You also want an ePaper? Increase the reach of your titles
YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.
Ⅳ-1.2.2.5 水 素 燃 焼<br />
御 意 見 の 概 要<br />
‣ 水 素 発 生 の 不 確 かさを 考 慮 しない 基 本 ケースとして「 水 素 は、 原<br />
子 炉 容 器 内 の 全 ジルコニウム 量 の 75%が 水 と 反 応 し 発 生 する。」と<br />
していることは、 審 査 ガイドの 規 定 と 矛 盾 している。 同 規 定 に 従<br />
うと、 原 子 炉 圧 力 容 器 破 損 後 の 水 素 発 生 量 ( 不 確 かさを 考 慮 しな<br />
い 条 件 での 値 )を 加 えた 値 は 75%を 超 えていないと 理 に 合 わな<br />
い。 解 析 評 価 のやり 直 しと 再 審 査 を 求 める。その 理 由 は 次 のとお<br />
りである。 審 査 ガイドには 主 要 解 析 条 件 として「(a) 原 子 炉 圧 力 容<br />
器 の 下 部 が 破 損 するまでに、 全 炉 心 内 のジルコニウム 量 の 75%が<br />
水 と 反 応 するものとする。(b) 原 子 炉 圧 力 容 器 の 下 部 の 破 損 後 は、<br />
溶 融 炉 心 ・コンクリート 相 互 作 用 による 可 燃 性 ガス 及 びその 他 の<br />
非 凝 縮 性 ガス 等 の 発 生 を 考 慮 する。」と 明 記 されている。 従 って、<br />
「 全 ジルコニウム 量 の 75%が 水 と 反 応 する」は、 審 査 ガイドに 従<br />
うと、 原 子 炉 圧 力 容 器 が 破 損 するまでの、すなわち 原 子 炉 圧 力 容<br />
器 外 での MCCI による 発 生 分 を 除 いた 値 である。MCCI による 発 生<br />
分 を 加 えると、75%+α(αは MCCI による 発 生 分 )となるので、<br />
少 なくとも 75%を 超 えた 量 で 評 価 されねばならない。<br />
考 え 方<br />
‣ 水 素 発 生 量 の 評 価 は、 審 査 ガイドに 従 い、 基 本 ケースとして 原 子 炉<br />
圧 力 容 器 内 の 全 ジルコニウム 量 の 75%が 水 と 反 応 し、 水 素 が 発 生 す<br />
るという 条 件 で 評 価 を 行 い、 水 素 濃 度 (ドライ 条 件 )は 12.8vol%と<br />
評 価 項 目 を 下 回 ることを 確 認 しています。<br />
さらに、 感 度 解 析 として、 炉 心 損 傷 後 の 溶 融 炉 心 ・コンクリート<br />
相 互 作 用 ( 以 下 「MCCI」という。)に 伴 う 追 加 水 素 生 成 を 考 慮 した 場<br />
合 の 解 析 も 行 っています。この 結 果 、 追 加 水 素 発 生 量 として 全 炉 心<br />
内 のジルコニウム 量 の 約 6%が 反 応 し、この 追 加 水 素 発 生 量 を 基 本<br />
ケースに 加 算 して 81%として 評 価 した 場 合 でも、 静 的 触 媒 式 水 素 再<br />
結 合 装 置 ( 以 下 「PAR」という。) 及 びイグナイタにより 処 理 するこ<br />
とで、 水 素 濃 度 (ドライ 条 件 )は 最 大 約 9.5vol%と 評 価 項 目 を 下 回<br />
ることを 確 認 しています。<br />
‣ 水 素 燃 焼 格 納 容 器 内 での 水 素 爆 発 の 防 止 対 策 の 有 効 性 評 価 におけ<br />
る「 不 確 かさの 影 響 評 価 」に 関 して、 先 行 して 設 置 変 更 許 可 が 出<br />
された 加 圧 水 型 原 発 8 機 での 評 価 条 件 と 同 じく「イグナイタの 機<br />
能 に 期 待 しない」 条 件 のもとでの 解 析 評 価 とその 審 査 を 行 うこと<br />
を 求 める。 玄 海 3、4 号 機 のみが「イグナイタの 機 能 に 期 待 する」<br />
条 件 で 解 析 評 価 を 行 っているのは、 水 素 濃 度 の 判 断 基 準 を 満 足 さ<br />
せるための 恣 意 によるものであり、 厳 正 であるべき 原 発 安 全 審 査<br />
における 評 価 条 件 の 一 貫 性 、 整 合 性 を 無 視 した 不 当 なやり 方 であ<br />
る。イグナイタの 効 果 に 期 待 しない 条 件 での 評 価 を 実 施 すべきで<br />
‣ 水 素 燃 焼 の 有 効 性 評 価 では、MCCI による 水 素 発 生 の 不 確 かさを 考 慮<br />
した 感 度 解 析 を 実 施 し、PAR だけでなくイグナイタによる 水 素 処 理<br />
にも 期 待 することで 基 準 に 定 めた 爆 轟 条 件 を 下 回 ることを 確 認 し<br />
ています。イグナイタについては、 審 査 ガイドで 水 素 燃 焼 対 策 の 一<br />
つとして 位 置 づけられており、 水 素 燃 焼 対 策 として 有 効 なものと 考<br />
えています。<br />
一 方 、PAR だけでなくイグナイタによる 水 素 処 理 にも 期 待 するこ<br />
とから、 今 回 の 審 査 では、イグナイタの 信 頼 性 向 上 対 策 として、イ<br />
グナイタは 2 系 統 の 電 源 系 統 から 給 電 すること、また、2 系 統 の 電<br />
48