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P83-2 大 腸 癌 肝 転 移 術 後 再 発 危 険 因 子 の 同 定 とその 対 策<br />
奈 良 県 立 医 科 大 学 消 化 器 ・ 総 合 外 科<br />
○… 山 戸 一 郎 , 庄 雅 之 , 野 見 武 男 , 赤 堀 宇 広 , 北 東 大 督 ,<br />
童 仁 , 川 口 千 尋 , 安 田 里 司 , 木 下 正 一 , 金 廣 裕 道 ,<br />
中 島 祥 介<br />
【はじめに】 大 腸 癌 肝 転 移 治 療 の 基 本 は 肝 切 除 であるが, 肝 切 除 後 再<br />
発 をきたす 症 例 も 少 なくない. 今 回 ,われわれは 大 腸 癌 肝 転 移 初 回 治<br />
癒 切 除 後 再 発 の 危 険 因 子 を 検 討 した.【 方 法 】1990 年 から2010 年 まで<br />
に 当 科 において, 初 回 大 腸 癌 肝 転 移 に 対 し 治 癒 切 除 を 施 行 した136 症<br />
例 を 対 象 とした. 肝 切 除 後 5 年 以 上 再 発 を 認 めない 症 例 を 無 再 発 群 (NR<br />
群 )とし, 再 発 群 (R 群 )との 臨 床 病 理 学 的 特 徴 を 統 計 学 的 に 解 析 し,<br />
危 険 因 子 を 同 定 した.また, 肝 切 除 後 1 年 以 内 の 再 発 症 例 は 特 に 予 後<br />
不 良 (pEOB-<br />
MRI> 造 影 CTであった( 症 例 2). 化 学 療 法 により 画 像 上 消 失 した 腫 瘍<br />
は, 全 肝 薄 切 肉 眼 所 見 でもP.O.し 得 なかった( 症 例 1).EOB-MRIは<br />
80%で 微 小 病 変 を 捉 え 得 た( 症 例 1,3,4,5). 結 論 : 微 小 肝 転 移 はEOB-<br />
MRIで 概 ね 検 出 可 能 であったが, 検 出 出 来 ない 病 巣 があることを 念 頭<br />
に 置 く 必 要 があると 考 えられた.<br />
P83-5 大 腸 癌 肝 転 移 症 例 における 腫 瘍 周 囲 微 小 癌 病 変 の 局 在<br />
に 関 する 検 討<br />
1<br />
長 崎 大 学 大 学 院 移 植 ・ 消 化 器 外 科 、 2 広 州 市 第 一 人 民 病 院<br />
○… 翁 傑 鋒<br />
1,2<br />
, 曽 山 明 彦 1<br />
, 高 槻 光 寿 1<br />
, 村 岡 いづみ 1 , 原 貴 信 1<br />
,<br />
山 口 泉 1<br />
, 田 中 貴 之 1<br />
, 木 下 綾 華 1<br />
, 大 野 慎 一 郎 1<br />
,<br />
足 立 智 彦 1<br />
, 伊 藤 信 一 郎 1<br />
, 山 之 内 考 彰 1<br />
, 藤 田 文 彦 1<br />
,<br />
金 高 賢 悟 1<br />
, 黒 木 保 1<br />
, 江 口 晋<br />
1<br />
【 背 景 】 近 年 の 化 学 療 法 の 発 達 は、 大 腸 癌 肝 転 移 症 例 の 切 除 率 の 向 上<br />
に 繋 がっているが、 切 除 に 際 して 治 癒 切 除 を 得 るために 必 要 なマージ<br />
ンに 関 しては、 長 く 議 論 されているにも 関 わらず、 未 だ 明 らかとはなっ<br />
ていない。 肉 眼 的 治 癒 切 除 後 再 発 の 一 因 として 肝 内 の 腫 瘍 周 囲 微 小 癌<br />
病 変 の 存 在 が 考 えられる。【 目 的 】 大 腸 癌 肝 転 移 における 主 腫 瘍 周 囲<br />
の 微 小 癌 病 変 を 検 索 し、それらと 術 前 画 像 診 断 との 関 係 を 明 らかにす<br />
る。【 対 象 と 方 法 】 当 科 にて 施 行 した 大 腸 癌 肝 転 移 切 除 例 のうち、 化<br />
学 療 法 施 行 後 に 切 除 施 行 された13 例 を 対 象 とした。( 検 討 1) 主 腫 瘍 より<br />
1mm 以 上 離 れており、 径 が1mm 未 満 の 細 胞 集 塊 を 微 小 癌 病 変 と 定 義 し、<br />
その 局 在 をパラフィン 切 片 を 用 いた 免 疫 組 織 化 学 染 色 (CEA、CK20)<br />
にて 評 価 。 主 腫 瘍 最 大 割 面 での 腫 瘍 周 囲 微 小 癌 病 変 の 個 数 、 主 腫 瘍 と<br />
の 最 大 距 離 を 測 定 した。( 検 討 2) 腹 部 造 影 CTによる 腫 瘍 の 形 態 をその<br />
辺 縁 の 形 状 から、INFα、β、γの3 種 類 に 分 類 。 辺 縁 が 最 も 平 滑 で<br />
あるものをINFα、 最 も 不 整 なものをINFγとした(Yamaguchi,…et…al.…<br />
World…J…Surg.…2002;26:1122-5)。 各 分 類 と 微 小 癌 病 変 の 局 在 の 関 連<br />
性 を 検 討 した。【 結 果 】( 検 討 1) 主 腫 瘍 のCEA 陽 性 率 は、11/13 例 (85%)、<br />
CK20 陽 性 率 9/13 例 …(69%)。 微 小 癌 病 変 は、CEA、CK20いずれか 陽<br />
性 となった11 例 において 検 索 し、9/11 例 (82%)に 認 めた。 病 変 数 は、<br />
症 例 により1~17 病 変 と 幅 があった。 微 小 癌 病 変 までの 距 離 は1.0~<br />
16.0mmであった。( 検 討 2) 腫 瘍 サイズの 変 化 は、 化 学 療 法 前 後 で<br />
-27mmから+23mmの 範 囲 であった。CTによる 主 腫 瘍 形 態 分 類 は 化 学<br />
療 法 施 行 前 INFα7 例 、β2 例 、γ2 例 であったが、 施 行 後 、6 例 で 形 態<br />
が 変 化 した(α→β…3 例 、α→γ…1 例 、β→α…1 例 、γ→α…1 例 )。 化<br />
学 療 法 施 行 前 の 分 類 がINFγであった2 例 は、 微 小 癌 病 変 を 各 々10、<br />
17 病 変 と 多 数 認 めた。 主 腫 瘍 から 最 も 離 れた 微 小 癌 病 変 (16mm)は、<br />
化 学 療 法 前 INFγ 分 類 の 症 例 に 認 めた。【 結 語 】 大 腸 癌 肝 転 移 に 対 す<br />
る 切 除 には、 主 腫 瘍 周 囲 の 微 小 癌 病 変 の 存 在 を 念 頭 に 切 除 マージンを<br />
設 定 する 必 要 がある。 特 に 化 学 療 法 施 行 前 CTによる 形 態 評 価 でINF<br />
γの 症 例 では、 化 学 療 法 後 でも 微 小 癌 病 変 が 複 数 存 在 する 可 能 性 があ<br />
る。<br />
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