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スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学

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(b2) 複文。従-主型。複文の配列は(b1) の主-従型がほとんどだが、次のように強調などが影<br />

響して、従-主型が現れることもある。<br />

(3) 比較<br />

/ヨ˥ム"カモシレナイ↓#/<br />

スペイン語では重文型と複文型の区別が比較的明瞭であるが、日本語では、早い発話にな<br />

ると、すべて複文の主-従型になる傾向がある。この相違は、スペイン語の音調が表現に富み、<br />

逆に日本語の音調が単調である印象を与える一因となっている。<br />

4.3. リズム<br />

スペイン語のリズムは音節が単位である。すなわち音節の数に比例して、発話も長くなる<br />

傾向がある。また、各音節の長さがほぼ等しいという「等時性」isocronismo が指摘されてい<br />

る。<br />

しかし、強勢音節と弱勢音節の長さは大きく違う。また、音調の核になる強勢音節は、他<br />

の強勢音節に比べてかなり長い。よって、スペイン語の発話中に長さの等しい音節が等分に<br />

分布しているとは考えられない。<br />

日本語のリズムの単位はモーラであって、音節ではない。モーラにも等時性があり、これ<br />

はスペイン語の音節と異なり、アクセント核や末尾の音調核であろうとなかろうとほぼ等し<br />

く保たれる傾向がある。<br />

両言語のリズムを比較すると、両者とも英語などの stress-timed rhythm 158 とは一線を画する<br />

が、その分布においては両者間に大きな違いがある。たとえば、S. Hoy es domingo.<br />

/'oyesdo'mingo/ (今日は日曜日)を日本語のリズムで発音すると、>J. /oiesudomiNgo/のように、8<br />

モーラになり、かなり間延びした発話になるので、日本語話者は注意しなければならない。<br />

逆に、スペイン語話者は、次のように日本語の音節に強勢を付して、長音化する傾向があ<br />

るが、これは日本語話者の耳には、/CVH/という長音節に解されるおそれがある。<br />

158 cf. Pike (1947: 13.<br />

>S. /so'rewa to'temo musuka'si des↓#/<br />

131

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