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WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...

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医 療 スタッフが 報 告 する 有 害 事 象 の<br />

中 で 手 術 部 位 感 染 が 大 きな 割 合 を 占<br />

めていたことから,この 病 院 では 手<br />

術 室 の 感 染 制 御 について 再 検 討 を 行<br />

うことを 決 定 した.<br />

トピック10「 患 者 安 全 と 侵 襲 的 処 置 」では, 手 術 などの 侵 襲 的 処 置 を 受 ける<br />

患 者 において 感 染 や 治 療 に 関 する 間 違 いの 生 じるリスクが 高 いことを 説 明<br />

する.コミュニケーションの 不 備 ,リーダーシップの 欠 如 , 医 療 プロセスへの<br />

注 意 不 足 ,ガイドラインの 不 遵 守 , 過 労 などが 失 敗 の 原 因 となりうることを<br />

理 解 すれば, 手 術 時 に 存 在 するリスクを 認 識 することにつながる.<br />

手 術 チームは 感 染 発 生 率 を 低 下 させ トピック11「 投 薬 の 安 全 性 を 改 善 する」が 重 要 視 されるのは,かなりの 割 合<br />

る 可 能 性 のある 介 入 を 模 索 するため, の 有 害 事 象 が 誤 薬 によって 引 き 起 こされているためである. 誤 薬 の 規 模 は<br />

品 質 改 善 の 手 法 (「 誰 がやったのか」 計 り 知 れない. 学 生 はエラーにつながる 要 因 を 同 定 し,これを 最 小 限 に 抑 え<br />

ではなく「 何 が 起 きたのか」を 問 題 に るための 措 置 を 知 っておく 必 要 がある. 投 薬 の 安 全 についての 学 習 によって,<br />

する)を 用 いて 外 科 病 棟 の 記 録 を 再 学 生 は 薬 物 有 害 反 応 の 可 能 性 を 理 解 し, 薬 剤 の 処 方 , 調 剤 , 投 与 ,モニタリン<br />

