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P105-6 肝 切 除 術 および 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 におけるハーモ<br />
ニックFOCUSの 有 用 性 について<br />
尾 道 市 立 市 民 病 院 外 科<br />
○… 中 井 肇 , 村 田 年 弘<br />
当 科 では2010 年 4 月 より、 肝 切 除 術 および 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 に 超 音<br />
波 凝 固 切 開 装 置 であるハーモニックFOCUSを 使 用 している。 従 来 の<br />
超 音 波 凝 固 切 開 装 置 に 比 して 剥 離 操 作 等 が 容 易 で、 形 状 的 ( 開 創 鉗 子<br />
型 形 状 )に 使 用 しやすく、またCavitationも 少 ないといわれている。 肝<br />
切 除 術 においては、 肝 授 動 時 の 間 膜 切 離 に 使 用 することにより、 止 血<br />
効 果 だけでなく、リンパ 漏 も 予 防 できると 考 えられる。 肝 実 質 切 離 時<br />
には、 細 い 血 管 処 理 はハーモニックFOCUSを 使 用 すれば 不 要 で、ま<br />
た 胆 管 もシールドされるといわれており、Clamp…crushing…methodを<br />
行 いながら、 結 紮 回 数 を 減 少 させることができる。 主 幹 肝 静 脈 に 沿 っ<br />
た 肝 実 質 剥 離 、 血 管 処 理 にもハーモニックFOCUSを 使 用 でき、 有 用<br />
である。 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 において、 膵 切 離 は、 主 膵 管 はメスで 切<br />
離 するが、 他 部 位 はハーモニックFOCUSにて 行 っている。これによ<br />
り 膵 離 断 面 からの 出 血 がほとんどなく、また 分 枝 膵 管 からの 膵 液 漏 に<br />
対 する 予 防 効 果 もあると 考 えられる。リンパ 節 郭 清 時 にもハーモニッ<br />
クFOCUS 使 用 することにより、リンパ 漏 の 減 少 効 果 が 期 待 され、 上<br />
腸 間 膜 動 脈 周 囲 の 郭 清 時 に 特 に 有 用 であった。 以 上 の 点 を 踏 まえて、<br />
ハーモニックFOCUSを 使 用 した 肝 切 除 術 、 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 の 手<br />
術 手 技 をビデオにて 供 覧 するとともに、その 有 用 性 について 検 討 した。<br />
P105-7 肝 胆 膵 領 域 悪 性 腫 瘍 術 後 の 静 脈 血 栓 塞 栓 症 予 防 に 対 す<br />
る 低 分 子 ヘパリンの 安 全 性 に 関 する 検 討<br />
1<br />
大 阪 大 学 大 学 院 消 化 器 外 科 学 、 2 大 阪 大 学 大 学 院 周 手 術 期 管<br />
理 学<br />
○… 岩 上 佳 史 1<br />
, 川 本 弘 一 1<br />
, 江 口 英 利 1<br />
, 和 田 浩 志 1<br />
,<br />
小 林 省 吾 1<br />
, 丸 橋 繁 1<br />
, 種 村 匡 弘 1<br />
, 梅 下 浩 司 2<br />
, 森 正 樹 1<br />
,<br />
土 岐 祐 一 郎 1 1<br />
, 永 野 浩 昭<br />
【 背 景 】 腹 部 悪 性 腫 瘍 に 対 する 手 術 後 合 併 症 として、 静 脈 血 栓 塞 栓 症<br />
(venous…thromboembolism;VTE)が 知 られている。VTEは、 深 部 静<br />
脈 血 栓 症 (deep…vein…thrombosis;DVT)と 肺 動 脈 血 栓 塞 栓 症<br />
(pulmonary…thromboembolism;PTE)を 合 わせた 概 念 で、 深 部 静 脈<br />
の 血 栓 は、 肺 動 脈 血 栓 塞 栓 症 を 引 き 起 こし、 時 として 致 命 的 であるた<br />
め、DVTおよびPTEを 総 合 的 に 予 防 することが 肝 要 とされており、<br />
実 際 、「 肺 血 栓 塞 栓 症 および 深 部 静 脈 血 栓 症 の 診 断 、 治 療 、 予 防 に 関<br />
するガイドライン(2009 年 改 訂 版 )」では、 周 術 期 のVTE 予 防 が 推 奨<br />
されている。 特 に 肝 胆 膵 領 域 悪 性 腫 瘍 に 対 する 手 術 の 多 くは、 消 化 器<br />
外 科 専 門 医 修 練 カリキュラムの 高 難 度 手 術 に 該 当 し、 手 術 侵 襲 が 大 き<br />
く、 本 来 VTE 発 症 の 高 リスク 群 と 考 えられるが、VTE 予 防 に 対 する<br />
抗 凝 固 薬 の 使 用 は、 同 時 に 術 後 出 血 のリスクを 増 大 させる 恐 れがあり、<br />
現 在 まで 本 領 域 では 薬 剤 を 用 いたVTE 予 防 が 徹 底 されていないのが<br />
現 状 である。 近 年 、 低 分 子 ヘパリンであるエノキサパリンのVTE 予<br />
防 効 果 が 確 認 され、 整 形 外 科 領 域 等 ですでに 使 用 が 開 始 されている。<br />
そこで 今 回 の 検 討 では、 肝 胆 膵 領 域 悪 性 腫 瘍 術 後 におけるエノキサパ<br />
