タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P30-4 術 前 急 性 膵 炎 を 起 こし 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 した
1 例
がん 研 有 明 病 院 消 化 器 外 科
○… 筒 井 信 浩 , 斎 浦 明 夫 , 小 野 嘉 大 , 吉 岡 龍 二 , 竹 村 信 行 ,
有 田 淳 一 , 古 賀 倫 太 郎
【はじめに】 術 前 急 性 膵 炎 を 起 こし 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 した1
例 を 経 験 したので 報 告 する。【 症 例 】60 代 女 性 。【 現 病 歴 】 全 身 倦 怠 感 、
肝 機 能 異 常 で 経 過 観 察 されていたが、USで 肝 内 胆 管 拡 張 を 認 め 前 医
紹 介 。 精 査 にて 中 部 胆 管 癌 と 診 断 され、このときに 施 行 したERCPに
より 重 症 急 性 膵 炎 ( 重 症 度 1、stage2、CT…grade4、APACHE2…score…7)
を 発 症 したが 保 存 的 加 療 にて 軽 快 し、 当 院 紹 介 となった。 当 院 紹 介 時
のCTでは 膵 周 囲 に 炎 症 像 が 認 められたため、1ヶ 月 間 のインターバル
を 置 いてから 再 度 CT 施 行 。CT 上 炎 症 像 の 変 化 は 認 められなかったが、
これ 以 上 の 延 期 は 困 難 と 考 え 手 術 施 行 した。【 手 術 所 見 】 癒 着 が 高 度
で 炎 症 の 波 及 を 認 め 膵 周 囲 の 動 脈 の 同 定 、 郭 清 は 困 難 であった。また
門 脈 上 の 膵 は 白 色 であり、 高 度 炎 症 後 の 所 見 であった。 膵 下 の 周 囲 組
織 は 鹸 化 し、 粥 状 となっていた。またトライツ 靭 帯 周 囲 も 炎 症 後 のた
め、 高 度 の 癒 着 を 認 めた。 全 体 的 に 癒 着 が 高 度 であったが、 慎 重 に 剥
離 を 行 い 予 定 通 りSSPPD 施 行 し 再 建 はPD-2で 行 った。【 術 後 経 過 】 術
後 は 良 好 であり、 術 後 24 日 目 に 退 院 となった。【 考 察 】 術 前 検 査 での
ERCPは 急 性 膵 炎 の 危 険 性 はあるが、 診 断 上 重 要 な 検 査 であり、まれ
に 重 症 化 することがある。 本 症 例 は 重 症 急 性 膵 炎 の 保 存 的 加 療 後 3ヶ
月 で 手 術 を 施 行 し、 手 術 に 難 渋 したが 特 に 大 きな 合 併 症 なく 退 院 と
なった。ERCP 後 膵 炎 の 発 症 、また 急 性 膵 炎 後 の 手 術 のタイミングに
ついて 文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告 する。
P30-5 食 道 癌 根 治 術 後 に 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 した 一 例
市 立 豊 中 病 院
○… 北 原 知 洋 , 堂 野 恵 三 , 藤 野 志 季 , 野 田 剛 広
【はじめに】 食 道 癌 手 術 の 場 合 、 再 建 に 胃 管 を 用 いるのが 一 般 的 であ
るが、 術 後 の 胃 管 血 行 は 手 術 時 に 胃 上 部 の 血 行 が 全 て 処 理 されるため
右 胃 大 網 動 脈 に 依 存 している。 今 回 我 々は 食 道 癌 術 後 に 発 症 した 膵 頭
部 癌 に 対 し 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 した 症 例 を 経 験 したので 報 告 す
る。【 症 例 】71 歳 男 性 。1997 年 に 他 院 で 食 道 癌 に 対 し 手 術 施 行 され、
後 縦 隔 経 路 で 胃 管 再 建 をされている。2011 年 8 月 上 旬 39 度 の 発 熱 があり、
近 医 を 受 診 した。 内 服 処 方 され 経 過 をみていたが、 食 事 摂 取 不 良 とな
り、8 月 中 旬 前 医 を 再 診 した。 腹 部 CTにて 膵 頭 部 に 腫 瘤 、 総 胆 管 下 部