検 討 した.その 結 果 , 抗 生 物 質 の 予 防 グの 際 に 重 要 となる 全 ての 要 因 をしっかりと 考 慮 するようになる.<br />

的 投 与 を 適 切 に 行 えば 感 染 予 防 に 役<br />

立 つとの 情 報 を 得 たが, 投 与 にあたっ<br />

ては 患 者 一 人 一 人 の 完 全 な 処 方 記 録<br />

を 入 手 して,ほかに 処 方 されている<br />

可 能 性 のある 薬 剤 との 相 互 作 用 を 避<br />

ける 必 要 がある.<br />

カリキュラム 指 針 のトピックと 患 者 安 全 との<br />

関 係<br />

表 B-1では,カリキュラム 指 針 の 個 々のトピックは<br />

互 いに 独 立 してはいるものの, 医 療 専 門 職 として 適<br />

切 な 態 度 を 身 に 付 けるには 全 てのトピックを 学 ぶ 必<br />

要 があるということが 説 明 されている.ここでは 手<br />

指 衛 生 を 例 に 挙 げ, 安 全 な 医 療 を 実 現 および 維 持<br />

していくには 各 トピックの 学 習 内 容 が 不 可 欠 である<br />

ことを 示 す.<br />

現 実 の 世 界 と 向 き 合 う: 学 生 が 患 者 安 全 の 担<br />

い 手 となる 手 助 けをする<br />

患 者 安 全 に 関 する 変 革 においてみられる 難 題 の<br />

1つに, 医 療 の 新 しい 提 供 方 法 の 導 入 を 職 場 が 受 け<br />

入 れるか 否 かという 問 題 がある. 慣 れ 親 しんだ 方 法<br />

で 治 療 を 行 っている 医 療 機 関 や 医 療 専 門 家 にとっ<br />

ては,やり 方 を 変 えることが 極 めて 困 難 となる 場 合<br />

がある. 彼 らは 既 存 のやり 方 がどこか 間 違 っている<br />

とは 必 ずしも 認 識 してはおらず, 方 法 を 変 えなけれ<br />

ばならないと 言 われても 納 得 できない. 他 者 ( 特 に<br />

若 い 医 療 従 事 者 )が 違 う 考 えを 持 っており,やり 方<br />

も 異 なるのを 目 にすれば, 自 分 の 立 場 が 脅 かされて<br />

いる,あるいは 挑 戦 を 受 けていると 感 じる 可 能 性 す<br />

らある.このような 状 況 では, 学 生 を 積 極 的 にコー<br />

チングして 自 身 の 体 験 について 話 し 合 う 機 会 を 与<br />

えないかぎり, 研 修 プログラムにおける 患 者 安 全 の<br />

教 育 および 学 習 は 実 を 結 ばないであろう.<br />

学 生 は 初 心 者 であり,できるだけ 早 く 職 場 に 溶 け<br />

込 みたいと 望 むため, 自 身 が 選 んだ 職 種 の 医 療 専<br />

門 家 がどう 行 動 しているか,また 自 分 に 何 が 求 めら<br />

れているかを 素 早 く 学 習 しようとする.しかし 多 く<br />

の 場 合 , 学 生 は 情 報 や 職 業 上 の 支 援 を 得 ることに<br />

ついて, 教 師 や 指 導 教 官 に 大 きく 依 存 している.<br />

学 生 にとって, 教 師 や 指 導 教 官 の 信 頼 を 維 持 する<br />

ことは 最 優 先 の 課 題 となる. 学 生 の 進 路 は 良 い 成 績<br />

がもらえるかどうかにかかっており,その 成 績 は, 教<br />

員 の 非 公 式 ・ 公 式 のフィードバックや, 学 生 の 能 力<br />

と 態 度 に 関 する 主 観 的 ・ 客 観 的 評 価 に 基 づいて 判<br />

定 される. 患 者 安 全 については, 医 療 専 門 家 は 間 違<br />

いについて 話 し 合 い, 間 違 いから 学 ぶ 必 要 があるが,<br />

学 生 は 自 身 の 間 違 いあるいは 先 輩 の 医 療 従 事 者 や<br />

教 師 , 指 導 教 官 の 間 違 いを 明 らかにすると 自 分 や 関<br />

与 した 人 物 に 悪 影 響 があるのではないかと 心 配 す<br />

る 可 能 性 がある.したがって, 教 育 と 評 価 について<br />

医 療 現 場 の 教 員 や 指 導 者 に 過 度 に 依 存 してしまう<br />

と, 学 生 が 自 身 の 間 違 いを 隠 すようになり,まだ 自<br />

分 にはその 能 力 がないとわかっている 業 務 でも 求<br />

められれば 実 行 してしまうようになる 恐 れもある.<br />

学 生 は 先 輩 の 医 療 スタッフと 患 者 安 全 について<br />

話 し 合 ったり, 倫 理 的 な 問 題 に 関 して 自 身 の 懸 念 を<br />

表 現 したりするのを 嫌 がるかもしれない.これは,<br />

成 績 の 評 価 が 下 がるのではないか, 真 剣 さが 足 りな<br />

い, 態 度 がよくないとみなされるのではないかと 心<br />

配 するためである. 学 生 は 患 者 のために 明 確 な 指 摘<br />

をしたりエラーを 報 告 したりすると 成 績 が 下 がった<br />

り, 就 職 の 機 会 が 減 ったり, 高 度 な 訓 練 プログラムに<br />

参 加 する 機 会 が 遠 のくのではないかという 漠 然 と<br />

した 恐 れを 抱 いていることがある.<br />

医 療 上 のエラーをめぐる 議 論 は, 文 化 や 職 種 に 関<br />

係 なく 扱 いにくいものである.エラーから 素 直 に 学<br />

べるかどうかは, 関 係 する 医 療 従 事 者 の 人 格 による<br />

場 合 が 多 い. 文 化 や 組 織 によってはエラーに 率 直 に<br />

87 Part B 本 カリキュラム 指 針 のトピックへの 導 入

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