タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P92-7 術 前 化 学 放 射 線 療 法 を 施 行 した 切 除 可 能 局 所 進 行 膵 体
尾 部 癌 の1 例
1
金 沢 医 科 大 学 一 般 ・ 消 化 器 外 科 、 2 金 沢 医 科 大 学 放 射 線 科 、
3
金 沢 医 科 大 学 病 理
○… 上 田 順 彦 1
, 甲 斐 田 大 資 1
, 大 西 敏 雄 1
, 富 田 泰 斗 1
,
大 野 由 夏 子 1
, 野 口 美 樹 1
, 舟 木 洋 1
, 木 南 伸 一 1
, 表 和 彦 1
,
中 野 泰 治 1
, 小 坂 健 夫 1
, 的 場 宗 孝 2 3
, 野 島 孝 之
【はじめに】これまで 化 学 療 法 や 化 学 放 射 線 療 法 は 主 として 切 除 不 能
あるいは 再 発 膵 癌 に 対 しておこなわれてきた。 一 方 、 切 除 可 能 膵 癌 に
対 する 術 前 治 療 としての 位 置 付 けは 不 明 確 である。 今 回 、 切 除 可 能 局
所 進 行 膵 体 尾 部 癌 に 対 して 化 学 放 射 線 療 法 (NACRT) 後 に 切 除 した1
例 を 経 験 したので 報 告 する。【 症 例 】60 歳 代 、 男 性 。【 主 訴 】 上 腹 部 痛 。
【 現 病 歴 】1か 月 前 から 主 訴 を 認 めた。 近 医 で 膵 体 部 に 腫 瘤 を 指 摘 さ
れ 当 科 に 紹 介 となった。【 現 症 】 臍 周 囲 に 軽 度 の 圧 痛 あり。【 血 液 検 査 】
CEA…14.0…ng/mL,…CA19-9…362.4…U/mLであった。【 画 像 所 見 】 腹 部
CT: 膵 体 尾 部 に 約 30mm 大 で 造 影 効 果 の 不 良 な 腫 瘍 性 病 変 を 認 めた。
腫 瘍 は 膵 実 質 から 背 側 に 浸 潤 していた。PET-CT: 腫 瘍 に 一 致 して
FDGの 集 積 を 認 め、SUV 値 は4.06であった。 膵 後 方 浸 潤 を 伴 った 膵 癌
と 診 断 した。 切 除 可 能 であるが、 根 治 を 目 指 してNACRTを 施 行 した。
【 方 法 】 腫 瘍 とその 後 方 浸 潤 部 、 右 側 はSMA 右 側 までを 含 む 範 囲 に4
門 照 射 total40Gyおこない、その 後 周 囲 の 線 量 を 減 らして7 門 定 位 照 射
で12Gy 追 加 し、 計 26 回 52Gy 照 射 した。また 照 射 に 合 わせてTS-1を
120mg/ 日 、5 投 2 休 で 投 与 した。 有 害 事 象 は 認 めなかった。【NACRT
の 効 果 】 照 射 終 了 後 5 週 間 で 手 術 を 行 った。この 間 CA19-9は362から
63.2と 低 下 した。CTによる 判 定 では 腫 瘍 の 大 きさは 変 わらなかった
がPET-CTではFDGの 集 積 は 認 めなくなった。【 手 術 】 腎 前 筋 膜 の 背
側 に 入 り、その 層 を 維 持 しながら 膵 体 尾 部 を 起 こし 切 除 した。リンパ
節 郭 清 はD1とNo.7,9,14p,14dをpick…upした。【 病 理 所 見 】 腫 瘍 部 分 は
広 範 囲 に 線 維 化 に 陥 っており、その 中 にviableな 癌 細 胞 が 散 在 性 に 残
