スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学
スペイン語と日本語の音声の対照的研究 - 東京大学
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内部で変化することはない。かりに(i-1)のような上昇をすると、(i-3)の意味のようにとらえら<br />
れる可能性がある。<br />
(ii-1)は中高型の上昇末尾イントネーションで、(ii-2)と類似したパタンを示す。<br />
(iii-1)はアクセント核がないため、尾高型の上昇末尾イントネーションで、(i-1)や(ii-1)と異<br />
なり、モーラ内部の上昇で始まることはない。また、レベル 2 から 1 段上がるため、3 にな<br />
ることも(i), (ii)と異なる。<br />
(c) 平坦<br />
これは頭高型と中高型では自然下降で終わるイントネーションである。一方、尾高型では、<br />
末尾部の若干の長音化を除いては、(a) の下降末尾イントネーションとほとんど差がない。<br />
(i-1) /ソ˥ーデスネ|/ (i-2) /ソ˥ーデスネ↓/<br />
(ii-1) /コ˥レヨ˥ンデカラ|/ (ii-2) /オショーガツ|/<br />
(i-1)は相手の質問を受けて、考えるとき間をとる場合である。「ネ」は長くなる傾向がある。<br />
(i-2)は相槌をうつときの発話で、下降末尾イントネーションとなる。<br />
(ii-1)は中高型の発話で、末尾付近は自然な下降になる。(ii-2)は平板型で、最終モーラの延<br />
長を除けば下降末尾イントネーション(a)とほとんど違わない。<br />
(3) 比較<br />
両言語の末尾部を比較すると、スペイン語話者では音調の核 (最終強勢音節) から最終音節<br />
までの高さの変化が重要であるのに対し、日本語では主に最終モーラの高さの変化だけが重<br />
要である。<br />
とくに上昇末尾イントネーションの形態が著しく異なるため、日本人の発話には以下のよ<br />
うな干渉が見られる。<br />
S. /lo'a'bisto↑/ > J. /roabisuto↑/ // ¿Lo ha visto? (それを見ましたか?)<br />
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