スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学
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'pablo/ (Ueda) (Stirling) /ma'drid/ (Ueda) (Stirling)<br />
S. /'ka sa/ (家) J. /ka sa/ (傘) 128<br />
S. /'a ni mo/ (活力) J. /a ni mo/ (兄も)<br />
S. /a 'ki/ (ここ) J. /a ki/ (空き)<br />
スペイン語でアクセントが 1 つだけの音素的句では、音声的な強さと高さが一致する。そ<br />
のため、両言語話者の間に、干渉による音素的な問題は起こらないが、以下のような音声的<br />
差異を指摘できる。<br />
スペイン語のアクセント音節は日本語のそれと比べて強く、長く、高いピッチで発話され<br />
る。スペイン語では強勢音節と弱勢音節の強さの差が大きく、とくに休止の直前の弱勢音節<br />
の弱化が目立つ 129 。また、強勢音節は弱勢音節の 2~3 倍の長さを持ち 130 、これは日本人の耳<br />
には、J. / (C)VH/に聞こえる。高さについては音調の問題になるが、最終強勢音節が音調の核<br />
(後述:4. 2. 4) になるため、かなり高く発話される。<br />
印象的にいうならば、スペイン語は韻律的にダイナミックであるのに対し、日本語はシン<br />
プルで単調である(monótono)である。<br />
128 ボールドはピッチが高いことを示す。<br />
129 ただし、2. 1. 1 (3)で述べたように、英語などと比べると弱化の程度は少ない。<br />
130 cf. 2. 1. 1 (4).<br />
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