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スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学

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S. /e'sakta'mente↑/ > J. /esakutameNte↑/ Exactamente. (確かに)<br />

これらは、日本語の上昇末尾の上昇部が次のように最終モーラに集中しやすいことが原因<br />

であろう 149 。<br />

/ミマシタカ↑/ /ドコデスカ↑/<br />

また、日本語の /↓/ と /↑/ は、音声的な差が比較的少なく、両者ともスペイン語の /|/ に<br />

類似している。これは、とくに平板型の句において目立つ傾向である。日本語話者の話すス<br />

ペイン語は末尾の下降幅が小さいので、ときには平坦末尾イントネーションのようにとられ<br />

ることがある。<br />

1. S. /sea ka bo↓/ 2. J. /オ ワ リ↓/ 3.> J. /se a ka bo↓/ 4. >S. /オワ リ↓/<br />

上の図の 1. S に 2. J のような型が適用されると 3.>J のようになる。逆に、スペイン語話者<br />

の発話には 3. J.に S. 1.のような型が適用され、4. >S.のように、日本語話者にとってはぶっき<br />

らぼうな印象を与える発話になる 150 。<br />

149 cf. 川上 (1963).<br />

150 日本語話者の耳には、スペイン語の ¡Claro! の「もちろんです」(同意)とか「そうですね」<br />

(相槌)という意味の音調がとても強く響き、「当たり前だ!」と言われているような印象を受け<br />

る。スペイン語の基本的な音調パタンを知っていれば、このような誤解はないはずである。<br />

/'klaɾo↓/<br />

121

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