WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...
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9. 患 者 安 全 の 評 価 方 法<br />
評 価 の 目 的<br />
どのようなカリキュラムにも 評 価 (assessment)<br />
は 不 可 欠 である. 評 価 手 順 の 内 容 と 形 式 は, 学 生 の<br />
学 習 行 動 と 学 習 アウトカム(learing outcome)に<br />
大 きな 影 響 を 与 える. 評 価 は 適 切 な 意 欲 と 学 習 の 方<br />
向 性 を 学 生 に 与 えるとともに, 職 場 に 出 るまでに 達<br />
成 すべき 学 習 アウトカムの 目 標 を 支 えるものでな<br />
ければならない.また 評 価 には, 指 導 者 ,コースプラ<br />
ンナー, 外 部 の 関 係 者 ( 認 定 機 関 [accreditation<br />
body], 基 準 策 定 委 員 会 [standards board], 学<br />
生 の 将 来 の 雇 用 者 など)が 信 頼 しうる 有 意 義 なも<br />
のであることも 求 められる.NewbleとCannon 1)<br />
は, 評 価 する 目 的 が 明 瞭 であることが 非 常 に 重 要 で<br />
あると 強 調 し,さまざまな 目 的 を 列 挙 している.こ<br />
のうち 太 字 で 示 した 二 つが 患 者 安 全 の 学 習 におい<br />
て 重 要 である:<br />
◦ 必 須 の 技 能 と 知 識 の 習 熟 度 を 判 断 する.<br />
◦ 学 生 に 順 位 をつける.<br />
◦ 改 善 を 経 時 的 に 評 価 する.<br />
◦ 学 生 が 苦 労 している 原 因 を 究 明 する.<br />
◦ 学 生 にフィードバックを 与 える.<br />
◦ 教 育 コースの 有 効 性 を 評 価 する.<br />
◦ 学 生 の 学 習 に 対 する 意 欲 を 高 める.<br />
◦ 基 準 を 設 定 する.<br />
◦ 一 般 大 衆 に 向 けた 質 管 理 を 行 う.<br />
患 者 安 全 においては, 課 題 の 実 践 を 通 じて 学 生<br />
を 訓 練 する 方 が, 各 活 動 における 学 生 の 習 熟 度 を<br />
判 定 する 評 価 手 段 (assessment instrument)<br />
を 作 成 することよりも 難 しくなる 場 合 が 多 い. 医 療<br />
従 事 者 の 多 くが 患 者 安 全 に 習 熟 していないことを<br />
念 頭 に 置 けば, 学 生 の 患 者 安 全 に 関 する 知 識 と 技<br />
能 を 継 続 的 に 伸 ばしていくことに 評 価 の 焦 点 を 置<br />
くべきである.あまりにもひどい 失 敗 や 意 図 的 に 危<br />
険 な 行 為 を 行 ったという 場 合 を 除 いては, 患 者 安 全<br />
に 関 して 間 違 いがあったからという 理 由 でコース<br />
を 継 続 させないようなことがあってはならない. 患<br />
者 安 全 という 学 習 領 域 は 独 自 学 習 には 向 いていな<br />
い.なぜなら 患 者 安 全 は, 適 切 なチームの 一 員 とし<br />
ての 業 務 や, 失 敗 を 最 小 限 に 減 らすように 構 築 され<br />
た 医 療 サービスの 実 践 ,そして 組 織 および 経 営 陣 か<br />
らの 患 者 安 全 構 想 に 対 する 積 極 的 な 支 援 など, 複 雑<br />
な 一 連 の 要 因 によって 決 まるからである. 学 生 はま<br />
ずは 初 心 者 として, 基 本 的 な 知 識 と 技 能 を 有 してい<br />
ることが 期 待 される.そして, 適 切 なロールモデル<br />
と 良 き 指 導 者 の 教 えを 受 け, 機 能 的 なチーム 医 療<br />
の 経 験 を 積 むことで, 学 生 は 患 者 安 全 を 脅 かすさま<br />
ざまな 環 境 因 子 によく 気 が 付 くようになり, 反 応 も<br />
良 くなってくる. 患 者 安 全 の 学 習 にはこういう 側 面<br />
もあることを 考 えれば, 患 者 安 全 についての 評 価<br />
は, 学 生 にフィードバックを 与 え, 患 者 安 全 に 真 剣 に<br />
取 り 組 むよう 促 すことを 目 的 とすべきである. 評 価<br />
プロセスは 全 て,この 点 を 反 映 している 必 要 がある.<br />
学 生 を 評 価 プロセスに 関 与 させる<br />
教 育 機 関 にとっての 最 大 の 問 題 点 の 一 つは, 職 場<br />
で 患 者 安 全 を 教 える 適 切 な 指 導 者 や 医 療 従 事 者 を<br />
見 つけることである.この 問 題 への 対 処 法 の 一 つと<br />
して, 学 生 主 導 のカリキュラムの 実 践 が 挙 げられる.<br />
しかし, 学 生 を 患 者 安 全 の 実 務 に 当 たらせる 主 な 理<br />
由 は, 実 践 しながら 学 ばせるのが 非 常 に 有 効 な 教 育<br />
法 となるからである.オーストラリアのシドニー 大<br />
学 医 学 校 (University of Sydney Medical<br />
School)では, 学 生 は 卒 業 前 の2 年 間 と 病 院 での 研<br />
修 期 間 中 に 患 者 安 全 に 関 する 活 動 を 始 めるよう 求<br />
められる. 学 生 には 必 要 な 情 報 を 必 要 なときに 必 要<br />
な 量 だけ(ジャストインタイム[justintime]) 学<br />
べるオンライン 教 材 が 提 供 され,それによって 基 礎<br />
となる 知 識 を 身 に 付 けることができる.<strong>WHO</strong>のト<br />
61 Part A 9. 患 者 安 全 の 評 価 方 法