に 狭 窄 認 め、 血 液 検 査 にて 黄 疸 を 認 めた。… 加 療 目 的 で 当 院 内 科 に 転
院 となり、PTCDを 施 行 し、 減 黄 した。PTCDから 提 出 された 細 胞 診
ではClassIVであった。 膵 頭 部 癌 が 疑 われ 手 術 目 的 に 当 科 紹 介 となった。
食 道 癌 術 後 であり、 胃 管 再 建 をおこなっていることから、 胃 管 の 血 行
を 考 慮 し、 胃 十 二 指 腸 動 脈 、 胃 大 網 動 静 脈 は 温 存 し、 幽 門 輪 温 存 膵 頭
十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 した。 病 理 結 果 はIPMCであった。 術 後 経 過 は
良 好 で、 合 併 症 なく 術 後 25 日 目 に 退 院 となった。… 食 道 癌 術 後 症 例 に
対 し 胃 管 血 行 を 温 存 し、 安 全 に 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 しえた 一 例
を 経 験 した。 社 会 の 高 齢 化 にともない 今 後 このような 症 例 が 増 加 する
と 考 えられる。 以 上 の 症 例 を 若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告 する。
P30-6 幽 門 側 胃 切 除 既 往 症 例 に 対 する 尾 側 膵 切 除 術 の 経 験
札 幌 医 科 大 学 第 一 外 科
○… 今 村 将 史 , 木 村 康 利 , 目 黒 誠 , 中 野 正 一 郎 , 三 浦 亮 ,
中 村 幸 雄 , 川 本 雅 樹 , 信 岡 隆 幸 , 水 口 徹 , 古 畑 智 久 ,
平 田 公 一
【はじめに】 通 常 幽 門 側 胃 切 除 時 には 右 胃 動 脈 ・ 右 胃 大 網 動 脈 ・ 左 胃
動 脈 が 切 離 され、 尾 側 膵 切 除 時 には 脾 動 脈 ・ 左 胃 大 網 動 脈 ・ 短 胃 動 脈
が 切 離 される。これらを 同 時 に 施 行 する 際 は 残 胃 血 流 の 問 題 から 胃 全
摘 となる 場 合 が 考 えられる。 今 回 我 々は、 幽 門 側 胃 切 除 術 の 既 往 のあ
る 膵 体 尾 部 癌 症 例 に 対 し、 尾 側 膵 切 除 術 を 施 行 した3 症 例 を 経 験 した
ので、 術 後 経 過 を 含 めて 報 告 する。【 症 例 】1.77 歳 女 性 。20 年 前 に 胃
潰 瘍 にて 幽 門 側 胃 切 除 +B1 再 建 の 既 往 。IPMNにてフォロー 中 、CT
にて 主 膵 管 拡 張 を 認 めたため 精 査 を 施 行 。 膵 尾 部 に20mm 大 の 腫 瘤 を
認 め、FNAにて 膵 癌 と 診 断 。2.70 歳 男 性 。10 年 前 に 胃 癌 にて 幽 門 側 胃
切 除 +B1 再 建 の 既 往 。 心 窩 部 痛 ・ 嘔 気 を 主 訴 に 前 医 を 受 診 。CTにて
膵 尾 部 に18mm 大 の 腫 瘤 を 認 め、FNAにて 膵 癌 と 診 断 。3.65 歳 女 性 。
8 年 前 に 胃 癌 にて 幽 門 側 胃 切 除 +B1 再 建 の 既 往 。フォローCTにて 膵
体 部 に20mmの 腫 瘤 と 尾 側 膵 管 拡 張 を 認 め、 膵 癌 が 強 く 疑 われた。【 術
前 CT】 全 例 幽 門 側 胃 切 除 後 のため、 右 胃 動 脈 ・ 右 胃 大 網 動 脈 ・ 左 胃
動 脈 は 存 在 しなかった。【 手 術 】 開 腹 にて2 群 リンパ 節 郭 清 を 伴 う 尾 側
膵 切 除 を 施 行 した。 脾 動 脈 は 根 部 で 切 離 し、 短 胃 動 脈 は 胃 壁 側 で 処 理
した。 膵 切 離 は 自 動 縫 合 器 にPGAフェルトを 併 用 して 施 行 した。 尾
側 膵 切 除 後 も 胃 壁 の 色 調 に 変 化 を 認 めず、 胃 血 流 は 保 たれていると 判
断 し 手 術 を 終 了 した。 平 均 手 術 時 間 288 分 、 平 均 出 血 量 283ml。【 術 後
経 過 】 全 例 術 後 1 日 目 より 水 分 開 始 し、3 日 目 より 食 事 開 始 した。 上 腹
