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WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...

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表 B.4.2<br />

チームがたどる 発 展 の 段 階<br />

段 階 定 義<br />

形 成 期<br />

(forming)<br />

混 乱 期<br />

(storming<br />

規 範 確 立 期<br />

(norming)<br />

実 践 期<br />

(performing)<br />

通 常 はあいまいさと 混 乱 を 特 徴 とする 段 階 であり,チームメンバーに 一 緒 に 働 こうという 意<br />

識 が 芽 ばえていなかったり,メンバー 同 士 が 打 ち 解 けておらず, 個 人 的 な 会 話 を 避 け, 表 面 的<br />

なコミュニケーションしか 行 えない 場 合 もある.メンバーがチームの 任 務 を 十 分 に 理 解 してい<br />

ない 場 合 もある.<br />

メンバー 間 で 意 見 の 対 立 が 起 きたり, 課 せられた 任 務 に 対 して 反 発 が 生 まれたりする 難 しい<br />

段 階 である. 一 部 のメンバーはうまく 立 ち 回 って 自 身 の 地 位 を 確 保 するかもしれないが, 任 務<br />

の 遂 行 が 進 まないことに 対 して 欲 求 不 満 が 生 じることもある.<br />

メンバー 間 で 率 直 なコミュニケーションが 確 立 され,チームとして 目 下 の 任 務 に 向 き 合 えるよ<br />

うになる.そして, 広 く 受 け 入 れられる 手 順 とコミュニケーションパターンが 確 立 される.<br />

チーム 全 体 が 目 的 の 達 成 に 向 けて 全 精 力 を 注 ぎ 込 むようになる.この 時 期 には, 各 メンバー<br />

は 親 密 となり, 助 け 合 い 信 頼 し 合 うオープンな 関 係 を 構 築 し, 効 果 的 なチームとなる.<br />

SourceModified from Flin RH, OConnoer P, Crichton M. <strong>Safety</strong> at the sharp enda guide to nontechnical skills. 2008 18 .<br />

で 開 発 されたCRM(クルーリソースマネジメント<br />

[crew resource menagement])が 挙 げられ<br />

るが,その 主 な 特 徴 をボックスB.4.1に 示 す.<br />

医 療 チームの 形 態 はさまざまである.メンバー 構<br />

成 が 非 常 に 安 定 しているチームもあれば, 頻 繁 に 入<br />

れ 替 わりのある 不 安 定 なチームもある. 各 メンバー<br />

の 知 識 および 技 能 の 水 準 には 個 人 差 があり,うまく<br />

バランスをとる 必 要 がある.MickanとRogerは,<br />

安 定 しているか 否 かとは 無 関 係 に 効 果 的 な 医 療<br />

チームの 基 盤 にある 単 純 な 特 徴 として, 以 下 の 要 素<br />

を 挙 げている 16) .<br />

共 通 の 目 的<br />

チームの 各 メンバーが 明 確 に 定 義 された 共 通 の<br />

目 的 を 持 ち,その 目 的 には 集 団 としての 利 益 が 含 ま<br />

れ, 各 メンバーが 共 有 していることを 確 認 できる.<br />

測 定 可 能 な 目 標<br />

チームの 任 務 に 関 連 した 測 定 可 能 な 目 標 が 設 定<br />

されている.<br />

有 効 なリーダーシップ<br />

チームには,チーム 構 成 を 定 めてそれを 維 持 し,<br />

意 見 の 対 立 に 対 応 し,メンバーの 声 に 耳 を 傾 け,メ<br />

ボックスB.4.1 CRMの 概 要<br />

CRMは,コックピット 内 でのコミュニケーションの 改<br />

善 とチーム 中 心 の 意 思 決 定 システムの 実 践 を 目 的 と<br />

して 航 空 産 業 で 開 発 された.その 定 義 は「 安 全 かつ<br />

効 率 的 な 航 空 機 運 航 業 務 を 達 成 するために 情 報 , 機<br />

器 , 人 員 を 含 めた 利 用 可 能 な 全 ての 資 源 を 活 用 する<br />

こと」というものである.( 米 国 国 家 輸 送 安 全 委 員 会<br />

[NationalTransportation<strong>Safety</strong>Board]).こ<br />

のCRMは, 医 療 においてもチームワークとコミュニ<br />

ケーションを 改 善 し,その 他 の 安 全 プロセスを 開 始<br />

するために 利 用 されている<br />

ンバーを 信 頼 して 支 援 する, 有 効 なリーダーシップ<br />

が 求 められる.またMickanとRogerは,リーダーシッ<br />

プの 機 能 に 関 して 各 メンバーが 同 意 し, 認 識 を 共 有<br />

していることの 重 要 性 についても 強 調 している.<br />

効 果 的 なコミュニケーション<br />

優 れた 医 療 チームは,アイデアや 情 報 を 速 やかに<br />

共 有 することができ,その 機 会 を 定 期 的 に 設 けよう<br />

とする. 更 に, 文 書 による 記 録 を 残 し, 時 間 を 割 いて<br />

チームとしての 振 り 返 りを 行 う. 医 療 従 事 者 以 外 の<br />

メンバーも 含 めた 集 学 的 な 多 職 種 チームのコミュ<br />

ニケーションについては, 詳 細 な 分 析 が 複 数 実 施 さ<br />

れているが,その 中 には 手 術 チームなどの 高 リスク<br />

のチームを 対 象 にしたものもある 19,20) .<br />

良 好 な 結 束<br />

結 束 したチームは, 明 確 な 独 自 のチーム 精 神 と 固<br />

い 決 意 を 有 し,メンバー 同 士 が 一 緒 に 仕 事 をしてい<br />

くことを 望 むため, 長 く 存 続 する 傾 向 がある.<br />

メンバー 間 の 敬 意<br />

効 果 的 なチームのメンバーは, 各 自 の 職 業 上 の<br />

貢 献 はもとより, 他 のメンバーの 才 能 や 信 条 にも 敬<br />

意 を 払 うものである.また,メンバー 間 での 意 見 の<br />

多 様 性 を 受 容 し,これを 奨 励 する.<br />

上 記 以 外 に 求 められること<br />

以 上 の 他 にも, 効 果 的 なチームとなるには 以 下 の<br />

ような 要 素 も 求 められる 8,18,21) :<br />

◦ 各 自 の 任 務 に 対 する 熟 練 ( 個 人 的 なテクニカ<br />

ルスキルとチームワーク 技 能 の 両 方 について)<br />

◦ 任 務 に 対 する 意 欲<br />

◦ 柔 軟 性<br />

◦チームとしての 活 動 をモニタリングする 能 力<br />

◦ 意 見 の 対 立 を 効 果 的 に 解 決 し,そこから 学 ぶ 能 力<br />

◦ 状 況 のモニタリング<br />

135 Part B トピック 4: 有 能 なチームの 一 員 であること

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