スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学
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Juan pegó a Pepe. Juan pegó a Pepe Juan pegó a Pepe<br />
(フアンがペドロをぶった。フアンがペドロをぶった。フアンがペドロをぶった。)<br />
/マ サ オ "ガ| タ˥ ローヲブ˥ッタ#//マ サ オ ガ タ ロ˥ ー"ヲ|ブ˥ッタ#/<br />
よって、日本語話者にとってピッチを用いてスペイン語の文中の強調を置くべき音節に音<br />
調の中心を移動させることが難しい。<br />
日本語の音調は、頭高でない限り、第 1 モーラから第 2 モーラにかけて上昇があり、その<br />
後はアクセント核の位置までゆるやかな下降のあるほぼ台地状のパタンを形成する。頭高の<br />
ときは語頭が明瞭であるが、その後はすべて低い音調となる。どちらにしても語尾の音調が<br />
低く続くので、語尾が不明瞭となる傾向がある。次は頭高型と平板型の続く例である。<br />
それを文中に入れると概略次のようになる。<br />
113<br />
/サ˥カタ| マサオ/<br />
/サ˥カタ マサオ デス#/<br />
丁寧な発話では休止( /|/ )がよく現れ、ピッチの上昇も明瞭になるが、連続して発話されと<br />
上の図のように語頭が高く後は下降を続けるという形状になる。<br />
一方スペイン語では次のようになる。<br />
S. /soy xo 'se mo 'li na#/ Soy José Molina. (私はホセ・モリーナです)<br />
スペイン語では重要な/xo'se mo'lina/の部分にピッチに上昇があるが、日本語の例ではそれ<br />
が文頭で現れている。このようにそれぞれの言語で特有の音調パタンの性格に応じた語の配<br />
置やピッチの上昇で情報が十分に伝わるが、これを一方の言語から他の言語に移すと以下の