リン 投 与 の 安 全 性 について 解 析 することを 目 的 とした。【 方 法 】 当 科<br />
において 肝 胆 膵 領 域 悪 性 腫 瘍 の 手 術 を 受 ける 患 者 のうち、40 歳 以 上 、<br />
Child-Pugh 分 類 Aを 適 格 基 準 とした。ドレーンからの 出 血 が 疑 われる<br />
症 例 、 術 前 ワーファリンを 内 服 していて、 周 術 期 にヘパリンに 置 換 し<br />
た 症 例 等 は 除 外 した。エノキサパリンの 投 与 は 添 付 文 書 に 従 い、 術 後<br />
2 日 目 から9 日 目 まで8 日 間 投 与 した。2011 年 4 月 から11 月 までの8か 月 間 、<br />
投 与 例 は15 例 であった。 主 要 評 価 項 目 は 出 血 事 象 発 現 率 ( 術 後 30 日 目<br />
までの 大 出 血 および 小 出 血 )とし、 副 次 評 価 項 目 をVTE 発 生 率 、 有 害<br />
事 象 の 発 現 率 とした。【 結 果 】 術 後 7 日 目 の 止 血 検 査 では、PT%=83.1<br />
±10.6、APTT=30.1±4.1と 正 常 範 囲 内 であった。いずれの 症 例 も 出<br />
血 等 の 副 作 用 は 認 めなかった。いずれの 症 例 もVTEを 疑 わせる 所 見<br />
は 認 めなかった。【 結 語 】 肝 胆 膵 領 域 悪 性 腫 瘍 術 後 でも、エノキサパ<br />
リンは 安 全 に 投 与 できる 可 能 性 が 示 唆 された。 当 結 果 を 踏 まえて、 現<br />
在 、 安 全 性 に 対 する 観 察 研 究 を 開 始 している。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
P105-8 肝 胆 膵 手 術 周 術 期 における 中 心 静 脈 カテーテル 由 来 血<br />
流 感 染 の 危 険 因 子<br />
1<br />
東 北 大 学 大 学 院 消 化 器 外 科 学 、 2 東 北 大 学 大 学 院 統 合 がん 治<br />
療 外 科 学<br />
○… 水 間 正 道 1<br />
, 林 洋 毅 1<br />
, 中 川 圭 2<br />
, 岡 田 恭 穂 1<br />
, 森 川 孝 則 1<br />
,<br />
大 塚 英 郎 1<br />
, 乙 供 茂 1<br />
, 坂 田 直 昭 1<br />
, 深 瀬 耕 二 1<br />
, 石 田 晶 玄 1<br />
,<br />
吉 田 寛 1<br />
, 小 野 川 徹 1<br />
, 元 井 冬 彦 1<br />
, 内 藤 剛 1<br />
, 力 山 敏 樹 1<br />
,<br />
片 寄 友 2<br />
, 江 川 新 一 1 1<br />
, 海 野 倫 明<br />
( 背 景 ) 高 侵 襲 を 伴 うことが 多 い 肝 胆 膵 手 術 の 周 術 期 においては、 循 環<br />
作 動 薬 を 代 表 とする 種 々の 薬 剤 や 高 カロリー 輸 液 の 投 与 、 末 梢 静 脈 確<br />
保 困 難 な 症 例 の 血 管 確 保 などの 目 的 で 中 心 静 脈 カテーテル(CVC)の<br />
留 置 される 頻 度 が 他 領 域 手 術 よりも 高 いと 考 えられる。しかし、CVC<br />
は 挿 入 時 の 合 併 症 やカテーテル 由 来 血 流 感 染 (CRBSI)といった 問 題 が<br />
あり、CRBSIの 発 生 は 他 合 併 症 の 誘 発 や 医 療 費 の 増 大 にも 影 響 する。<br />
今 回 、 肝 胆 膵 手 術 周 術 期 における 中 心 静 脈 カテーテル 由 来 のCRBSIの<br />
頻 度 と 危 険 因 子 について 検 討 したので 報 告 する。( 対 象 と 方 法 )2009 年 1<br />
月 から2011 年 5 月 まで, 当 科 で 施 行 した 肝 胆 膵 手 術 症 例 478 例 のうち 術<br />
前 及 び 麻 酔 導 入 時 にCVCを 挿 入 した369 例 を 対 象 とした。CRBSI 発 生<br />
頻 度 は1000カテーテル 挿 入 日 数 当 たりのCRBSI 数 で 算 出 した。また、<br />
CRBSIの 有 無 別 に 患 者 背 景 因 子 ( 年 齢 , 性 別 ,BMI、 糖 尿 病 )および 手<br />
術 因 子 ( 膵 ・ 胆 道 再 建 , 出 血 量 , 手 術 時 間 、 術 中 輸 血 , 縫 合 不 全 , 胆<br />
汁 漏 , 膵 液 漏 , 表 層 切 開 創 SSI, 深 部 切 開 創 SSI, 臓 器 / 体 腔 SSI,CVカテー<br />
テル 留 置 期 間 )についてカイ2 乗 検 定 またはWilcoxon 検 定 にて 単 変 量<br />
解 析 し、さらにロジスティック 回 帰 による 多 変 量 解 析 を 行 った。( 結 果 )<br />
CRBSIは 肝 胆 膵 手 術 全 体 では12.5 件 /1000 日 の 頻 度 で 発 生 しており、<br />
膵 胆 道 再 建 ありの 症 例 では13.6 件 /1000 日 、 膵 胆 道 再 建 なしの 症 例 で<br />
は9.2 件 /1000 日 の 頻 度 であった。 単 変 量 解 析 では 両 群 間 において 膵 胆<br />
道 再 建 (p=0.0063)、 出 血 量 (p=0.0479)、 手 術 時 間 (p=0.0149)、 膵 液 漏<br />
(p=0.0270), 深 部 切 開 創 SSI(p=0.0110), 臓 器 / 体 腔 SSI(p=0.0191)…、CV<br />
カテーテル 留 置 期 間 (p