存 していた。 脾 動 脈 周 囲 に2か 所 膵 外 神 経 浸 潤 と 脾 静 脈 浸 潤 も 認 めた。
病 理 診 断 は2.5×1.7×4.0cm,…tub2,…sci,…pS(-),…pRP(-),…pPVsp(+),…pA
(-),… pPLspa(+),… pOO(-),… pT4,… pN(-),… cM0,… fStageIVa,… pPCM(-),…
cBCM(-),…pDPM(-),…R0であった。NACRTの 効 果 判 定 はGrade2であっ
た。【 予 後 】 術 後 はGEMを3 週 投 与 1 週 休 薬 で 継 続 し、9カ 月 経 過 して
再 発 の 兆 候 はない。【 結 語 】 切 除 可 能 局 所 進 行 膵 体 尾 部 癌 に 対 して 術
前 化 学 放 射 線 療 法 と 根 治 手 術 の 併 用 で、より 根 治 性 を 高 めることがで
きる 可 能 性 が 示 唆 された。
P92-8 切 除 不 能 の 局 所 進 行 膵 癌 に 対 して 化 学 放 射 線 療 法 を 行
い、ダウンステージと 診 断 され、 術 後 2 年 が 経 過 した1 例
1
大 阪 府 立 成 人 病 センター 検 診 部 消 化 器 検 診 科 、 2 大 阪 府 立 成 人
病 センター 肝 胆 膵 内 科 、 3 大 阪 府 立 成 人 病 センター 外 科 、 4 大
阪 府 立 成 人 病 センター 放 射 線 治 療 科 、 5 関 西 医 科 大 学 外 科
○… 井 岡 達 也 1 1,2
, 片 山 和 宏 , 高 橋 秀 典 3
, 大 東 弘 明 3
,
中 村 聡 明 4
, 西 山 謹 司 4
, 柳 本 泰 明 5
, 里 井 壯 平 5
,
5
權 雅 憲
症 例 は70 歳 代 の 女 性 。 主 訴 はなし。 既 往 歴 :50 歳 子 宮 筋 腫 、63 歳 脳 内
出 血 、 喫 煙 歴 なし。 家 族 歴 に 特 記 事 項 なし。 経 過 : 高 血 圧 のため 近 医
経 過 観 察 中 、 膵 体 部 腫 瘍 を 指 摘 され、 平 成 21 年 8 月 27 日 に 当 科 を 受 診
した。 造 影 腹 部 CT 検 査 にて、 膵 体 部 に 径 3.5cmの 乏 血 性 腫 瘍 を 認 め、
腹 腔 動 脈 浸 潤 陽 性 から 切 除 不 能 と 診 断 された。 体 外 US 下 膵 腫 瘍 生 検
にて 中 分 化 腺 癌 と 確 定 診 断 された。 標 準 的 治 療 としてゲムシタビン
(G) 単 独 または5FU 併 用 化 学 放 射 線 療 法 (CRT)、 次 いで 研 究 的 治 療 に
ついて 説 明 し、 後 者 を 選 択 された。 平 成 21 年 9 月 16 日 からG+S1を 併 用
CRTを 開 始 した(G…834mg/…S1…80mg/…2W1R/…1.8Gy*28=50.4Gy)。 経
過 中 、グレード4の 好 中 球 減 少 を 認 めたため、 規 定 によりS1を60mgに
減 量 した。 他 の 有 害 事 象 は、グレード1の 下 痢 および 食 欲 不 振 のみで
あった。 同 年 11 月 19 日 から、GS 併 用 療 法 を 維 持 量 にして 再 開 した(G…
1390mg/…S1…80mg/…2W1R)。 経 過 中 、 好 中 球 減 少 にて、 規 定 によりG…
1088mgに 減 量 した。 膵 腫 瘍 は、6 週 間 後 に1.5cmに、12 週 間 後 に1.0cm
