WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...
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た 責 任 である. 医 学 生 を 始 めとする 医 療 系 の 学 生<br />
は 更 に, 器 具 を 滅 菌 する 方 法 と 患 者 に 対 して 器 具 を<br />
安 全 に 使 用 する 技 術 も 知 っておく 必 要 がある. 感 染<br />
予 防 は 全 ての 医 療 従 事 者 にとって 常 に 優 先 すべき<br />
事 項 であり,それゆえ 患 者 安 全 プログラムでは 主 要<br />
なテーマとしなければならない. 本 トピックでは, 交<br />
差 感 染 が 起 こりやすい 主 な 領 域 を 提 示 し, 全 員 が 日<br />
常 的 に 実 践 することでHCAIの 発 生 率 を 低 減 でき<br />
る 活 動 および 行 動 を 示 していく.<br />
ボックスB.9.1 医 療 関 連 感 染 症 : 規 模 と 費 用<br />
◦ 先 進 国 ではHCAIは 入 院 患 者 の5〜15%に<br />
発 生 しており,ICU 患 者 における 頻 度 は9〜<br />
37%にも 上 る 3) .<br />
◦ 欧 州 の 急 性 期 病 院 では 毎 年 約 500 万 例 の<br />
HCAIが 発 生 し,2,500 万 日 間 の 入 院 期 間 の<br />
延 長 につながっていると 推 定 されている 3) .<br />
◦ イングランドでは, 毎 年 10 万 例 以 上 のHCAI<br />
が 発 生 しており,HCAIを 直 接 の 死 因 とした<br />
死 亡 例 は5,000 例 以 上 に 上 る 3) .<br />
◦ 2002 年 の 米 国 におけるHCAIの 発 生 頻 度 は<br />
4.5%であったと 推 定 されており,HCAIによ<br />
る 死 亡 例 は 約 10 万 例 であった 3) .<br />
◦ 発 展 途 上 国 全 体 でのHCAIの 発 生 頻 度 に 関<br />
するデータは 存 在 しないが, 発 展 途 上 国 でも<br />
HCAIのリスクは 高 まっている. 病 院 での 研<br />
究 の 数 は 少 ないが,それらの 累 積 データによ<br />
ると,HCAIの 有 病 率 は15.5%であり, 成 人<br />
ICUでは 入 院 1,000 人 日 当 たり47.9 例 と 高<br />
率 に 発 生 している 4) .<br />
◦ 発 展 途 上 国 における 手 術 部 位 感 染 (SSI)の<br />
リスクは, 先 進 国 と 比 較 して 有 意 に 高 い.SSI<br />
の 累 積 発 生 頻 度 は 外 科 的 処 置 100 件 当 たり<br />
5.6 例 であり, 病 院 内 で 発 生 する 感 染 原 因 の<br />
第 1 位 となっている 4) .<br />
◦ 欧 州 のデータによると,HCAIにより 毎 年<br />
130〜240 億 ユーロの 経 済 的 負 担 が 発 生 し<br />
ている 3) .<br />
◦ 米 国 におけるHCAIによる 経 済 的 負 担 は<br />
2004 年 の1 年 間 で 約 65 億 ドルであった 3) .<br />
キーワード<br />
感 染 予 防 対 策 , 手 指 衛 生 , 感 染 , 交 差 感 染 , 医 療 関<br />
連 感 染 (HCAI), 薬 剤 耐 性 , 多 剤 耐 性 菌 ,MRSA(メ<br />
チシリン 耐 性 黄 色 ブドウ 球 菌 ) 感 染 症 , 無 菌 操 作 , 標<br />
準 予 防 策<br />
学 習 目 標 2<br />
医 療 現 場 の 感 染 予 防 対 策 が 不 十 分 であったため<br />
に 悲 惨 な 結 果 を 招 いた 実 例 を 学 生 に 提 示 して, 患<br />
者 安 全 を 改 善 するべく 汚 染 および 感 染 のリスクを<br />
最 小 限 に 減 らしていくうえで 医 療 チームの 個 々の<br />
メンバーがどのように 貢 献 できるかを 示 す.<br />
学 習 アウトカム: 知 識 と 実 践 内 容<br />
感 染 予 防 対 策 とは, 微 生 物 学 の 知 識 を 臨 床 業 務<br />
に 適 用 することであり,その 成 否 は, 安 全 な 臨 床 業<br />
務 の 基 盤 となる 正 確 で 理 論 的 な 微 生 物 学 の 知 識 と<br />
慎 重 な 抗 菌 剤 処 方 に 依 存 する.<br />
習 得 すべき 知 識 3<br />
以 下 の 事 項 を 知 っておくことが 求 められる:<br />
◦ 問 題 の 重 大 性<br />
◦ HCAIの 主 な 原 因 と 種 類<br />
◦ 医 療 現 場 における 感 染 伝 播 の 様 式<br />
◦ HCAIの 予 防 管 理 に 関 する 主 な 原 理 と 手 法<br />
習 得 すべき 行 動 内 容 4 5<br />
以 下 の 事 項 が 求 められる:<br />
◦ 標 準 予 防 策 を 実 践 できる.<br />
◦ 必 要 に 応 じて 標 準 予 防 策 以 外 の 対 策 も 遵 守 で<br />
きる.<br />
◦ 無 菌 操 作 の 原 理 を 適 用 できる.<br />
◦ B 型 肝 炎 の 予 防 接 種 を 受 ける.<br />
◦ 防 護 服 と 防 護 具 を 適 切 に 使 用 および 廃 棄 できる.<br />
◦ 血 液 やその 他 の 体 液 に 接 触 した 場 合 の 対 処 方<br />
法 を 知 っている.<br />
◦ 鋭 利 な 器 具 を 適 切 に 使 用 および 廃 棄 できる.<br />
◦ 他 の 医 療 従 事 者 にとってのロールモデルとなる.<br />
◦ 感 染 予 防 に 貢 献 する 方 法 について 地 域 住 民 を<br />
教 育 できる.<br />
◦ HCAIを 予 防 および 管 理 するため 標 準 予 防 策<br />
を 実 践 するように 他 者 を 促 す.<br />
◦ HCAIによって 患 者 が 被 る 可 能 性 のある 社 会<br />
的 , 経 済 的 , 精 神 的 負 担 について 理 解 し,それ<br />
に 基 づいて 適 切 に 対 処 できる.<br />
◦ HCAIについて 患 者 およびその 親 族 と 思 いや<br />
りを 持 って 明 確 に 話 し 合 うことができる.<br />
<strong>WHO</strong> 患 者 安 全 カリキュラムガイド 多 職 種 版<br />
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