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タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日(水) - 株式会社コングレ

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P40-4 種 々の 解 剖 学 的 変 異 を 伴 った 完 全 内 臓 逆 位 を 伴 う 非 B<br />

非 C 肝 細 胞 癌 切 除<br />

山 梨 大 学 1 外 科<br />

○… 松 田 政 徳 , 雨 宮 秀 武 , 細 村 直 弘 , 川 井 田 博 充 , 大 菊 正 人 ,<br />

藤 井 秀 樹<br />

症 例 は62 歳 、 男 性 。 腹 部 超 音 波 検 査 にて 肝 腫 瘤 を 指 摘 され 入 院 。 以 前<br />

より 完 全 内 臓 逆 位 を 指 摘 されていた。 糖 尿 病 に 治 療 中 。 腹 部 手 術 歴 な<br />

し、 輸 血 歴 なし。アルコール 多 飲 歴 あり。 貧 血 、 黄 疸 なく 胸 腹 部 所 見<br />

に 内 臓 逆 位 に 伴 う 所 見 以 外 著 変 なし。HBsAg(-)…、HBcAb(+)、<br />

HCVAb(-)、ICG-R15は12.5% で 肝 障 害 度 A。AFP2.8…(L3…0% )、<br />

PIVKA-II…135mAU/ml。CTでは( 以 下 画 像 、 患 者 所 見 は 鏡 面 像 とし<br />

て 記 述 )、 肝 の 外 側 区 域 は 腫 大 し、 内 側 区 域 は 委 縮 ( 低 形 成 )していた。<br />

前 区 域 に 最 大 径 2.5cmの 肝 細 胞 癌 (HCC)と 思 われる 腫 瘤 が 存 在 した。<br />

尾 状 葉 および 肝 部 下 大 静 脈 は 欠 損 し、 肝 静 脈 は 肝 上 部 の 下 大 静 脈 に 流<br />

入 していた。 下 半 身 の 大 静 脈 は 後 腹 膜 部 を 上 行 し、 奇 静 脈 として 上 大<br />

静 脈 に 流 入 していた。 膵 体 部 は 欠 損 し、 多 脾 症 を 認 めた。EOB-MRI<br />

にて 前 区 域 のHCC 以 外 に、 肝 細 胞 相 で 外 側 区 域 S3に0.7cmの 低 信 号 像<br />

を 認 めた。 血 管 造 影 下 CTでは 前 区 域 と 外 側 区 域 の 腫 瘤 はHCCとして<br />

矛 盾 のない 所 見 を 呈 した。また、 右 肝 静 脈 は 前 区 域 と 後 区 域 の 境 界 を<br />

走 行 せず 両 区 域 内 に 分 枝 が 存 在 した。 血 管 造 影 ではCHAはSMAから<br />

分 岐 し、CHAはすぐPHAとGDAに 分 岐 し、PHAはRHAとLHAに 分<br />

枝 し、RHAの 末 梢 に 腫 瘍 像 を 認 めた。また、 腹 腔 動 脈 からはLGAと<br />

SAが 分 岐 し、LGAとLHAは 吻 合 を 形 成 していた。 手 術 は、 逆 T 字 切<br />

開 で 開 腹 した。 肝 は 肝 硬 変 に 近 い 像 を 呈 し 内 側 区 域 は 委 縮 していた。<br />

術 中 造 影 エコーにて 前 区 域 とS3の 腫 瘍 を 確 認 した。 右 冠 状 間 膜 を 切<br />

離 すると 尾 状 葉 とIVCがないため 肝 の 背 側 に 手 が 挿 入 可 能 であった。<br />

胆 嚢 摘 出 後 、 肝 門 部 で 全 ての 脈 管 をテーピングした。 右 肝 静 脈 が 前 後<br />

区 域 の 境 界 にないため、 流 入 動 脈 を 遮 断 し、 前 区 門 脈 をインジゴで 染<br />

