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スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学

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(1a) /te 'bas ma 'ɲa na/ (1b) /te 'bas ma "ɲa na/<br />

Te vas mañana. Te vas mañana.<br />

(2a) /ma 'ɲa na te 'bas/ (2b) /ma "ɲa na te 'bas/<br />

Mañana te vas. Mañana te vas.<br />

(1a)は普通の音調で、発話のどの部分にも強調は加わっていない。/te/のレベルが 1 であり、<br />

/'ba/になると急に上昇して 3 へ移動し、以下/'ɲa/まで自然なゆるやかな下降がある。/'ɲa/の強<br />

勢音節のレベルは/'bas/のレベルと比べて著しく低い。これを 1 で表す。最終音節の/na/は、下<br />

降調末尾/↓#/の前では、0 のレベルまで比較的急に下がる。/ma/の自然下降と/na/の末尾の下降<br />

とは、音声的にも言語的価値においても異なるので、前者は水平線とし、後者は斜線として<br />

区別する。<br />

(1b)は、mañana に強調 (emphasis) が置かれた場合である。(a)と比べると、/"ɲa/の強勢音<br />

節が極度に高くなるので、これをレベル 4 で表す 146 。/na/の下降は急激であるが、時間的には<br />

(1a)の/na/とそれほど変わらない。視覚的に長く見えるが音調は斜面の長さではなく、時間軸<br />

に降ろした水平の長さが示すものとする。<br />

(2a)は、(1a)の音調と基本的に変わらないが、/'bas/の音節中に下降があることが異なる。こ<br />

れを太い斜線で示した。(2b)は、mañana に強調が置かれた場合で、(2a)と同様に、/"ɲa/は 4<br />

のレベルまで上昇する。<br />

(2) 日本語<br />

日本語ではピッチがアクセントとして用いられるため、音調はそのピッチパタンを変える<br />

ことができず、その分布に制限がある。<br />

146 音素表記中の/"/は強調を示す。<br />

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