タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

PS-1
大 腸 癌 肝 転 移 における 治 療 戦 略 - 遺 伝 子 変 異 情 報 を 基 盤
とした 治 療 戦 略 構 築 の 可 能 性 -
岡 山 大 学 大 学 院 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 消 化 器 外 科
○… 楳 田 祐 三 , 永 坂 岳 司 , 貞 森 裕 , 母 里 淑 子 , 篠 浦 先 ,
吉 田 龍 一 , 佐 藤 太 祐 , 信 岡 大 輔 , 内 海 方 嗣 , 吉 田 一 博 ,
八 木 孝 仁 , 藤 原 俊 義
【 緒 言 】 近 年 ,… 大 腸 癌 は 遺 伝 子 変 異 情 報 に 基 づいて 予 後 が 選 別 されつ
つある. 大 腸 癌 肝 転 移 についても 治 療 成 績 の 向 上 にはPredictive/
Prognostic…Biomarkerの 確 立 や 術 前 ・ 術 後 化 学 療 法 の 適 応 選 別 といっ
た 治 療 法 の 個 別 化 が 課 題 であり,そのための 遺 伝 子 背 景 の 把 握 は 肝 要
と 思 われる.
【 目 的 】 大 腸 癌 肝 転 移 切 除 標 本 の 遺 伝 子 解 析 を 行 い,… 遺 伝 子 変 異 情 報
を 基 盤 とした 大 腸 癌 肝 転 移 の 治 療 戦 略 構 築 の 可 能 性 を 検 討 する.
【 対 象 、 方 法 】 対 象 は 肝 転 移 切 除 126 例 ,… 切 除 病 巣 固 定 標 本 より 遺 伝 子
抽 出 ・ 解 析 可 能 であった100 例 ( 検 出 率 79%). 遺 伝 子 変 異 について
Microsatelite…instability(MSI)をMultiplex…PCR 法 ,KRAS/BRAF 変 異
をDirect…sequence 法 にて 解 析 した.
【 結 果 】 肝 転 移 全 例 がNon-MSIを 示 しMSI 癌 は 皆 無 、 両 野 生 型 70
例 ,KRAS 変 異 27 例 ,BRAF 変 異 3 例 であった. 年 齢 , 性 別 , 原 発 巣 進 行 度 , 治
療 法 に 遺 伝 子 背 景 による 有 意 差 なし、KRAS/BRAF 変 異 は 原 発 巣 右
側 癌 に 多 い 傾 向 を 認 めた. 術 前 に 根 治 切 除 困 難 と 判 断 された33 例 に 術
前 化 学 療 法 ,… 術 後 85 例 に 補 助 化 学 療 法 施 行 、 観 察 期 間 中 の 分 子 標 的 治
療 薬 使 用 は7 例 . 予 後 解 析 において,… 無 再 発 生 存 率 (1/3/5 年 )は 両 野 生 型
63/31/22%,…KRAS 変 異 53/37/37%,…BRAF 変 異 0/0/0%で,…BRAF 変 異
は 両 野 生 型 ・KRAS 変 異 に 比 して 予 後 不 良 であった.… 生 存 率 (1/3/5 年 )
は,… 両 野 生 型 94/77/65%,…KRAS 変 異 85/54/43%,…BRAF 変 異 33/0/0%で,…
BRAF/KRAS 変 異 は 両 野 生 型 に 比 して 有 意 に 予 後 不 良 であった.…【 考
察 】MSI 大 腸 癌 は 転 移 を 起 こしにくく,… 肝 転 移 はNon-MSI 癌 を 原 発 母
地 とする. 肝 転 移 において,…KRAS 変 異 は 野 生 型 に 比 し 予 後 不 良 であり,…
抗 EGFR 抗 体 使 用 の 制 約 があることを 加 味 すると,… 補 助 化 学 療 法 含 め
積 極 的 治 療 方 針 を 検 討 すべき 群 と 推 測 される.Non-MSI/BRAF 変 異 肝
転 移 は,… 少 数 ながら 予 後 不 良 であり,… 注 目 す べ きPoor…prognostic…
biomarkerとして 症 例 集 積 と 検 討 を 要 する. 従 来 の 臨 床 学 的 予 後 不 良 因
子 に 加 え,… 遺 伝 子 変 異 情 報 を 踏 まえた 治 療 戦 略 構 築 は,… 次 世 代 の 革 新
的 な 大 腸 癌 肝 転 移 治 療 法 確 立 への 可 能 性 を 秘 めている.
