タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

MVW7-2
安 全 な 肝 亜 区 域 切 除 術 を 目 指 した 当 科 での 工 夫
関 西 医 科 大 学 外 科
○… 石 崎 守 彦 , 海 堀 昌 樹 , 松 井 康 輔 , 中 竹 利 知 , 松 島 英 之 ,
坂 口 達 馬 , 權 雅 憲
【 目 的 】 当 科 での 肝 亜 区 域 切 除 における 手 術 手 技 を 供 覧 する。【 対 象
および 方 法 】2010 年 までに620 例 の 原 発 性 肝 癌 肝 切 除 を 行 い、 最 近 行 っ
た 肝 亜 区 域 切 除 例 を 提 示 する。 術 前 シミュレーションとして、 造 影
CTより 構 築 した 脈 管 および 肝 実 質 の3D 画 像 と99mTc-GSA…SPECT 画
像 との3D-fusion 画 像 を 作 成 している。 肝 静 脈 の 走 行 に 沿 って 肝 切 除
予 定 線 を 引 いて 肝 亜 区 域 切 除 面 を 作 成 し、 切 離 面 に 露 出 するグリソン
枝 を 数 本 同 定 しておき、 実 際 の 手 術 の 際 に 備 えている。また 切 除 肝 ・
残 存 肝 容 積 および 肝 機 能 GSA-Rmax 算 定 を 同 一 画 像 にて 算 出 し、 耐 術
能 評 価 も 行 っている。【 手 術 手 技 】 肝 亜 区 域 の 同 定 は、まず 肝 門 部 ア
プローチにて2 次 分 枝 グリソンを 同 定 し、3 次 分 枝 が 同 定 できれば 先 行
処 理 し、 虚 血 ラインをマーキングする。3 次 分 枝 が 肝 門 部 から 同 定 で
きなければ、 術 前 画 像 および 術 中 エコーにて 亜 区 域 枝 を 確 認 後 、2 次
分 枝 クランプによる 虚 血 ラインに 沿 って 肝 切 離 を 先 行 し、 切 離 面 から
亜 区 域 枝 を 同 定 して 処 理 する。…S8など 肝 門 部 からのグリソンアプロー
チが 困 難 な 場 合 には、 赤 外 線 カメラシステム(PDE)によるICG 蛍 光 法
を 用 いている。 方 法 としてはまず 固 有 肝 動 脈 をクランプし、エコーガ
イド 下 にICG 試 薬 希 釈 液 を 腫 瘍 へ 流 入 する 主 要 門 脈 内 へ 注 入 してから、
PDEにて 肝 表 面 を 撮 影 し、 蛍 光 染 色 部 位 を 確 認 してマーキングを 行 っ
ている。 亜 区 域 枝 が 数 本 ある 場 合 にはそれぞれ 同 様 にエコーガイド 下
にICG 試 薬 希 釈 液 を 注 入 してICG 蛍 光 法 にてマーキングを 追 加 してい
る。 肝 実 質 切 離 にはCUSAおよび 水 流 落 下 式 バイポーラを 使 用 してい
る。 最 近 ではAquamantysTM…Bipolarを 使 用 しており、パイロット
試 験 では 従 来 の 水 流 滴 下 式 バイポーラと 比 較 し、 有 意 に 切 離 スピー
ド・ 切 離 時 間 が 短 く、および 切 離 時 出 血 量 ・ 結 紮 回 数 が 少 なかった。
胆 汁 漏 の 検 索 においても、PDEを 用 いたリークテストを 行 っている。
【 考 察 】 術 前 シミュレーション 画 像 およびPDEを 用 いた 支 配 門 脈 ICG
蛍 光 法 により、 比 較 的 明 瞭 に 肝 亜 区 域 が 同 定 可 能 であり、バリエーショ
ンに 富 んだ 個 々の 症 例 に 対 しても 安 全 な 亜 区 域 切 除 が 可 能 である。
MVW7-3
術 中 所 見 により 肝 S5+S6 切 除 術 からS5+S6+S7
切 除 術 に 術 式 変 更 した 一 例 : 手 術 手 技 のポイントと
工 夫
北 野 病 院 消 化 器 センター 外 科
○… 飯 田 拓 , 寺 嶋 宏 明 , 門 野 賢 太 郎 , 川 本 浩 史 , 戸 田 怜 ,
井 上 善 景 , 吉 冨 摩 美 , 尾 崎 信 弘
【 緒 言 】 系 統 的 肝 切 除 は 流 入 する 門 脈 枝 支 配 領 域 を 遮 断 し、その 肝 区
域 を 過 不 足 なく 切 除 する 術 式 である。 流 入 血 管 の 処 理 方 法 はグリソン
