30.04.2013 Views

スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学

スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学

スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学

SHOW MORE
SHOW LESS

You also want an ePaper? Increase the reach of your titles

YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.

(a) 重文型<br />

(b) 複文型: (b1) 主-従型; (b2) 従-主型<br />

(a) 重文型には次のような例がある。これらは丁寧な発話である。<br />

1. /トナリノ イヌ˥ガナクト ウチノ˥モ ナク↓#/<br />

2. /エンピツト シタジキト ケシゴム↓#/<br />

1 では、/トナリノイヌ˥ガナクト/と/ウチノ˥モナク↓#/の音調の勢力関係はほとんど等しい。<br />

一方、/トナリノイヌ˥ガ/と/ナクト/の関係や、/トナリノ/と/イヌ˥ガ/の関係は複文型である。2<br />

の/エンピツト/、/シタジキト/、/ケシゴム/は重文型の配列である。<br />

丁寧な発話の重文型は、それを構成する句の最初の高いモーラが 2 のレベルまで上昇して<br />

いることが特徴である。しかし、次の図が示すように自然な発話になると、それが複文型に<br />

移行し(2)、さらにアクセント核を失って単文型に変形することもある(3)。<br />

(1) /ユキ˥ガ|フ˥ル↓#/ (2) /ユキ˥ガフ˥ル↓#/ (3) /ユキ˥ガフル↓#/<br />

(b1) 複文は主-従型で、次のような例がある。<br />

1. /キョ˥ーハ ヨ˥イ テ˥ンキダ↓#/ 2. /ホ˥ンヲ ヨ˥ム#/<br />

複文の特徴は、従句の最初の高いモーラのピッチレベルが主句のそれと比べて低いことで<br />

ある。1 の主句の/キョ/は従句の/ヨ/よりも高く、この/ヨ/は次の/テ/よりも高い。しかし、従<br />

句のアクセントは、ぞんざいな発話では失われ、全体の音調は単文型となる。<br />

130

Hooray! Your file is uploaded and ready to be published.

Saved successfully!

Ooh no, something went wrong!