部 に 特 異 的 な 症 状 や 他 の 術 後 合 併 症 を 認 めず、 平 均 術 後 19 日 目 に 自 宅
退 院 となった。【まとめ】 検 索 し 得 た 範 囲 では、 幽 門 側 胃 切 既 往 の 症
例 に 対 して 尾 側 膵 切 除 術 を 施 行 した 際 の 安 全 性 や 合 併 症 などを 報 告 し
た 例 は 存 在 しなかった。 我 々の 症 例 は 幽 門 側 胃 切 後 少 なくとも8 年 経
過 していた。 幽 門 側 胃 切 除 後 長 期 経 過 例 に 対 しては、 胃 を 温 存 したう
えでの 尾 側 膵 切 除 は 安 全 に 施 行 可 能 と 考 えられた。
P30-7 食 道 癌 術 後 に 発 症 した 膵 頭 部 癌 に 対 して 幽 門 輪 温 存 膵
頭 十 二 指 腸 切 除 を 施 行 した1 例
名 古 屋 大 学 消 化 器 外 科 2
○… 猪 川 祥 邦 , 野 本 周 嗣 , 末 永 雅 也 , 堀 田 佳 宏 , 奥 村 徳 夫 ,
菱 田 光 洋 , 山 村 和 生 , 林 真 路 , 山 田 豪 , 藤 井 努 ,
杉 本 博 行 , 竹 田 伸 , 小 寺 泰 弘
症 例 は72 歳 男 性 。1996 年 、 他 院 にて 食 道 癌 に 対 して 食 道 亜 全 摘 、 後 縦
隔 経 路 胃 管 再 建 を 施 行 された。 今 回 、 黄 疸 のため 近 医 受 診 、 精 査 で 膵
頭 部 癌 と 診 断 され 手 術 依 頼 にて 当 科 紹 介 受 診 となった。 食 道 外 科 、 形
成 外 科 のバックアップ 体 制 の 上 、2011 年 9 月 、 幽 門 輪 温 存 膵 頭 十 二 指
腸 切 除 術 、D1 郭 清 、Child 変 法 再 建 を 施 行 した。 動 脈 については 胃
十 二 指 腸 動 脈 および 右 胃 大 網 動 脈 を、 静 脈 については 右 胃 大 網 静 脈 お
よび 胃 結 腸 静 脈 幹 を 温 存 しえた。 術 前 画 像 および 術 中 所 見 では 明 らか
なリンパ 節 転 移 を 認 めておらず、また 血 管 損 傷 のおそれも 考 慮 し#6、
#8および#12のリンパ 節 郭 清 を 省 略 してD1 郭 清 とした。 病 理 組 織 学
的 所 見 にはinvasive…ductal…carcinoma,…tub2,…int,…INFβ,…ly1,…v1,…ne1,…
mpd(-),…pT3,…CH(+),…DU(+),…S( + ),…RP(-),…PV(-),…A( - …PL(-),…OO
(-),…pN0,…pPCM(-),…pBCM(-),…pDPM(+),…fT3N0M(-),…fStageIII,…R1と
診 断 した。 術 後 Grade…Bの 膵 液 瘻 を 認 めたが 保 存 的 に 軽 快 した。 術 後
43 日 目 より 補 助 化 学 療 法 としてTS-1 内 服 を 開 始 、 術 後 45 日 目 に 退 院
され、 現 在 外 来 通 院 中 である。 胃 管 再 建 による 食 道 癌 術 後 患 者 にPD
を 行 う 際 には、1. 胃 管 血 流 を 温 存 してのPD、2. 胃 管 を 栄 養 する 血
管 再 建 を 伴 うPD、3. 胃 管 も 切 除 し 結 腸 もしくは 小 腸 を 用 いての 再 建
を 伴 うPDの3つの 選 択 肢 が 提 唱 されている。 医 学 中 央 雑 誌 および
PubMedを 用 いて 検 索 しえた 限 り、これまで 食 道 癌 術 後 にPDを 施 行
した 症 例 は18 例 を 認 めるが、 未 だに 上 述 2.および3.の 術 式 は 実 際 に
行 われていない。 本 症 例 においては、 右 胃 大 網 静 脈 周 囲 での 前 方 浸 潤
によると 思 われるpDPM(+)の 所 見 を 認 めたため、 結 果 的 には 上 述 2.
も 選 択 肢 となり 得 た 可 能 性 がある。しかし 今 回 術 野 で 剥 離 断 端 陽 性 と
明 らかには 言 えず、 血 管 再 建 に 伴 うリスクを 考 慮 し 血 管 温 存 を 選 択 し
た。 文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告 する。
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