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WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...

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本 カリキュラム 指 針 のトピックへの 導 入<br />

患 者 中 心 の 医 療<br />

医 療 専 門 職 を 目 指 す 学 生 向 けに 作 成 された 本 カ<br />

リキュラムは, 患 者 中 心 の 考 え 方 を 基 本 としたもの<br />

であり, 患 者 , 依 頼 者 および 介 護 者 を 医 療 に 関 する<br />

学 習 とサービスの 提 供 の 中 心 に 位 置 づけている. 各<br />

トピックでは, 基 礎 知 識 と 応 用 知 識 ならびに 習 得 す<br />

べき 行 動 内 容 について 示 し, 患 者 安 全 の 概 念 と 原<br />

則 を 日 常 業 務 に 取 り 入 れる 方 法 を 学 生 と 医 療 従 事<br />

者 が 学 べるように 作 成 されている.<br />

どの 国 においても, 患 者 や 地 域 社 会 は 医 療 におけ<br />

る 大 きな 変 化 をただ 傍 観 する 存 在 に 過 ぎない 場 合<br />

が 多 い. 依 然 として 多 くの 患 者 は 自 身 が 受 ける 医 療<br />

に 関 する 決 定 に 完 全 に 参 加 しておらず, 最 善 の 医 療<br />

サービスを 受 けるための 方 法 に 関 する 話 し 合 いに<br />

も 参 加 していない. 今 日 でも 多 くの 医 療 施 設 で 医 療<br />

専 門 職 が 医 療 の 中 心 として 考 えられている.このよ<br />

うに 疾 患 を 中 心 に 考 えた 医 療 モデルでは, 医 療 従 事<br />

者 と 組 織 の 管 理 者 の 役 割 ばかりが 強 調 され, 実 際 に<br />

医 療 サービスを 受 ける 患 者 には 十 分 な 配 慮 がなさ<br />

れない.しかしながら, 患 者 は 医 療 の 中 心 に 位 置 づ<br />

けられるべき 存 在 であり, 末 端 で 医 療 を 受 けるだけ<br />

の 存 在 であってはならないのである.<br />

適 切 な 支 援 があれば, 患 者 は 病 状 を 効 果 的 に 自<br />

己 管 理 できるという 有 力 なエビデンスが 存 在 する.<br />

目 下 の 状 況 だけに 向 けられた 関 心 の 一 部 を 患 者 に<br />

対 する 総 合 的 な 治 療 に 向 けさせるためには, 医 療 従<br />

事 者 が 患 者 の 利 益 を 最 優 先 に 考 える 必 要 があり, 患<br />

者 に 十 分 な 情 報 を 提 供 する, 患 者 の 文 化 的 ・ 宗 教 的<br />

相 違 を 尊 重 する, 患 者 から 治 療 を 行 う 許 可 を 得 て 一<br />

緒 に 取 り 組 む,うまくいかないときや 最 善 の 医 療 が<br />

行 えないときには 正 直 に 話 す,リスクや 害 の 防 止 と<br />

最 小 化 を 医 療 サービスの 中 心 に 置 く,などの 対 応 が<br />

求 められる.<br />

社 会 的 観 点<br />

医 療 に 関 するニーズは, 健 康 状 態 の 維 持 や 改 善 ,<br />

疾 患 や 障 害 との 共 存 , 終 末 期 への 対 処 など, 個 人 の<br />

ライフサイクルを 通 じて 変 化 していくものである<br />

が, 医 療 に 対 する 社 会 的 観 点 はこの 変 化 を 反 映 して<br />

いる. 医 療 が 置 かれる 環 境 が 変 化 するなかで, 慢 性<br />

および 急 性 疾 患 に 対 する 治 療 の 新 しいモデル, 拡 大<br />

し 続 けるエビデンスや 技 術 革 新 , 医 療 チームによっ<br />

て 行 われる 複 雑 な 医 療 行 為 , 患 者 や 介 護 者 との 強<br />

い 絆 など,これまで 認 識 されてこなかったものが 現<br />

在 の 医 療 専 門 職 には 求 められている. 本 カリキュラ<br />

ムはこういった 環 境 の 変 化 を 認 識 し,さまざまな 状<br />

況 やさまざまな 地 域 で 多 数 の 医 療 従 事 者 による 治<br />

療 を 受 けている 多 種 多 様 な 患 者 を 念 頭 に 置 いて 作<br />

成 されている.<br />

医 療 従 事 者 を 目 指 す 学 生 が 患 者 安 全 について<br />

学 ばなければならない 理 由<br />

現 代 医 学 における 科 学 的 発 見 により, 医 療 成 績 は<br />

大 いに 改 善 された.しかしその 一 方 で,この 医 療 の<br />

発 展 の 陰 で 患 者 安 全 が 重 大 な 危 険 に 曝 されている<br />

ということが,さまざまな 国 の 研 究 によって 明 らか<br />

にされている.この 認 識 により 患 者 安 全 が 学 問 とし<br />

て 発 展 したことは, 大 きな 成 果 である. 患 者 安 全 は,<br />

それぞれが 独 立 した 従 来 の 学 問 領 域 とは 異 なり,む<br />

しろ 医 療 のあらゆる 学 習 領 域 に 組 み 込 むことが 可<br />

能 であり,また 組 み 込 まれるべきものである.<br />

将 来 医 療 の 担 い 手 となる 学 生 は, 患 者 安 全 につ<br />

いて(たとえばシステムが 医 療 の 質 と 安 全 に 影 響 を<br />

及 ぼすということや,コミュニケーションの 失 敗 は<br />

有 害 事 象 の 発 生 につながりうるといったことを) 理<br />

解 しておく 必 要 がある.また,これらの 問 題 に 対 処<br />

する 手 段 ,エラーや 合 併 症 の 防 止 や 対 処 のための<br />

戦 略 の 立 て 方 , 更 には 長 期 的 に 業 務 を 改 善 していく<br />

83 Part B 本 カリキュラム 指 針 のトピックへの 導 入

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