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B) 検査実施時期の延期(未成年を対象)
・同意を与えることができない未成年に対する遺伝子検査は、検査の延期が健康や
幸福に悪い影響を与えない限り、その人が同意能力を獲得するまで延期するべき
である(CoE)
・カテゴリー1-6 の検査72)(並びにカテゴリー7 と 8 で、ハイインパクト73と評価
された検査)は、他の要因から小児期に検査をすることが臨床的に意義あると認
められない場合には、同意能力が獲得されるまで検査を延期する必要がある(HGC)
・未成年者に対する非発症保因者の診断や、成年期以降に発症する疾患の発症前診
断については、原則として本人が成人し自律的に判断できるまで実施を延期すべ
きで、両親等の代諾で検査を実施すべきではない(医学会ガイドライン)
C) 検査実施の許可
・未成年者並びに心的障害、疾患や類似の理由で遺伝子検査に同意を与える能力の
ない個人に対しては、代理人か、当局か、法律に従って提供される人か組織のい
ずれかが認めた場合にのみ、遺伝子検査を行なうことができる。また、この許可
は関係する人の最善の利益の観点から、いつでも取り消すことができる(CoE)
・検査実施には、関係者間での合意を得た上で、本人の利益代表者から代理で同意
を得ることが必要である(CPIGI)
・すでに発症している疾患の診断目的の検査と、未成年期に発症する疾患で発症前
診断が健康管理上大きな有用性があることが予測される検査では、本人に代わっ
て検査の実施を承諾することのできる立場にある者の代諾を得なければならない。
当該被検者の最善の利益を優先し、本人の了解(インフォームド・アセント)を
得ることが望ましい(医学会ガイドライン)
D) その他
・同意能力がない個人に対する遺伝子検査は、その個人、当局、その認可が必要な
組織に対して、適切な情報が事前に与えられるべきである。この情報は検査対象
で同意能力がない個人に対しても、その理解能力に応じて提供されるべきである
(CoE)
・カテゴリー1-6 の検査(並びにカテゴリー7 と 8 でハイインパクトと評価された検
査)では、検査の延期が小児の健康に有害である場合や、検査結果が小児の健康
管理に大きな変更をもたらす場合には、あらゆる医学的介入又はスクリーニング
72 HGC のガイドラインがカバーする遺伝子検査は、カテゴリー1-11 に分類されている。その分類を別添2
に記載した。
73 HGC のガイドラインでは、検査提供業者は、提供する検査の性質と、検査が与えるインパクトの両方を
考慮しなければならないとしている。インパクト・クライテリアは、別添3に記載した。
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