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スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学

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(2) 日本語<br />

/laeɾ'mana de xo'se ma'ria↑ i 'tu↓#/<br />

la hermana de José, y tú (ホセ・マリアの姉と君)<br />

/laeɾ'mana de xo'se↓ ma'ria↑ i 'tu↓#/<br />

la hermana de José, María, y tú (ホセの姉とマリアと君)<br />

日本語では、次のように一時休止の前に平坦の音調 (/|/) だけが起こる。<br />

1. /アノ| アパ˥ートノジューニン↓#/ 2. /アノアパ˥ートノ| ジューニン↓#/<br />

1 では、連体詞「あの」が文法的に「住人」を修飾するが、2 では「アパート」を修飾する。<br />

平坦の音調の直後の部分 (/|/) は物理的に休止がある場合とそれがない場合がある。普通体や<br />

早い発話では空白が置かれないのが普通である。この一時休止の平坦音調の重要な特徴は、<br />

その後に中高型・平板型のピッチの上昇が大きくなることで、これは丁寧な発話になるほど<br />

顕著になる 154 。<br />

(3) 比較<br />

スペイン語には休止の前で上昇音調と下降音調の 2 種があるのに対し、日本語では 1 つの<br />

平坦音調に限られる。この差によって、スペイン語の発話が起伏に富み、一方日本語の発話<br />

が単調であるという印象を与える。たとえば、数字を列挙するとき、スペイン語では、/uno↑<br />

dos↑ tɾes↑ kwatɾo↓/や/uno↓ dos↓ tɾes↑ i kwatɾo↓/のように、/↑/や/↓/を組み合わせた音調になる 155 。<br />

154 自然な発話では下降曲線の中に埋もれてしまう単語のアクセントが、丁寧な発話では一時<br />

休止を入れることにより、再生されることがある。<br />

155 S. /uno↓ dos↓ tɾes↑ i kwatɾo↓/はいわゆる「列挙のイントネーション」(series- intonation) であ<br />

る。たとえば、音声学の実験でスペイン語話者に単語のリストを録音させてもらうと、次の<br />

ようにこの型が現れる。<br />

126

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