色 し 切 除 範 囲 を 決 定 した。 術 者 は 患 者 の 左 側 に 立 ち、 左 手 での 右 肝 を<br />

挙 上 し 全 肝 阻 血 下 に 切 除 を 行 った。 肝 静 脈 からの 出 血 等 、 通 常 の 肝 切<br />

除 と 比 較 して 特 別 の 困 難 はなかった。さらにS3の 部 分 切 除 を 行 った。<br />

手 術 時 間 は480 分 、 出 血 量 279mlであった。 詳 細 な 術 前 術 中 画 像 解 析<br />

により 安 全 に 手 術 が 可 能 であった。 切 除 腫 瘍 は 双 方 とも 組 織 像 の 似 た<br />

中 分 化 型 HCCで、 脈 管 浸 潤 は 明 らかではないが、S3 腫 瘍 は 肝 内 転 移<br />

が 否 定 できなかった。 順 調 に 経 過 し 第 13 病 日 退 院 した。<br />

P40-5 門 脈 分 岐 異 常 による 左 側 胆 嚢 症 例 に 対 して 肝 切 除 術 を<br />

施 行 した1 例<br />

東 京 女 子 医 科 大 学 消 化 器 外 科<br />

○… 大 森 亜 紀 子 , 小 寺 由 人 , 有 泉 俊 一 , 高 橋 豊 , 加 藤 孝 章 ,<br />

米 田 五 大 , 片 桐 聡 , 山 本 雅 一<br />

【 症 例 】72 歳 女 性 。 【 現 病 歴 】38 歳 時 に 輸 血 を 受 け、65 歳 時 に 初 め<br />

て 慢 性 C 型 肝 炎 を 指 摘 された。 経 過 観 察 中 の 定 期 検 査 の 超 音 波 にて 肝<br />

腫 瘍 を 指 摘 され 加 療 目 的 に 当 科 へ 紹 介 入 院 となった。 入 院 時 現 症 に 特<br />

記 すべきものはなく、 採 血 データでは 軽 度 のトランスアミナーゼの 上<br />

昇 以 外 に 腫 瘍 マーカーを 含 め 異 常 値 を 認 めなかった。【 経 過 】 画 像 診<br />

断 では、 超 音 波 にてS2、S3の 境 界 領 域 に 直 径 25mmの 内 部 に 一 部 低 エ<br />

コー 域 を 伴 う 高 エコーの 腫 瘍 を 認 め、 脂 肪 成 分 の 豊 富 な 高 分 化 型 の 肝<br />

細 胞 癌 と 考 えられた。CT、3DCTにて 腫 瘍 は 外 側 区 域 にあり、 加 え<br />

て 門 脈 分 岐 異 常 を 認 めた。 門 脈 の 分 岐 形 態 は、 門 脈 本 幹 より 後 区 域 枝<br />

が 先 行 分 岐 し、 次 いで 前 区 域 枝 が 分 岐 していた。 門 脈 左 枝 はP4を 欠<br />

いていた。また、 胆 嚢 は 肝 円 索 の 左 側 に 位 置 していた。 腫 瘍 生 検 を 施<br />

行 し、 高 分 化 型 肝 細 胞 癌 の 診 断 を 得 た。 肝 細 胞 癌 に 対 して 手 術 を 施 行 。<br />

開 腹 すると、 胆 嚢 は 肝 円 索 の 腹 側 に 位 置 していた。 胆 嚢 摘 出 後 、グリ<br />

ソン 鞘 を 開 放 すると 門 脈 外 側 区 域 枝 を 認 めた。 腫 瘍 が 外 側 区 域 に 存 在<br />

することを 確 認 したのち 外 側 区 域 切 除 術 を 施 行 した。( 本 症 例 は 内 側 区<br />

域 を 欠 如 しているため 実 際 には 左 葉 切 除 と 同 等 である。) 術 後 経 過 は 良<br />

好 であった。【 結 語 】 左 側 胆 嚢 はまれな 先 天 奇 形 である。しかしながら、<br />

左 側 胆 嚢 の 範 疇 にはいるもののうち、 発 生 学 的 に 奇 形 を 生 じているも<br />