に 縮 小 した。18 週 間 後 には 腹 腔 動 脈 周 囲 の 軟 部 組 織 の 濃 度 上 昇 が 不 明
瞭 となり、 合 同 検 討 会 にて 複 数 の 外 科 医 により、ダウンステージと 診
断 された。 患 者 の 都 合 により、 平 成 22 年 2 月 25 日 に 関 西 医 科 大 学 にて、
膵 体 尾 部 切 除 ( 脾 摘 、 胆 嚢 摘 出 、 総 肝 動 脈 合 併 切 除 )がおこなわれた。
病 理 組 織 所 見 は、Pb,…10x…5mm,…infiltrative…type,…Invasive…ductal…
carcinoma,…moderately…differentiated…tubular…carcinoma,…scirrhous…
type(post-CRT),… INF-γ(post-……CRT),… ly1,… v0,… ne1,… mpd(-),… pT1
(post-CRT),…p S( - …pRP(-1),…pPVsp(-1),…pAce(-),…p P L( - …pPCM(-),…
pBCM(-),…pDCM(-),…pN0,… 治 療 効 果 判 定 …Evans…IIb 以 上 、T1N0M0:…
fStage…Iであった。 同 年 4 月 8 日 から、 術 後 補 助 療 法 として6ヶ 月 間 のG
単 独 療 法 (1300mg/…2W1R)が 追 加 された。 術 後 3カ 月 に1 回 の 造 影 腹 部
CT 検 査 、1 年 に1 回 の 全 身 PET 検 査 を 追 加 しているが、 再 発 所 見 を 認
めない。なお、 患 者 のPSは0で、 下 痢 なども 認 めない。【まとめ】 切
除 不 能 の 局 所 進 行 膵 癌 に 対 して、GS 併 用 化 学 放 射 線 療 法 およびGS 併
用 療 法 をおこない、 根 治 的 膵 体 尾 部 切 除 を 経 て、2 年 間 無 再 発 の 症 例
を 経 験 した。
P92-9 膵 頭 部 領 域 癌 に 対 する 上 腸 間 膜 動 脈 周 囲 リンパ 節 郭 清
の 問 題 点
近 畿 大 学 医 学 部 外 科
○… 橋 本 直 樹
膵 悪 腫 瘍 の 外 科 的 手 術 において、その 根 治 性 追 求 のため 上 腸 間 膜 動 脈
(SMA) 周 囲 の 郭 清 が 行 われている。 全 郭 清 を 行 うと 術 後 の 消 化 吸 収
障 害 が 高 度 となる 欠 点 がある。その 原 因 解 明 について 以 下 の 実 験 をし
た。( 方 法 ) 雑 種 成 犬 を 用 い、SMA 周 囲 のDenervation(De 群 )
(n=8),Control 群 (n=6)を 作 成 した。 術 後 、 毎 週 、 体 重 および 便 の 性 状
を 調 べ、 第 4 週 にD-xyloseテスト、 術 後 5 週 目 、Denervation 群 の 小 腸
組 織 、 絨 毛 、gut…peptide(VIP,サブスタンスP,セロトニン)に 対 する 影
響 を 検 討 するために、 両 群 を 開 腹 し、 小 腸 組 織 を 採 取 し、 小 腸 の 組 織
像 、 小 腸 粘 膜 の 湿 重 量 、 蛋 白 量 、brush…border…enzyme(Alp 活 性 、γ
-GTP 活 性 )、 組 織 中 のVIP,substance…P,serotoninを 測 定 した。( 結 果 )1.
