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チェルノブイリ原発事故による 環境への影響とその修復 ... - 日本学術会議

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で 実 施 しなければならない。 文 献 [7.25]によれば、2006 年 にこの 地 域 に 地 質 学 的 に 最 適 な 用 地 を 探<br />

索 するための 調 査 を 始 動 させることは 合 理 的 であると 考 えられている。そのような 計 画 に 沿 い、 深<br />

地 層 ( 高 深 度 地 下 ) 処 分 施 設 は 2035~2040 年 の 期 間 以 前 に 完 成 されるかもしれない。<br />

将 来 的 に 石 棺 シェルター 起 源 の 放 射 性 液 状 廃 棄 物 は、チェルノブイリ 原 発 敷 地 内 の 新 しい 放 射 性<br />

液 状 廃 棄 物 処 理 工 場 で 管 理 される 計 画 になっている。しかし、 超 ウラン 元 素 を 含 む 液 状 廃 棄 物 の 管<br />

理 は 解 決 されるべき 問 題 として 残 されている。<br />

これらに 加 え、 事 故 起 源 の 放 射 性 廃 棄 物 の 管 理 戦 略 では、 事 故 後 の 最 初 の 数 ヶ 月 間 に 使 用 されて<br />

最 終 処 分 法 が 未 決 定 である 約 2000 もの 汚 染 された 装 備 ( 輸 送 車 、ヘリコプター、 戦 車 等 )を 収 容<br />

している 他 の 貯 蔵 場 についても、その 管 理 も 考 慮 すべきである。<br />

7.2.3. 環 境 的 側 面<br />

CEZ 内 のほとんどの 暫 定 放 射 性 廃 棄 物 処 分 施 設 の 安 全 性 に 関 しては、これらの 施 設 が、 地 表 面<br />

の 90 Sr レベルが 400~20 000 kBq/m 2 、 137 Cs が 700~20 000 kBq/m 2 、そして 239,241 Pu が 40~1000 kBq/m 2<br />

という 非 常 に 汚 染 された 地 域 に 存 在 するという 状 況 を 踏 まえて 考 察 される 必 要 がある。 同 一 地 域 内<br />

で、 複 数 の 暫 定 放 射 性 廃 棄 物 施 設 が、それぞれ 数 メートルの 土 壌 と 他 の 地 質 材 料 によって 遮 蔽 され<br />

た 比 較 的 少 量 の 容 積 を 占 有 している。<br />

増 大 する 地 下 水 汚 染 の 危 険 性 と、それが 将 来 、 水 の 供 給 に 利 用 されている 主 要 水 源 に 到 達 する 可<br />

能 性 は 重 大 な 懸 念 事 項 である。 仏 独 イニシアチブで 報 告 された 測 定 [7.32]( 表 7.5 参 照 )は、いくつ<br />

かの 暫 定 放 射 性 廃 棄 物 施 設 が 地 下 水 に 深 刻 な 影 響 を 及 ぼしていることを 明 らかにした。 特 に、 完 全<br />

にまたは 部 分 的 に 浸 水 したトレンチは、 工 学 的 安 全 機 能 の 設 計 不 足 により、 放 射 性 核 種 の 流 出 が 増<br />

加 している。ブリアコフスカ 施 設 のような、より 好 ましい 環 境 条 件 下 にあれば、 放 射 性 核 種 の 放 出<br />

変 動 を 低 減 でき、 地 下 水 の 放 射 能 濃 度 を 比 較 的 低 レベルに 維 持 できる。<br />

年 間 の 一 時 期 、いくつかの 暫 定 放 射 性 廃 棄 物 施 設 では 地 下 水 面 が 非 常 に 接 近 したり 施 設 内 まで 上<br />

昇 して、それが 放 射 性 核 種 の 分 散 に 影 響 する。トレンチ、または 埋 め 立 て 地 での 地 下 水 面 の 水 位 は<br />

深 さ 1~7 m ほどであり、 季 節 によって 変 動 することが 注 目 される。スタンジア・ヤノフ【Stanzia<br />

Yanov】およびネフテバザ【Neftebaza】の 施 設 は 常 に 部 分 的 に 冠 水 している。 冠 水 は、コンプレク<br />

スニー(Kompleksny) 処 分 施 設 においても 重 要 な 関 心 事 である。ここでは 廃 棄 物 容 器 が 処 分 施 設 の<br />

基 底 部 から 0.5~0.7m の 位 置 まで 浸 水 している[7.19]。これらの 処 理 施 設 での 汚 染 程 度 は 1986~1989<br />

年 に 導 入 された 監 視 システムを 使 ってモニターされており、システムのアップグレードが 必 要 であ<br />

る。<br />

暫 定 貯 蔵 施 設 周 辺 での 地 下 水 汚 染 のモニタリング 結 果 によると、 90 Sr の 濃 度 は 100~<br />

100000Bq/m 3 [7.19, 7.33]の 範 囲 であった。 濃 度 の 最 高 値 はチェルノブイリ 原 発 敷 地 の 北 部 で 検 知 され<br />

たが、そこからの 地 下 水 はプリピャチ 川 に 注 いでいる。 従 って、 河 岸 の 直 近 の 沖 積 土 壌 中 に 位 置 し、<br />

高 水 位 期 に 定 期 的 に 冠 水 の 危 険 性 がある 放 射 性 廃 棄 物 施 設 では、 放 射 性 核 種 による、 実 際 あるいは<br />

潜 在 的 な 影 響 【つまり 放 射 性 物 質 の 漏 出 】が 存 在 する[7.20, 7.32]。これらのタイプの 処 分 施 設 は 過<br />

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