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問題事例として、①ガンの早期診断で異常なしと言われたのに、その後別の医院で肺癌と<br />

診断されたという臨床的妥当性又は検査の質の問題、②同じ検体を 2 件の代理店を通じて<br />

依頼したところ異なる結果が出たという検査の質の問題、が見つかった。<br />

有識者委員会における検討を通じて、科学的エビデンスの存在あるいはその消費者への<br />

伝達方法に問題がある可能性が指摘された。<br />

伝達方法の問題事例として、遺伝子検査サービス提供事業者のホームページなどの説明<br />

において、不適切な表現が見られるケースがある。本来、科学的論旨の積み重ねであるべ<br />

き説明に論理の飛躍が見られる例がある。すなわち、科学的事実とその解釈に論理の飛躍<br />

があるため、消費者に誤解を与える可能性がある。また、耳当たりの良い言葉を連ねなが<br />

ら、実質的には意味をなさないようなキャッチフレーズを記載している例もある。<br />

遺伝子検査の科学的根拠に関しては、その根拠が少数の論文のみである場合から、事業<br />

者自身が保有する日本人のある程度の規模のデータベースに基づくものまで様々なものが<br />

存在する。ただし事業者がデータを保有している場合であっても、ホームページ上の情報<br />

だけで科学的エビデンスを一般消費者が知ることは困難である。理解するためには高度な<br />

科学的知識を必要とする情報であるため、公開方法を工夫しないと消費者が有効に利用す<br />

ることは難しいと考えられるが、適切な手段でエビデンスを確認することができるシステ<br />

ムが必要であろう。<br />

2.遺伝子検査ビジネスにより引き起こされる事態への懸念<br />

委員会において検討を行ってきた結果、上記の実態調査も踏まえて、以下のような懸念<br />

材料があると言える。<br />

擬似ビジネス、悪質ビジネス・医療の横行<br />

・擬遺伝子カウンセラー(医療バックグラウンド無し)育成ビジネスが生まれてくる<br />

・悪質な遺伝子検査ビジネスが拡がることにより遺伝子検査そのものに関する社会的信頼<br />

感が失われる<br />

・ガンでないものをガンというような遺伝子診断を伝える医師のリテラシー欠如<br />

・遺伝子検査がネズミ講的事業展開に利用される<br />

・検査結果を横流しした高額検査ビジネス<br />

・歯科医又は歯科衛生士などが簡単な講習で遺伝子検査関連の専門家として遺伝子検査ビ<br />

ジネスに関与する<br />

・遺伝子検査の結果から、消費者に誤った治療が行われる<br />

・遺伝子検査の結果から消費者が、高額なサプリメント等の購入が誘導される<br />

・遺伝子検査の結果を利用して消費者が治療者を選定する自由を奪う(レーシック事例)<br />

・遺伝子検査の結果から消費者が、高額な生活指導(栄養指導、運動プログラム等)に誘<br />

導される<br />

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