便 の 性 状 および 体 重 :De 群 は 術 後 2 週 目 まで 水 様 性 下 痢 であったが、
次 第 に 改 善 傾 向 がみられ、4 週 目 には 軟 便 となった。しかし、 術 前 の
体 重 を100%とするとControl 群 は、1 週 目 93% 以 後 漸 増 し、4 週 目 には、
97%となった。 一 方 、De 群 は1 週 目 87% 以 後 、 漸 減 し、3 週 目 には
79%,4 週 目 には82%となり 賓 回 の 下 痢 を 伴 う 体 重 の 低 下 がみられた。
2.D-xylose:De 群 はControl 群 に 比 し 有 意 に 低 値 を 呈 した。3. 小 腸 組
織 のbrush…border…enzyme:De 群 はControl 群 に 比 し、 有 意 に 低 値 を
呈 し た。4.gut…peptide(VIP,Serotonin,Substance…P):De 群 はControl
群 に 比 し 有 意 に 高 値 を 呈 した。5、 湿 重 量 、 蛋 白 量 :いづれもDe 群 は
Control 群 に 比 し 有 意 に 低 値 を 呈 した。( 結 語 )SMA…denervation 後 、 小
腸 粘 膜 の 湿 重 量 、 蛋 白 量 の 有 意 な 低 下 、brush…border…enzyme(Alp,
γ-GTP)の 有 意 な 低 下 、gut…peptideのVIP,…Substance…P,…Serotoninの
有 意 な 上 昇 がみられた。これらが、SMA…denervation 後 の 消 化 急 不 良
の 一 因 となっていることが 示 唆 された。
P92-10 術 前 放 射 線 化 学 療 法 後 切 除 し 病 理 学 的 CRであった 膵
扁 平 上 皮 癌 の 一 例
東 京 医 科 歯 科 大 学 医 学 部 付 属 病 院 肝 胆 膵 総 合 外 科
○… 三 浦 智 也 , 伴 大 輔 , 藍 原 有 弘 , 入 江 工 , 落 合 高 徳 ,
工 藤 篤 , 中 村 典 明 , 田 中 真 二 , 有 井 滋 樹
【 背 景 】 近 年 の 化 学 療 法 の 進 歩 により、 膵 癌 に 対 する 術 前 化 学 療 法 後
切 除 可 能 となる 報 告 が 増 え、その 意 義 が 注 目 されている。 今 回 我 々は
膵 扁 平 上 皮 癌 に 対 し 術 前 放 射 線 化 学 療 法 を 施 行 し 切 除 し 得 た 一 例 を 経
験 し 報 告 する。【 症 例 】64 歳 男 性 。 腹 痛 、 血 便 にて 近 医 受 診 し、 膵 頭
部 に 径 3cm 大 の 乏 血 性 腫 瘤 を 認 め、 十 二 指 腸 浸 潤 、 上 腸 間 膜 動 静 脈 浸
潤 を 伴 う 膵 頭 部 癌 と 診 断 された。 十 二 指 腸 から 生 検 し 切 除 不 能 膵 扁 平
上 皮 癌 として 放 射 線 化 学 療 法 を 施 行 した。(TS1…100mg/ 日 (day1~21)、
cisplatin120mg/ 日 day8の4 週 間 1クール 施 行 し、 総 線 量 50Gyの 放 射 線
治 療 を 併 用 。2クール 目 は 骨 髄 抑 制 にてTS1のみ 投 与 。) 治 療 終 了 後 3カ
月 後 のCT 検 査 にて 著 明 な 縮 小 効 果 を 認 めCRと 診 断 し、 亜 全 胃 温 存 膵
頭 十 二 指 腸 切 除 、 上 腸 間 膜 静 脈 合 併 切 除 を 施 行 し 切 除 した。 充 分 な 側
副 血 行 路 の 発 達 があり 再 建 は 行 わなかった。 病 理 所 見 では 主 病 変 は 瘢
痕 組 織 に 置 換 されており 腫 瘍 細 胞 を 認 めず 病 理 学 的 CRと 診 断 された。
現 在 もTS-1 単 剤 内 服 継 続 にて、 発 症 後 約 18カ 月 、 術 後 約 10カ 月 にお
いて 無 再 発 生 存 中 である。【まとめ】 極 めて 稀 な 膵 扁 平 上 皮 癌 切 除 不
能 症 例 に 対 し 放 射 線 化 学 療 法 後 切 除 施 行 し、 病 理 学 的 CRを 得 た 症 例
を 経 験 し 報 告 する。
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