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第3章 遺伝子検査ビジネスに関する調査
第1節 調査の概要
1.調査の目的
近年、血液や唾液等の試料の中の遺伝子を解析し、その結果から病気のなりやすさ、個
人の体質・能力や血縁関係等を判定・評価するいわゆる「遺伝子検査ビジネス」が急速に
発展し、国内にも様々な形態の事業者が存在する。
一方、それぞれの事業者の行う「遺伝子検査ビジネス」において、検査の質の担保、検
査の科学的エビデンスの存在、消費者への情報開示の状況、個人情報・個人遺伝情報の取
り扱いなど、明確ではないケースも多々存在する。
更に、近年では消費者とインターネット等で直接検査キット及び検査結果をやり取りす
るいわゆる DTC(Direct To Consumer)遺伝子検査に加え、医療機関を窓口とする診断用途
ではない易罹患性などを調べる遺伝子検査も多くの事業者から発売されている状況である。
このような状況の下、本調査の目的は、遺伝子検査を提供する事業者が、上記の検査の
質の担保等の項目に対して、どのように対応しているかという検査を提供する側の実態を
明らかにすることにある。更に、医療機関はこのような遺伝子検査をどのように理解して
利用しているか、一般消費者は、遺伝子検査についてどのように考えているかなども明ら
かにすることにある。
また、実態調査については、遺伝子検査又はその後に提供される栄養プログラム・運動
プログラムやサプリメントなどの二次サービスにより消費者が被害を受けた事例がないか
ということも調査する。
最終的には、本調査では、海外でのこうした遺伝子検査に関する法律やガイドラインの
状況も踏まえて、「遺伝子検査ビジネス」の健全な成長に必要なビジネス環境について検
討・考察し、事業者が遵守すべき事項及び消費者が知っておくべき事項について整理し、
遺伝子検査ビジネスガイドラインの制定が必要であると判断される場合にガイドライン
(案)となるべき資料を作成することを目的とする。
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