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チェルノブイリ原発事故による 環境への影響とその修復 ... - 日本学術会議

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ポドゾル( 酸 性 )はロシア 語 で、 表 層 下 が 灰 白 色 を 示 す 土 のこと。 湿 潤 な 冷 温 帯 から 亜 寒 帯<br />

の 針 葉 樹 林 下 の 土 壌 で、 分 解 しにくい 地 表 の 堆 積 有 機 物 層 からの 有 機 酸 が 土 壌 の 粘 土 を 破 壊<br />

し、 腐 植 層 の 直 下 には 漂 白 された 酸 性 の 砂 質 土 が 見 られ、その 下 に 鉄 、アルミニウムと 腐 植<br />

が 沈 積 している。 肥 沃 度 は 極 めて 低 い。 日 本 では、 高 山 のケイ 酸 質 風 化 物 土 にまれに 見 ら<br />

れる。soddy とは 草 の 生 えたという 意 味 で、 森 林 になっていない 事 から 弱 いポドゾルという<br />

事 になる。なお、soddy podzolic は 草 の 生 えたポドゾル 風 であるが、soddy「 草 の 生 えた」は 常<br />

に 一 緒 に 出 てくるので 訳 出 していない。<br />

3.1. 放 射 性 物 質 の 放 出 と 沈 着<br />

3.1.1. 汚 染 源 としての 放 射 性 核 種 の 量<br />

チェルノブイリ 原 発 4 号 炉 の 事 故 は1986 年 4 月 26 日 の 午 前 零 時 過 ぎに 起 きた。 事 故 が 起 こる 前 、 原<br />

子 炉 はある 実 験 の 準 備 のため、 特 殊 な 条 件 【この 条 件 が 原 子 炉 設 計 条 件 を 超 えていた】で 何 時 間 も<br />

稼 働 していた。この 実 験 は、 原 子 炉 の 計 画 外 停 止 にそなえるもので、 緊 急 停 止 の 際 にタービン 内 の<br />

エネルギーを 回 復 させる 事 を 目 的 としていた。 事 故 の 原 因 は 複 雑 だが、 主 因 は 原 子 炉 内 の 熱 エネル<br />

訳 注<br />

ギーの 異 常 な 急 上 昇 が 原 子 炉 内 の 冷 却 水 を 蒸 発 させたためと 考 えられる 1) 。その 結 果 、 更 に 原 子<br />

炉 内 の 熱 エネルギー【 圧 力 と 思 って 良 い】が 高 まり、 蒸 気 爆 発 が 起 きて 原 子 炉 を 破 壊 した。 一 度 目<br />

の 爆 発 の 後 に 原 子 炉 内 の 黒 鉛 が 発 火 した。 所 員 たちの 英 雄 的 な 消 火 活 動 にもかかわらず 黒 鉛 は 何 日<br />

間 も 燃 え 続 け、 放 射 性 物 質 の 飛 散 は1986 年 5 月 6 日 まで 続 いた。 放 射 性 物 質 の 飛 散 の 時 間 的 な 経 過 を<br />

データに 基 づいて 推 定 したものが 図 3.1である[3.1, 3.2, 3.3]。<br />

図 3.1.: チェルノブイリ 事 故 による 放 射 性 物 質 の 大 気 への 放 出 の11 日 間 の 推 移 ( 推 定 値 )。 希 ガスは<br />

除 く。 放 射 性 核 種 の 半 減 期 を 使 って1986 年 5 月 6 日 での 値 を 推 定 した( 誤 差 ±50%)。[ 文 献 3.1より 引<br />

用 ]【 縦 軸 は 一 日 あたりの 放 出 量 で 単 位 は10 18 Bq/d。 横 軸 は 事 故 (1986 年 4 月 26 日 )からの 日 数 。】<br />

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