ののほかに、 本 症 例 のように 門 脈 分 岐 異 常 に 伴 い 見 かけ 上 胆 嚢 が 左 側<br />

に 位 置 している 症 例 がある。 自 験 例 及 び 諸 家 の 報 告 からも 門 脈 分 岐 異<br />

常 とそれに 伴 う 左 側 胆 嚢 は 稀 な 異 常 ではない。そして、これらの 破 格<br />

は 肝 切 除 の 際 に 重 要 な 所 見 である。そのため、 術 前 画 像 診 断 にて 左 側<br />

胆 嚢 を 認 めた 際 には 門 脈 分 岐 異 常 が 存 在 する 可 能 性 も 考 え、 精 査 を 進<br />

めることが 肝 要 と 思 われた。 今 回 、 門 脈 分 岐 異 常 による 左 側 胆 嚢 症 例<br />

に 対 して 肝 切 除 術 を 施 行 した1 例 を 経 験 したため、 文 献 的 考 察 を 含 め<br />

て 報 告 する。<br />

P40-6 下 右 肝 静 脈 温 存 、 上 右 肝 静 脈 とそのドレナージ 領 域 を 含<br />

む 合 理 的 拡 大 肝 S8 切 除 術 の1 例<br />

徳 島 大 学 外 科 学<br />

○… 花 岡 潤 , 島 田 光 生 , 宇 都 宮 徹 , 森 根 裕 二 , 居 村 暁 ,<br />

池 本 哲 也 , 森 大 樹 , 杉 本 光 司 , 斉 藤 裕 , 山 田 眞 一 郎 ,<br />

浅 野 間 理 仁<br />

【 症 例 】77 歳 、 男 性 。 交 通 事 故 による 精 査 のCTで 肝 S7/8に3.5cmの<br />

腫 瘍 を 認 めHCCの 診 断 にて 当 科 紹 介 となった。【CT】 肝 S7/8、 上 右<br />

肝 静 脈 根 部 を 取 り 巻 くように3.5cmの 多 結 節 癒 合 型 でhigh-low-low…<br />

patternを 示 す 腫 瘍 を 認 める。【 血 液 検 査 及 び 肝 アシアロシンチ】PT…<br />

126.9%、HPT…99.4%、ICGR15…11.4%、HCV-Ab… 陽 性 、AFP…5ng/ml、<br />

PIVKA-II…105mAU/ml、LHL15…0.931。【3D-volumetry】 全 肝 1172ml。<br />

右 葉 切 除 では 残 肝 223ml…(19.1%)。S8 灌 流 領 域 は 上 右 肝 静 脈 を 包 含 、<br />

従 来 の 解 剖 学 的 S7までせり 出 すように 存 在 し、 上 右 肝 静 脈 も 切 除 領<br />

域 に 含 まれる。【 問 題 点 1】Volumetryにおける 門 脈 前 区 域 灌 流 領 域 決<br />

定 の 是 非 について。 予 定 術 式 は【 術 式 選 択 】CTで5mmの 下 右 肝 静<br />

脈 あり。 下 右 肝 静 脈 ドレナージ 領 域 温 存 、S8 灌 流 領 域 + 上 右 肝 静 脈<br />

ドレナージ 領 域 切 除 で 残 肝 は777ml、66.3%の 残 肝 となり 本 術 式 を 施 行 。<br />

【 術 後 CT 及 び 血 液 検 査 】 残 肝 に 鬱 血 領 域 を 認 めず。トランスアミナー<br />

ゼ 異 常 の 遷 延 なし。【 問 題 点 2】 静 脈 ドレナージ 領 域 切 除 の 意 義 につい<br />

て。【 結 語 】3D-volumetryを 用 いた 下 右 肝 静 脈 ドレナージ 領 域 温 存 、<br />

上 右 肝 静 脈 とそのドレナージ 領 域 を 含 む 合 理 的 拡 大 肝 S8 切 除 術 を 施<br />

行 しえた。<br />

P40-7 肝 動 脈 化 学 塞 栓 療 法 施 行 後 に 肝 梗 塞 ・ 腫 瘍 崩 壊 症 候 群 と<br />

なったが 救 命 し 右 3 区 域 切 除 し 得 た 巨 大 肝 細 胞 癌 の1<br />

