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WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...

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チェックリストを 日 常 的 に 使 用 する<br />

チェックリストは 試 験 勉 強 , 旅 行 , 買 い 物 など 人 間<br />

のさまざまな 活 動 領 域 で 活 用 されているが, 最 近 に<br />

なって 安 全 な 手 術 のためのチェックリストに 関 する<br />

<strong>WHO</strong>の 委 託 研 究 の 結 果 がNew England<br />

Journal of Medicine 誌 に 発 表 されたことで 11) ,<br />

現 在 では 多 くの 医 療 活 動 にチェックリストが 広 く 使<br />

用 されるようになった. 学 生 は 実 務 において( 特 に<br />

根 拠 に 基 づいた 治 療 法 の 選 択 肢 が 存 在 する 場 合 に<br />

は)チェックリストを 使 用 するという 習 慣 を 身 に 付<br />

けなければならない.<br />

自 身 の 注 意 力 を 過 信 しない<br />

あまり 物 事 が 進 展 しないと, 人 間 はたちまち 注 意<br />

力 散 漫 となり 退 屈 する. 長 々と 続 く 繰 り 返 しの 多 い<br />

仕 事 を 行 う 際 には, 学 生 はエラーが 発 生 する 可 能 性<br />

に 警 戒 しなければならない.そのような 状 況 では<br />

( 特 に 疲 れている 場 合 ), 目 の 前 の 業 務 に 注 意 を 払<br />

えなくなることが 多 く,どこかで 集 中 力 が 途 切 れて<br />

しまうものである.<br />

33 34<br />

要 約<br />

他 産 業 におけるヒューマンファクターズ 研 究 から<br />

得 られた 教 訓 は, 全 ての 医 療 環 境 における 患 者 安<br />

全 にも 重 要 なものであり, 人 間 と 道 具 や 機 械 との 相<br />

互 作 用 や 相 互 関 係 を 理 解 するという 教 訓 が 含 まれ<br />

る.ヒューマンファクターズの 原 則 を 応 用 すること<br />

で 医 療 をどのように 改 善 できるかを 知 るには,まず<br />

エラーは 避 けられないという 事 実 を 認 識 し, 個 々の<br />

状 況 で 人 間 が 発 揮 できる 能 力 と 反 応 性 の 限 界 を 理<br />

解 することが 不 可 欠 である.<br />

指 導 方 略 と 形 式<br />

トピック2については, 初 めて 聞 く 概 念 と 感 じる 学<br />

生 が 大 部 分 を 占 めると 考 えられるため, 最 初 は 独 立<br />

したトピックとして 教 えるのがよいであろう.このト<br />

ピックは, 臨 床 的 環 境 で 想 像 力 と 創 造 性 に 富 んだ 教<br />

育 を 可 能 にするため, 講 義 ではなく 実 用 的 な 訓 練 を<br />

通 じて 教 えるのが 理 想 である. 教 員 側 もこの 領 域 に<br />

馴 染 みのない 者 が 多 いであろうから, 工 学 や 心 理<br />

学 などの 他 分 野 の 指 導 者 に 参 加 してもらうことを<br />

考 慮 するとよいであろう.これらの 分 野 には 人 間 工<br />

学 の 専 門 家 がいる 可 能 性 もあり,その 場 合 はトピッ<br />

ク2の 原 則 を 紹 介 する 講 義 を 依 頼 できる.<br />

概 略 紹 介 のための 講 義<br />

このトピックは 学 生 にとって 新 しい 知 識 であるた<br />

め,ヒューマンファクターズの 研 究 者 を 招 いて 基 本<br />

的 な 原 則 について 講 義 をしてもらうのがよいかも<br />

しれない.ヒューマンファクターズの 研 究 者 は 通 常 ,<br />

工 学 または 心 理 学 の 分 野 に 所 属 しており,なかには<br />

医 療 が 組 み 込 まれた 分 野 もある. 医 療 従 事 者 が<br />

ヒューマンファクターズ 研 究 を 行 って,その 知 識 を<br />

実 務 に 応 用 している 場 合 もあるであろう.いずれに<br />

しても,しかるべき 人 物 を 招 いて 医 療 分 野 の 事 例 研<br />

究 を 用 いて, 基 本 知 識 をカバーした 講 義 をしてもら<br />

うこと.<br />

個 人 および 少 人 数 でのグループ 活 動<br />

教 師 は, 臨 床 で 広 く 使 用 される 機 器 について<br />

ヒューマンファクターズの 観 点 から 検 討 を 行 える 実<br />

践 的 な 課 題 を 採 用 することができる.どのような 臨<br />

床 環 境 であっても,ヒューマンファクターズの 原 則<br />

を 説 明 するための 事 例 は, 良 いものも 悪 いものも,<br />

必 ず 発 見 できる. 更 に,ヒューマンファクターが 学 生<br />

の 私 生 活 や 学 校 での 対 人 関 係 , 過 去 の 職 業 などの<br />

臨 床 以 外 の 領 域 に 与 える 影 響 を 学 生 に 検 討 させる<br />

のもよいであろう.<br />

例 :<br />

1. 研 修 を 受 けている 医 療 施 設 のさまざまな 部 門<br />

(リハビリテーション 部 門 , 救 急 部 , 一 般 外 来 , 集 中<br />

治 療 部 (ICU), 放 射 線 科 , 薬 剤 部 , 口 腔 外 科 など)<br />

にある 機 器 について 調 べさせる.<br />

◦ 最 も 多 くの 機 器 が 使 用 されている 部 門 はどこ<br />

か.1つの 機 器 で 複 数 の 患 者 を 治 療 することに<br />

伴 う 危 険 はどのようなものか. 機 器 の 手 入 れは<br />

行 き 届 いているか. 機 器 の 有 効 かつ 安 全 な 機<br />

能 に 対 してヒューマンファクターはどのような<br />

影 響 を 及 ぼすか.<br />

◦ 学 生 が 見 つけてきたさまざまな 機 器 について,<br />

以 下 の 事 項 を 検 討 する:<br />

− 電 源 スイッチは 簡 単 に 見 つかるか<br />

− 操 作 方 法 は 簡 単 に 理 解 できるか<br />

− 上 級 生 や 教 員 , 技 師 はその 機 器 の 使 用 方 法<br />

を 理 解 するのに 苦 労 しているか<br />

2. 警 報 装 置 の 実 際 の 用 途 について 検 討 する.<br />

− 各 種 の 機 器 の 警 報 装 置 はどの 程 度 の 頻 度 で<br />

作 動 しているか<br />

− 警 報 が 無 視 される 頻 度 はどのくらいか<br />

− 警 報 装 置 を 一 時 停 止 させるとどうなるか,ど<br />

れくらいの 時 間 停 止 させたかは 明 確 に 判 別<br />

できるか<br />

− 警 報 装 置 が 鳴 っても「 無 意 識 に」 止 められて<br />

いないか. 警 報 が 作 動 した 原 因 を 探 す 体 系 的<br />

115 Part B トピック 2: 患 者 安 全 におけるヒューマンファクターズの 重 要 性

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