医療機関における精神障害者の 就労支援の実態についての調査研究
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第 5 章 研 究 委 員 会 における 議 論 ・ 提 言しから 就 職 活 動 まで、 医 療 機 関 と 労 働 機 関 が 密 接 に 連 携 する 体 制 が 必 要 である。(3) 職 場 定 着 ・ 就 業 継 続 支 援 のための 医 療 リハビリテーションの 支 援精 神 障 害 は、 就 職 後 も 疾 患 悪 化 や 生 活 状 況 悪 化 のリスクが 継 続 し、それが 就 業 継 続 の 大 きなリスクとなる。実 際 の 職 業 生 活 における 継 続 的 な 疾 患 管 理 や 生 活 支 援 が 実 施 される 必 要 があるが、 現 実 には、 就 職 後 の 支 援への 医 療 機 関 の 関 与 は 十 分 でない。実 際 の 職 業 生 活 場 面 での 職 業 アセスメント 結 果 を 医 療 機 関 側 にフィードバックし、 継 続 的 な 医 療 管 理 ができるように 支 援 することが 必 要 である。精 神 障 害 は 体 調 悪 化 等 のリスクは 継 続 するために、 就 職 後 のフォローアップ 期 間 は 期 限 が 定 められない。職 場 、 定 期 的 通 院 先 の 主 治 医 等 との 連 絡 体 制 を 構 築 し、 問 題 状 況 に 素 早 く 予 防 的 に 対 応 できるようにすることが 必 要 である。2 モデル 的 な 医 療 機 関 における 就 労 支 援 担 当 者 の 配 置1のような、 精 神 障 害 のある 人 の、 医 療 ・ 生 活 ・ 就 労 支 援 ニーズに 一 体 的 に 対 応 する 共 同 事 業 を 効 果 的 に実 施 するためには、 積 極 的 に 就 労 支 援 を 実 施 する 医 療 機 関 が 中 心 となって、 地 域 の 医 療 機 関 と 就 労 支 援 機 関のネットワークを 構 築 していくことが 必 要 である。その 中 心 として 機 能 できる 機 関 における 人 材 の 確 保 と 経済 的 基 盤 の 整 備 が 必 要 である。こういったネットワークの 構 築 により、 診 療 中 心 の 医 療 機 関 が、 就 労 支 援 を 実 施 する 医 療 機 関 につながりやすくなり、また、 就 労 支 援 を 実 施 している 医 療 機 関 と 地 域 の 就 労 支 援 機 関 との 連 携 も 実 施 しやすくなり、地 域 全 体 の 医 療 ・ 生 活 ・ 就 労 支 援 のネットワークの 活 性 化 につなげることが 必 要 である。また、 現 在 の 地 域 においては、 医 療 ・ 保 健 ・ 福 祉 のネットワーク 整 備 が 中 心 であるが、そのネットワークを 相 互 補 完 するネットワークによって、 地 域 全 体 のネットワークの 発 展 も 期 待 する。これは、いわゆる 箱 ものではなく、 機 能 を 持 たせるという 意 味 で、 現 在 、 地 域 において 医 療 ・ 生 活 ・ 就 労支 援 の 一 体 的 取 組 を 実 施 している 医 療 機 関 であって、 地 域 の 医 療 - 就 労 ネットワークの 中 核 的 な 存 在 になる機 関 を 選 定 して 行 うことが 良 いと 考 える。この 医 療 機 関 における 就 労 支 援 担 当 者 は、 医 療 ・ 生 活 ・ 就 労 支 援の 一 体 的 コーディネートを 担 当 するため、 調 査 結 果 でも 多 かった 精 神 保 健 福 祉 士 、 保 健 師 、 看 護 師 、 作 業 療法 士 等 の 医 療 従 事 者 が 適 当 であり、 必 要 に 応 じて 就 労 支 援 の 専 門 研 修 等 を 実 施 する 必 要 もあるだろう。 診 療報 酬 では 専 門 職 の 兼 職 は 認 められないため、 基 準 外 の 人 員 として 配 置 し、その 際 の 財 政 的 支 援 は 人 的 基 準 や支 援 の 内 容 によって 定 めることとするのが 良 いだろう。-140- - -