例<br />

熊 本 大 学 消 化 器 外 科<br />

○… 新 田 英 利 , 別 府 透 , 土 居 浩 一 , 中 川 茂 樹 , 美 馬 浩 介 ,<br />

岡 部 弘 尚 , 今 井 克 憲 , 中 原 修 , 生 田 義 明 , 近 本 亮 ,<br />

石 河 隆 敏 , 高 森 啓 史 , 馬 場 秀 夫<br />

症 例 は54 歳 男 性 。 未 治 療 のC 型 慢 性 肝 炎 。 心 窩 部 痛 の 精 査 中 に 巨 大 肝<br />

腫 瘍 を 認 めたためCT、MRIにて 右 肝 全 体 を 占 める 約 20cm 大 の 肝 細 胞<br />

癌 (HCC)と 診 断 し、 右 門 脈 腫 瘍 栓 (Vp3)と 外 側 区 域 に 肝 内 転 移 と 思 わ<br />

れる 結 節 が 散 見 された(T4N0M0…Stage…IVA)。 肝 右 3 区 域 切 除 を 予 定<br />

していたが、ICGR15:15.2%、アシアロLHL15:0.908、 非 癌 部 肝 体<br />

積 切 除 率 40.6%、アシアロSPECT-CT…fusionを 用 いた 機 能 的 肝 切 除 率<br />

は40.6%であり 切 除 はハイリスクと 考 えられた。 門 脈 右 枝 は 腫 瘍 栓 に<br />

より 完 全 に 閉 塞 されており、 経 過 中 に 左 肝 の 機 能 、 体 積 が 改 善 する 可<br />

能 性 があったため、まず 肝 動 脈 化 学 塞 栓 療 法 (TACE)を 行 い 経 過 をみ<br />

る 予 定 とした。 肝 動 脈 化 学 塞 栓 術 (TACE)を 左 右 肝 動 脈 からシスプラ<br />

チン120mg、リピオドール、ジェルパート、およびゼラチンスポンジ<br />

細 片 を 用 いて 施 行 した。 右 肝 に 対 しては 腫 瘍 中 心 にマイルドなTACE<br />

予 定 であったが 過 度 の 塞 栓 となった。 翌 日 から 乏 尿 、 血 尿 となり、 採<br />

血 データーでは 高 カリウム 血 症 、 高 LDH 血 症 、 血 清 クレアチニン 値<br />

の 上 昇 、 代 謝 性 アシドーシスの 所 見 を 認 めた。 腫 瘍 崩 壊 症 候 群 と 診 断<br />

し 血 液 透 析 を 開 始 した。 週 4 回 の 血 液 透 析 を 継 続 し、 徐 々に 腎 機 能 は<br />

改 善 した。3ヶ 月 後 、アシアロLHL15:0.910、 非 癌 部 肝 体 積 切 除 率<br />

35.6%、アシアロSPECT-CT…fusionを 用 いた 機 能 的 肝 切 除 率 は25.8%<br />

であり 肝 右 3 区 域 切 除 可 能 と 判 断 し 施 行 した。 術 後 経 過 は 良 好 で 合 併<br />

症 なく 退 院 した。 術 後 11ヶ 月 現 在 、 残 肝 の 肝 内 転 移 はTACEによりコ<br />

ントロール 良 好 で 無 再 発 生 存 中 である。 固 形 癌 の 治 療 後 に 発 症 する 腫<br />

瘍 崩 壊 症 候 群 は 非 常 にまれであり、またその 救 命 率 も 低 い。 特 に<br />

HCCにおけるTACE 後 の 腫 瘍 崩 壊 症 候 群 の 報 告 例 は5 例 と 少 ない。し<br />

かし 近 年 はソラフェニブによる 腫 瘍 崩 壊 症 候 群 の 報 告 も 増 えてきてお<br />

り、 今 後 巨 大 HCCにおける 治 療 はこれらを 念 頭 におく 治 療 が 必 要 と<br />

思 われる。<br />

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