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チェルノブイリ原発事故による 環境への影響とその修復 ... - 日本学術会議

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施 設 数 が 多 いので、 安 全 性 評 価 の 必 要 性 の 優 先 順 位 を 定 める 必 要 がある。これらの 評 価 は 現 在 の<br />

条 件 下 での 安 全 性 と、 将 来 あり 得 る 再 居 住 を 考 慮 した 場 合 の 安 全 性 に 関 して 実 施 されるべきである。<br />

冠 水 している、またはする 可 能 性 のある 施 設 や、 将 来 、 数 百 年 間 にわたる 広 範 な 管 理 を 必 要 とする<br />

施 設 の 数 を 抑 制 する 必 要 性 も 考 慮 すべきである。<br />

より 高 い 放 射 線 リスクを 抱 える 施 設 を 選 ぶには、 暫 定 施 設 の 廃 棄 物 に 含 まれる 放 射 能 の 含 有 内 容 、<br />

特 に 長 寿 命 放 射 性 核 種 含 有 量 を 評 価 する 手 法 の 改 善 が 重 要 である。 実 用 上 、この 評 価 法 はできるだ<br />

け 少 ない 数 のパラメータと 手 法 とに 依 拠 すべきものである。この 方 法 で、 個 々の 施 設 が 環 境 に 与 え<br />

得 る 影 響 について 現 在 行 っている 評 価 が 抱 える 不 確 かさが 低 減 されるうえ、CEZ における 全 ての 既<br />

存 および 潜 在 的 な 汚 染 源 を 考 慮 した、 一 貫 した 評 価 が 実 現 可 能 になる。<br />

7.2.4.5. チェルノブイリ 立 入 禁 止 区 域 に 位 置 する 暫 定 廃 棄 物 貯 蔵 施 設 の 復 旧 の 可 能 性<br />

暫 定 廃 棄 物 貯 蔵 施 設 の 管 理 戦 略 の 整 備 が 進 みつつある。これは、 異 なる 施 設 に 対 し、それらの 現<br />

状 と 環 境 への 放 射 線 リスクに 従 って、 次 の 3 種 のオプションを 想 定 するものである[7.19, 7.29]。<br />

(a) 環 境 影 響 を 最 小 限 に 抑 え 作 業 員 の 安 全 性 を 改 善 するため、 短 期 間 に 廃 棄 物 を 回 収 し 処 分 する【べ<br />

き 施 設 】。 例 をあげると、 工 業 地 区 、 石 棺 シェルター、 浸 水 した 暫 定 貯 蔵 施 設 、そしてコンプレ<br />

クスニー 処 分 施 設 。<br />

(b) 放 射 線 防 護 基 準 に 従 い、 将 来 的 な 処 分 を 視 野 に 入 れて、 廃 棄 物 を 組 織 的 管 理 下 で 暫 定 貯 蔵 する。<br />

例 をあげると、ポドレズニー 処 分 施 設 とチェルノブイリ 事 故 処 理 活 動 で 汚 染 した 装 備 類 。<br />

(c) 適 切 な 介 入 策 を 決 定 するため、 調 査 される 必 要 がある 施 設 を 検 査 する。 例 をあげると、 暫 定 放 射<br />

性 廃 棄 物 施 設 と NCF 建 設 起 源 の 土 壌 。<br />

7.3. チェルノブイリ 立 入 禁 止 区 域 の 将 来<br />

CEZ の 長 期 的 開 発 は 重 要 にして 複 雑 な 課 題 であり、 多 様 な 技 術 的 、 経 済 的 、 社 会 的 、その 他 の<br />

要 因 を 考 慮 する 必 要 がある。この 地 域 の 発 展 のために 様 々なオプションが 検 討 されてきた。<br />

Likhatarev 等 [7.35]によると、2015 年 以 降 、チェルノブイリ 原 発 周 辺 地 域 のおよそ 55%は、ウクラ<br />

イナ 法 による 放 射 線 医 学 的 制 限 から 解 放 されると 考 えられる。しかし、 住 民 をこの 圏 内 に 戻 すため<br />

の 最 終 決 定 は、 汚 染 された 土 地 の 不 均 一 性 や 現 地 の 地 形 の 異 なる 部 分 における 放 射 性 核 種 の 移 動 や<br />

蓄 積 、そして 地 域 住 民 の 日 常 的 習 慣 ( 狩 猟 、 釣 り、ベリー 摘 み、きのこ 狩 り 等 )を 考 慮 する 必 要 が<br />

ある。<br />

CEZ 開 発 の 包 括 的 計 画 とは、CEZ の 汚 染 区 域 を 復 旧 し、CEZ を 見 直 し、そして 非 汚 染 区 域 に 人 々<br />

が 再 居 住 できるようにするものである。そのため、 再 居 住 区 域 で 実 施 される 可 能 性 がある 活 動 : 食<br />

物 生 産 農 耕 や 家 畜 の 放 牧 の 禁 止 、そして 家 畜 への 清 浄 な 飼 料 のみの 使 用 に 関 する、 明 確 に 定 義 され<br />

た 行 政 的 な 規 制 が 必 要 になる。 従 って、これらの 再 居 住 区 域 は、 住 宅 地 区 ではなく 産 業 地 区 に 最 適<br />

である。<br />

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