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(4)Navigenics と deCODE genetics の買収
Navigenics 社は 2012 年 6 月 16 日に、米国 Life Technologies 社に買収された 89 。Life
Technologies 社は、2008 年にインビトロジェン社とアプライドバイオシステムズ社が合併
してできた会社で、細胞生物学、遺伝子解析、分子生物学に関連した測定機器やキット等
を世界 106 カ国で販売する多国籍企業である。買収の目的は、Life Technologies 社が医療
用診断薬分野に進出するために、CLIA の認証を持つ Navigenics 社の施設が魅力的であった
ためとされている。なおこの買収により、Navigenics 社は遺伝子検査の事業から撤退する
方針である。
また、2012 年 12 月 10 日には、米国 Amgen 社が deCODE genetics の買収を発表した 90 。
deCODEme は deCODE genetics 社が販売している商標の名称であるが 91 、2013年1月3日時
点では、この買収により deCODEme の事業に変化があるとの報道はされていない。買収の目
的は、deCODE genetics の遺伝子解析技術や知識等を用い、疾患ターゲットの発見や評価(バ
リデーション)を加速させることにある。
このように 23andMe と並ぶ大手の遺伝子検査会社が相次いで買収された背景には、公表
された理由以外に、遺伝子検査の低価格化と競争の激化という背景があることも考えられ
る。
(5)解析技術の進歩と遺伝子検査の低価格化
2012 年 12 月 11 日、23andMe は、Personal Genome Service の価格を$99 に値下げすると
発表した 92 。従来の価格は$299 であり、約 1/3 に値下げした。この Personal Genome Service
では、Carrier Status (48)、Drug Response (21) 、Traits (57)、Disease Risk (120)の
計 246 種類の検査が行われるため、1検査あたり約 40 セントの低価格となった。同社がシ
リーズ D の資金調達で$5,000 万を調達できたことも値下げの理由であるが、測定技術の進
歩が低価格化を可能にしたと同社はコメントしている。
日本でも 37 項目の疾患リスクや体質を調べる検査を 29,800 円で提供する DTC 遺伝子検
査のビジネスが始まっている 93 。このような遺伝子解析技術の急速な進歩による遺伝子検査
の低価格化は、今後も加速するものと考えられる。
(6)TV 通販の可能性
国内の TV 通販事業者による体質遺伝子検査の取扱いが計画されている。社内審査で社会
的に問題がないと認められる項目のみの取扱いとなる見込みであるが、メディアの影響度
は従来の広告媒体に比べて非常に大きいと考えられ、今後の事業の進捗に注意すべきであ
る。
89 http://ir.lifetechnologies.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=692240
90 http://www.amgen.com/media/media_pr_detail.jsp?year=2012&releaseID=1765710
91 http://www.decodeme.com/
92 https://www.23andMe.com/about/press/12_11_2012/
93 http://genelife2012.com/
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