PS-2
膵 管 ロストステントの 体 内 動 態 についての 検 討
1
帝 京 大 学 外 科 、 2 富 岡 総 合 病 院 外 科
○… 門 脇 晋 1
, 三 浦 文 彦 1
, 天 野 穂 高 1
, 豊 田 真 之 1
, 和 田 慶 太 1
,
渋 谷 誠 1
, 前 野 佐 和 子 1
, 高 田 忠 敬 1 1
, 佐 野 圭 二
【 目 的 】 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 における 膵 空 腸 粘 膜 吻 合 部 にロストステ
ントを 留 置 した 症 例 をretrospectiveに 検 討 し、ロストステントの 体 内
動 態 と 続 発 症 について 検 討 したので、 報 告 する。【 対 象 と 方 法 】 膵 頭
十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 した637 例 中 、ロストステントを 留 置 し1 年 以 上
経 過 観 察 が 可 能 だった50 例 を 対 象 とした。ステントは5-0モノフィラ
メント 吸 収 糸 で 吻 合 部 に 固 定 した。ステントの 位 置 確 認 は、 単 純 レン
トゲン、CTで 行 った。ステントの 体 内 停 滞 の 危 険 因 子 、 続 発 症 につ
いて 検 討 した。【 結 果 】 最 終 確 認 の 時 点 で 体 外 排 出 が 確 認 されたのは
35 例 、 排 出 までの 期 間 は0.7~51.1か 月 で、 平 均 13.3±13.7か 月 だった。
術 後 1 年 以 内 に 体 外 排 出 を 確 認 できた 排 出 群 21 例 と、 術 後 1 年 の 時 点 で
体 内 に 滞 留 していた 滞 留 群 29 例 を 比 較 検 討 した。 滞 留 群 では、14 例 で
術 後 1 年 以 降 にステントが 体 外 に 排 出 されたが、 最 終 確 認 部 位 は 膵 管
が8 例 、 胆 管 が4 例 、 拳 上 空 腸 が3 例 だった。 膵 管 内 停 留 の2 例 に 膵 炎 が、
胆 管 内 迷 入 の 各 1 例 に 胆 管 炎 、 肝 膿 瘍 が 発 症 した。 単 変 量 解 析 では、
年 齢 75 歳 以 上 、 膵 管 空 腸 粘 膜 吻 合 5 針 以 上 、ステント 径 5Fr 以 上 が 有
意 に 滞 留 群 に 多 かった。 性 別 、 糖 尿 病 の 有 無 、 開 腹 手 術 歴 の 有 無 、 幽
門 温 存 の 有 無 、 血 管 合 併 切 除 の 有 無 、 出 血 量 、 膵 実 質 空 腸 漿 膜 筋 層 縫
合 法 、 主 膵 管 径 、ステントの 種 類 ( 節 の 有 無 )、ステントの 長 さ、 膵 管
径 、ステント 径 / 膵 管 径 、GradeB 以 上 の 膵 液 漏 の 有 無 、 胆 管 ステント
の 有 無 、 術 後 在 院 日 数 、 術 後 の 排 便 回 数 は 両 群 に 差 がなかった。 多 変
量 解 析 では、ステント 径 5Fr 以 上 が 体 内 停 滞 の 唯 一 の 独 立 した 危 険 因
子 だった。【 結 論 】 膵 管 ロストステントは、 術 後 1 年 後 に 半 数 以 上 が 体
内 に 滞 留 していた。ステントの 滞 留 ・ 迷 入 により 膵 炎 、 胆 管 炎 、 肝 膿
瘍 を 発 症 した 症 例 を 認 めた。ステント 体 内 停 留 の 危 険 因 子 はステント
径 5Fr 以 上 だった。
PS-3
Full-doseGemcitabine/Radiationによる 膵 癌 術 前 治
療 が 臨 床 経 過 に 及 ぼす 影 響
奈 良 県 立 医 科 大 学 消 化 器 ・ 総 合 外 科
○… 庄 雅 之 , 赤 堀 宇 広 , 野 見 武 男 , 山 戸 一 郎 , 童 仁 ,
北 東 大 督 , 川 口 千 尋 , 安 田 里 司 , 木 下 正 一 ,
中 島 祥 介
【 目 的 】 膵 癌 予 後 向 上 に 向 けて 術 前 治 療 が 注 目 されている. 特 に 術 前
化 学 放 射 線 治 療 NACRTの 有 効 性 を 示 唆 する 報 告 が 散 見 されるが, 安
全 面 からの 検 証 は 十 分 ではない. 今 回 Full-dose…Gemcitabine(GEM)/
体 外 照 射 併 用 NACRTの 安 全 性 および 有 用 性 について, 栄 養 指 標 , 術
後 合 併 症 , 補 助 化 学 療 法 などから 多 角 的 に 検 証 した.
