Glyphs 2.3

11 TrueTypeヒンティング
11.1 インストラクション
TrueTypeフォントではかなり 正 確 に 各 サイズでのアウトラインの 変 化 を
制 御 できます。この 作 業 はよくヒンティングと 呼 ばれます。 本 書 でもヒン
ティングと 特 に 区 別 は 付 けませんが、 正 確 にはインストラクションと 呼 ば
れるものです。レンダリングの 際 、ピクセルがアウトラインの 内 側 にあれ
ばそのピクセルは 黒 、 外 側 にあれば 白 になります。インストラクションと
は、 低 解 像 度 なフォントサイズで 表 示 品 質 を 向 上 させるために、アウトラ
インそのものをサイズに 合 わせて 変 形 させる 技 術 です。そのためどのよう
な 種 類 のインストラクションでも、ピクセルの 位 置 に 合 わせてアウトライ
ンのポイントを 操 作 するという 点 で 共 通 しています。PostScriptヒンティ
ングではステムの 存 在 などだけを 教 えてあとはラスタライザーの 性 能 に 頼
るためピクセル 化 はラスタライザーの 作 業 になりますが、TrueTypeのイ
ストラクションではデザイナーが 自 ら 詳 細 に 挙 動 を 設 定 するため、ラスタ
ライザーに 高 度 な 処 理 機 能 は 必 要 とされません。ただしTrueTypeフォン
トのレンダリング 結 果 はOS ごと、アプリケーションによって 多 少 の 差 は
生 じます( 同 じWindowsでもバージョンが 違 えば 結 果 は 異 なります)。
インストラクションを 施 すと、TrueTypeベースフォントの 低 解 像 度
下 でのレンダリング 結 果 が 向 上 します。TrueType ベースフォントとは、
TrueType 形 式 のOpenType( 拡 張 子 .ttfまたは.otf)、 EOT Web フォン
ト(.eot)、 TrueTypeベースのWOFFフォント(.woff またはwoff2)で
す。PostScriptのそれと 同 様 、ヒンティングの 目 標 はグリフ 形 状 をそのま
ま 表 示 するのではなく、ピクセルグリッドに 合 わせて 適 用 させることにあ
ります。これは 低 解 像 度 下 ではかなり 激 しい 変 形 になることがあります。
TrueType フォントは2 次 ベジェ 曲 線 を 使 っているため、カーブを 描
画 する 計 算 式 も 描 画 方 向 も 違 います。しかしGlyphs のインターフェイス
ではPostScript 方 式 の3 次 ベジェ 曲 線 しか 扱 いません。TrueTypeに 出 力
する 際 、パスは 自 動 的 にTrueType 用 のものに 変 換 されますが、この 際 に
は 手 動 で 施 されたインストラクションも 含 まれます。
TTFAutohintの 詳 細 については 公
式 Webサイトを 参 照 してください:
freetype.org/ttfautohint
11.2 オートヒンティング
GlyphsはWerner Lamberg 開 発 によるオープンソースのTTFAutohint
というオートヒンティングツールを 使 い、TrueTypeインストラクションを 自
動 でフォント 出 力 時 に 施 します。それぞれのインスタンスに「TTFAutohint
Options」カスタムパラメータを 加 えることでオートヒンティングのオプ
ションを 設 定 できます。 各 パラメータの 詳 細 は「17.3 カスタムパラメー
タ 」( p.184)を 参 照 してください。
Glyphsハンドブック2016 年 11 月 版
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