WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...
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◦ 学 生 が 自 身 の 学 習 を 共 有 し,ほかの 学 生 からの<br />
フィードバックを 受 け, 評 価 を 受 ける 機 会 が 限<br />
られている.<br />
ロールプレイ(role play)(ドキュドラマ[docudrama])<br />
よく 知 られた 教 育 方 法 であり, 特 定 の 状 況 設 定 の<br />
もとで 学 生 が 医 療 専 門 職 の 役 を 演 じる. 以 下 の 二 種<br />
類 の 方 法 がある:<br />
◦ あらかじめ 設 定 されたシナリオに 合 わせて, 学<br />
生 が 台 詞 や 行 動 を 即 興 で 演 じる.<br />
◦ 事 例 研 究 を 基 に 状 況 を 設 定 し, 学 生 は 役 柄 にな<br />
りきって 演 じる.<br />
利 点 :<br />
◦ 必 要 となる 費 用 が 少 ない.<br />
◦ 訓 練 がほとんど 必 要 ない.<br />
◦いつでも 実 施 できる.<br />
◦ 双 方 向 的 であるので, 学 習 者 は「このような 場<br />
合 にどうすればよいか」を 想 定 して 演 じること<br />
ができる.<br />
◦ 経 験 に 基 づいており, 患 者 とその 家 族 , 医 療 従<br />
事 者 および 管 理 者 が 患 者 安 全 において 果 たす<br />
役 割 を 教 え, 学 習 者 に 気 づきを 与 えることがで<br />
きる.<br />
◦ 学 習 者 が 立 場 を 変 え, 指 導 的 な 医 療 従 事 者 や<br />
患 者 の 役 を 演 じることができる.<br />
◦ 多 様 な 視 点 を 示 すことができる.<br />
◦ 患 者 安 全 上 のエラーの 予 防 において, 多 職 種<br />
間 のチームワークとコミュニケーションに 関 連<br />
した 要 素 を 探 求 するのに 理 想 的 である.<br />
問 題 点 :<br />
◦シナリオを 設 定 し, 台 本 を 書 く 必 要 がある.<br />
◦ 選 択 , 意 思 決 定 ,コンフリクトを 織 り 込 んだ 十 分<br />
に 意 義 深 い 状 況 を 設 定 する 必 要 がある.<br />
◦ 時 間 がかかる.<br />
◦ 学 生 全 員 が 参 加 できるわけではない( 見 学 す<br />
るだけの 学 生 もいる).<br />
◦ トピックから 逸 れてしまってロールプレイが 失<br />
敗 することもある.<br />
Tools and resource material<br />
Kirkegaard M, Fish J. DocUdrama: using<br />
drama to teach about patient safety.<br />
Family Medicine, 2004, 36:628–630.<br />
シミュレーション(simulation)<br />
医 療 の 分 野 においてシミュレーション 学 習 は,「 患<br />
者 をリスクに 曝 すことなく,ある 臨 床 体 験 の 全 体 ま<br />
たは 一 部 を 再 現 することにより, 時 には 役 柄 になり<br />
きって 双 方 向 的 な 行 動 を 行 わせる 教 育 技 術 」と 定<br />
義 されている 5) . 患 者 に 害 を 与 えないという 倫 理 的<br />
意 識 が 高 まってきており,これからさまざまな 形 式<br />
のシミュレーション 訓 練 が 利 用 できるようになって<br />
くるであろう 6) .<br />
利 用 可 能 なシミュレーション 形 式 には 以 下 のよう<br />
なものがある:<br />
◦スクリーン 型 のコンピュータ 式 シミュレーター<br />
◦ 単 純 な 身 体 診 察 手 技 の 練 習 に 使 用 されるロー<br />
テクのモデルやマネキン<br />
◦ 標 準 模 擬 患 者 (standardized patient)<br />
◦ 精 巧 にコンピュータ 化 された(「 現 実 的 な」) 患<br />
者 全 身 模 型 シミュレーター<br />
◦バーチャルリアリティ 装 置<br />
利 点<br />
7)<br />
:<br />
◦ 患 者 へのリスクがない.<br />
◦ 多 くのシナリオを 利 用 できる.まれではあるが<br />
危 機 的 な 状 況 を 設 定 して, 要 求 される 迅 速 な 対<br />
応 を 訓 練 することもできる.<br />
◦ 参 加 者 は 自 身 の 決 断 と 行 動 の 結 果 を 知 ること<br />
ができる. 間 違 いが 許 され,その 結 果 を 知 るこ<br />
とができる(これが 実 際 の 業 務 なら, 学 生 より<br />
有 能 な 医 療 従 事 者 が 介 入 することになる).<br />
◦ 異 なる 医 療 従 事 者 やチームに 同 じシナリオを<br />
利 用 できる.<br />
◦ 状 況 の 根 本 的 な 原 因 がわかっている.<br />
◦ マネキンを 使 ったシミュレーターでは, 医 療 従<br />
事 者 は 実 際 の 機 器 を 使 用 でき, 使 用 者 ・ 装 置 間<br />
のインターフェースの 限 界 を 体 験 できる.<br />
◦ 実 際 の 臨 床 環 境 を 完 全 に 再 現 することで, 臨 床<br />
スタッフ 同 士 の 関 係 を 探 るとともに,チーム<br />
ワーク,リーダーシップ,コミュニケーションを<br />
訓 練 することができる.<br />
◦ シミュレーションを 用 いた 学 習 セッションでは<br />
録 音 やビデオ 撮 影 など, 包 括 的 に, 踏 み 込 んで<br />
記 録 を 取 ることができる. 患 者 情 報 に 関 する 守<br />
秘 義 務 の 問 題 がないため, 保 存 された 記 録 は 研<br />
究 や 学 生 の 評 価 または 単 位 認 定 に 利 用 できる.<br />
問 題 点 :<br />
◦ シミュレーション 機 器 によっては 非 常 に 高 価 で<br />
ある.<br />
◦ 一 部 の 訓 練 装 置 については, 指 導 や 保 守 に 特<br />
殊 な 専 門 知 識 が 必 要 となる.<br />
59 Part A 8. 患 者 安 全 の 理 解 につながる 教 育 活 動