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編集にあたって<br />
この『データブック』のシリーズは、自己点検・評価の基礎資料であり、本学の教育研究活<br />
動の全容を客観的な数値データで示す資料集として毎年度継続刊行しているものである。これ<br />
には、本学の建学理念の展開から、正課教育・課外教育および研究活動はもとより、国際交流<br />
や社会的関係をも含め、施設・設備や管理運営、財政に至るまで、本学の活動に関わる基礎的<br />
データが網羅的に収録されている。<br />
この『データブック 2011』は、『データブック 2010』に続く通算第18冊目にあたり、巻・<br />
号番号はVol.9 No.2となる。<br />
凡 例<br />
1 『データブック』の主たる情報源は、既刊のそれと同じく各種の業務統計資料であるが、そ<br />
れらを自己点検・評価の資料として加工、編集したのが本書である。もちろん経年対比が可能<br />
なように整理を試みたものである。<br />
2 本書は「<strong>関西大学</strong>『学の実化』」をシリーズのメインタイトルとするが、いずれも独立した<br />
構成とする前例にしたがい編集した。<br />
3 本書では、実用上の便宜を考えて年号は西暦表記とし、必要に応じてカッコ内に元号を併記<br />
した。<br />
4 数値データの基準日は、原則として2011(平成23)年 5 月 1 日現在とした。また事業に応じ<br />
て同年 3 月31日付、2010年度等のデータの導入を図ることにした。<br />
5 表題等から、数の単位等がおのずと分かるものについては、万・千・円、人等の単位の表記<br />
を割愛し、単純化を図った。また紛らわしくない限り、正式名称等の「<strong>関西大学</strong>」の字句も省<br />
略した。<br />
「学の実化」について<br />
<strong>関西大学</strong>における自己点検・評価活動のまとめとして刊行している一連の冊子の表題に付し<br />
た「学の実化」という言葉は、本学において特別の意味をもつものである。<br />
1922(大正11)年、東西の主要大学の中でいち早く大学令による大学に昇格を果たした本学<br />
は、挙げて教育・研究の興隆に燃えていた。時の総理事・山岡順太郎は、<strong>関西大学</strong>の歩むべき<br />
指標として「学理と実際との調和」「国際的精神の涵養」「外国語学習の必要」「体育の奨励」<br />
を提唱し、その推進を図った。ここで山岡は深遠な学問も空理に終わるのではなく、高邁な学<br />
理と実際との調和を追求しようと努めた。それが結晶して「学の実化」という言葉が彼の口か<br />
ら生まれた。今から80余年を遡る1923(大正12)年のことである。山岡順太郎は「<strong>関西大学</strong>学<br />
報」(第 8 号)に、つぎのように述べている。<br />
「学問の実質的価値は、其の社会化価値である。苟も学問である限り、確たる現実の事相に<br />
即し、実際から出発して一の原理に到達する順序と、更に学術的思索から実際に帰るといふ順<br />
序とが、表裏一体のものとならねばならぬ。」(原文のまま)<br />
この言葉は、学歌にも歌われ、今日にいたるまで本学の学是として脈々と受け継がれ、「開<br />
かれた大学構想」をはじめとする多様な展開へと発展している。<br />
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