br />

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