【 方 法 】2008 年 以 降 NACRT(GEM1000mg/m …2… +50Gy 照 射 )を 導 入 し,
膵 癌 61 例 ( 平 均 65.1 才 , 男 女 比 1.44:1)に 施 行 .NACRTの 有 害 事 象 ,
施 行 前 後 のPNI(Prognostic…nutritional…index)を 術 前 評 価 項 目 として
検 討 .さらに2004 年 以 降 のNACRT 非 施 行 73 例 を 対 照 として, 手 術 時 間 ,
出 血 量 , 術 後 合 併 症 等 について 周 術 期 評 価 を 行 うとともに, 組 織 学 的
抗 腫 瘍 効 果 を 検 証 した.また 術 後 6ヵ 月 PNI 値 , 術 後 補 助 化 学 療 法 実
施 状 況 を 術 後 評 価 項 目 とした.
【 結 果 】(1)NACRT 有 害 事 象 :NACRT 完 遂 率 は96.7%. 治 療 中
Grade3/4のWBC/Neu/Hb/Plt 低 下 を 各 々51/51/7/5%,ALT 上 昇 を
10%に 認 めたが, 重 篤 なものはなかった.PNIはNACRT 前 48.3, 施 行
後 43.0と 有 意 に 低 下 し た.(2) 周 術 期 への 影 響 : 手 術 時 間 (PD;
NACRT 群 376 分 , 対 照 群 374 分 ,DP;NACRT 群 280 分 , 対 照 群 232 分 ),
出 血 量 (PD;NACRT 群 1553ml, 対 照 群 1216ml,DP;NACRT 群 940ml,
対 照 群 647ml)には 統 計 学 的 有 意 差 を 認 めなかった. 術 後 合 併 症 は
NACRT 群 36%で, 対 照 群 51%に 比 し 低 い 傾 向 があり, 特 に 膵 液 漏 は
19.7%で 対 照 群 34.2%に 比 べ 有 意 に 低 かった. 術 後 在 院 日 数 は33.8 日 で,
対 照 群 44.9 日 に 比 し 有 意 に 短 かった.NACRT 群 で 在 院 死 を2 例 (3.6%)
認 めた.(3)NACRT 組 織 学 的 抗 腫 瘍 効 果 :リンパ 節 転 移 は21.3%で,
対 照 群 56.2%に 比 し 有 意 に 少 なく, 膵 外 神 経 叢 浸 潤 は9.8%のみで,R0
手 術 を90.2%に 達 成 し 得 た.(4) 術 後 経 過 への 影 響 : 術 後 補 助 化 学 療 法
開 始 までの 期 間 は52 日 で, 対 照 群 40 日 に 比 べて 有 意 に 長 かった. 術 後
6ヵ 月 PNI 値 37.4と 術 前 値 43.0に 比 べ 有 意 に 低 下 した. 対 照 群 でも 術 後
6ヵ 月 値 41.7( 術 前 値 47.6)と 低 下 していたが,NACRT 群 よりは 良 好 で
あった.
【 結 論 】Full-dose…GEM/ 照 射 併 用 NACRT 後 手 術 はほぼ 安 全 に 施 行 可
能 で, 高 い 局 所 制 御 効 果 が 得 られた. 一 方 , 稀 に 重 篤 化 する 可 能 性 が
あり, 補 助 化 学 療 法 の 実 施 には 課 題 が 認 められた.
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