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WHO Patient Safety Curriculum Guide - Extranet Systems - World ...

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要 約 27<br />

医 療 上 のエラーは 複 雑 な 問 題 であるが, 人 間 で<br />

ある 以 上 ,エラーの 発 生 を 回 避 することはできない.<br />

以 下 の 対 策 によってヒューマンエラーの 発 生 率<br />

を 低 減 できることが 知 られている 15) .<br />

◦ 記 憶 に 頼 らないように 心 がける<br />

◦ プロセスを 単 純 化 する<br />

◦ 一 般 的 な 過 程 および 手 順 を 標 準 化 する<br />

◦ チェックリストを 日 常 的 に 使 用 する<br />

◦ 警 戒 心 を 過 信 しないように 心 がける<br />

トピック2「 患 者 安 全 におけるヒューマンファク<br />

ターズの 重 要 性 」の 考 察 も 参 照 のこと. T2<br />

インシデントの 報 告 および 分 析 を 行 うことで, 個<br />

人 レベルと 組 織 レベルのどちらでも,エラーから 学<br />

ぶことができる.エラーから 学 ぶうえで 障 害 となる<br />

のは, 調 査 の 際 にパーソンアプローチを 適 用 する 非<br />

難 の 文 化 や, 後 知 恵 バイアス 現 象 などである.その<br />

ため, 組 織 が 学 んでシステムに 変 化 をもたらすため<br />

には,システムズアプローチが 広 く 根 づいていなけ<br />

ればならない.<br />

RCAは,インシデント 分 析 のための 高 度 に 構 造<br />

化 されたシステムズアプローチであり, 患 者 に 極 め<br />

て 深 刻 な 害 をもたらした 事 例 に 限 って 実 施 される<br />

のが 一 般 的 である. 学 生 がRCAのプロセスに 参 加<br />

ないし 見 学 できる 機 会 は 非 常 に 少 ないかもしれな<br />

いが, 晴 れて 医 療 専 門 職 の 資 格 を 得 て 病 院 や 医 療<br />

施 設 に 配 属 された 際 には,RCAのプロセスに 参 加<br />

する 機 会 を 探 してみるべきである.<br />

指 導 方 略 および 形 式<br />

シミュレーション 訓 練<br />

エラーを 報 告 して 分 析 することの 必 要 性 につい<br />

ては, 有 害 事 象 とさまざまなシナリオが 作 成 できる<br />

であろう.エラーを 回 避 する 方 法 を 示 す 実 践 的 な 訓<br />

練 とすることも 可 能 であり,その 場 合 はエラーの 管<br />

理 戦 略 について, 予 行 練 習 することが 推 奨 される.<br />

双 方 向 的 な 講 義 / 通 常 の 講 義<br />

トピック 全 体 を 網 羅 した 指 針 として, 付 属 のスラ<br />

イドを 使 用 すること.PowerPointのスライドをそ<br />

のまま 使 用 してもよいし,OHP 用 のスライドに 変 換<br />

してもよい.セッションの 冒 頭 では,Case Study<br />

Bankから 選 択 した 事 例 研 究 を 題 材 とするか, 学 生<br />

自 身 が 最 近 犯 したエラーを 挙 げさせること.<br />

小 グループ 討 論<br />

小 グループ 討 論 では, 職 場 でよくみられるエラー<br />

を 題 材 とするのがよいであろう.1 人 または 複 数 の<br />

学 生 に 進 行 役 を 命 じて, 本 トピックに 関 係 する 領 域<br />

について 討 論 させるとよい. 討 論 は 本 トピックの 見<br />

出 しに 沿 って 進 めてもよいし, 事 前 に 資 料 を 準 備 し<br />

て 配 布 するのもよいであろう.このセッションを 担<br />

当 するインストラクターは, 地 域 の 医 療 ( 制 度 )や 臨<br />

床 現 場 に 関 する 情 報 を 補 足 できるように, 本 トピッ<br />

クに 精 通 した 者 が 務 めるべきである.<br />

その 他 の 教 育 活 動<br />

本 トピックに 関 係 する 領 域 について 討 論 を 促 す 方<br />

法 として, 以 下 のものが 挙 げられる:<br />

− 学 生 が 目 撃 したエラーや 有 害 でなかったインシ<br />

デントについて 日 誌 に 記 録 させる(エラーの 内<br />

容 および 種 類 と 類 似 の 事 象 の 再 発 を 防 止 する<br />

ための 推 奨 策 など).<br />

− 前 述 の 事 例 研 究 から, 医 療 現 場 で 最 も 多 くみら<br />

れるエラーに 関 する 討 論 のテーマとなるもの<br />

を 選 択 する.<br />

− 新 聞 , 雑 誌 ,テレビなどで 報 道 された 事 例 を 用<br />

いる.<br />

− 自 身 の 職 場 や 実 務 経 験 の 中 で 発 生 した,まだ 特<br />

定 されていない 事 例 を 用 いる.<br />

− 事 例 研 究 を 用 いて, 起 こりうるエラーとそれに<br />

関 連 する 要 因 についてブレーンストーミングを<br />

行 わせる.<br />

− エラーおよびシステムとしての 失 敗 に 関 する 他<br />

産 業 からの 教 訓 を 検 討 する.<br />

− 工 学 や 心 理 学 などの 他 の 学 問 領 域 の 専 門 家 を<br />

招 き,エラーと 原 因 の 仮 説 , 安 全 の 文 化 , 安 全 に<br />

おけるエラー 報 告 の 役 割 などについて 議 論 し<br />

てもらう.<br />

− 周 囲 から 尊 敬 されている 優 れた 医 療 従 事 者 を<br />

招 いて, 自 身 が 起 こしたエラーについて 話 をし<br />

てもらう.<br />

− 病 院 で 質 改 善 業 務 を 担 当 しているスタッフを 招<br />

いて, 情 報 収 集 , 分 析 , 成 果 や 質 改 善 のプロセスで<br />

各 スタッフが 果 たす 役 割 について 話 してもらう.<br />

− 質 ・ 安 全 管 理 者 を 招 いて, 特 定 の 施 設 や 制 度 で<br />

運 用 されているエラー 防 止 や 有 害 事 象 管 理 の<br />

ためのシステムについて 話 をしてもらう.<br />

− システムとしての 失 敗 , 違 反 ,エラーの 違 いを<br />

検 討 する(トピック4を 参 照 ).<br />

− 事 例 研 究 を 用 いて, 有 害 事 象 を 管 理 するための<br />

さまざまな 方 法 を 分 析 する.<br />

− RCAに 参 加 したり,RCAを 見 学 したりする.<br />

<strong>WHO</strong> 患 者 安 全 カリキュラムガイド 多 職 種 版<br />

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