一 括 処 理 もしくは 脈 管 の 個 別 処 理 に 大 別 され、 状 況 によって 両 法 を 使
い 分 ける 必 要 がある。 今 回 、 肝 S5+S6 切 除 術 を 予 定 し、 術 中 S6グリソ
ン 断 端 に 腫 瘍 浸 潤 を 認 めたためS5+S6+S7 切 除 術 に 術 式 変 更 した 症 例
の 手 技 のポイントを 提 示 する。【 症 例 】81 歳 女 性 、 膀 胱 癌 にて 膀 胱 全
摘 術 ・ 術 後 化 学 療 法 施 行 の 既 往 あり。 腹 部 CTで 肝 S6に 末 梢 肝 内 胆 管
拡 張 を 伴 う 約 3cm 大 の 腫 瘍 を 認 め、またS5にも1cm 大 の 腫 瘍 が 存 在 、
両 腫 瘍 に 連 続 性 はなかった。 鑑 別 診 断 のため 肝 生 検 を 施 行 し
adenocarcinomaが 疑 われ、 肝 内 胆 管 癌 ・ 肝 内 転 移 の 術 前 診 断 で 肝
S5+S6 切 除 術 +リンパ 節 郭 清 を 予 定 術 式 とした。【 手 術 手 技 の 要 旨 】(1)
胆 嚢 摘 出 後 、 肝 門 部 で 右 グリソン 鞘 を 一 括 で 確 保 。(2) 前 区 域 グリソン
の 確 保 を 試 みるも、 前 後 区 域 グリソンの 間 隙 が 非 常 に 狭 く、 肝 外 での
グリソン 確 保 は 困 難 であった。(3) 右 グリソンをテストクランプして
S5 左 側 の 切 離 ラインを 決 定 。 肝 離 断 を 開 始 し、 前 区 域 グリソンを 露
出 しtapingした。(4) 前 区 域 グリソンよりS5グリソンを 同 定 し、 結 紮 ・
切 離 した 後 S5 頭 側 の 肝 離 断 を 右 側 に 進 めた。(5) 右 および 前 区 域 グリ
ソンの 引 き 算 の 要 領 で 後 区 域 グリソンを 確 保 し、 肝 側 に 剥 離 しS6グ
リソンを 同 定 ・ 確 保 した。…(6)…S6グリソンを 結 紮 ・ 切 離 し、 断 端 を
迅 速 組 織 診 に 提 出 し 異 型 細 胞 が 検 出 された。 断 端 の 癌 陰 性 を 得 るため、
後 区 域 グリソン 根 部 での 処 理 を 行 う 事 とした。(7) 後 区 域 グリソン 根 部
でのsurgical…marginの 確 保 と 確 実 な 処 理 を 行 うため 個 別 処 理 に 変 更
し、 後 区 域 グリソン 鞘 から 肝 動 脈 ・ 門 脈 を 剥 離 ・ 処 理 し、 最 終 的 に 後
区 域 胆 管 枝 を 含 むグリソン 鞘 の 断 端 陰 性 を 確 認 した。 個 別 処 理 にて 前
区 域 グリソンの 損 傷 なく 安 全 な 後 区 域 の 根 部 処 理 が 可 能 であった。(8)
肝 後 区 域 のDemarcation…lineに 沿 って、 頭 側 に 肝 切 離 を 進 め 標 本 ( 肝
S5+S6+S7)を 摘 出 した。 手 術 時 間 6 時 間 25 分 、 出 血 量 …102g、 合 併 症 な
く 術 後 14 病 日 退 院 した。 病 理 学 的 には 膀 胱 癌 肝 転 移 であった。
MVW7-4
グリソン 一 括 先 行 処 理 による 尾 状 葉 単 独 全 切 除 術
藤 田 保 健 衛 生 大 学 肝 臓 脾 臓 外 科
○… 香 川 幹 , 加 藤 悠 太 郎 , 竹 浦 千 夏 , 吉 田 淳 一 , 棚 橋 義 直 ,
所 隆 昌 , 杉 岡 篤
当 科 では1. 解 剖 学 的 切 除 、2. 肝 外 グリソン 先 行 処 理 、3.プリング
ルなし、4. 頭 尾 方 向 切 除 による 肝 静 脈 アプローチ、5.One-way 方 式 、
を 肝 切 除 の 基 本 指 針 としており、 尾 状 葉 切 除 の 場 合 もこれに 沿 った 手
技 を 用 いている。 右 側 の 肝 門 アプローチはまず「 胆 嚢 板 胆 摘 」を 起 点
として、 胆 嚢 板 とレネック 被 膜 との 間 を 剥 離 する。 胆 嚢 板 ごと 胆 嚢 を
下 方 向 に 牽 引 しながら、 肝 門 に 剥 離 を 進 めることによって 前 区 域 グリ
ソンが 確 保 できる。さらにこの 層 に 沿 って 鈍 的 に 剥 離 を 広 げることに
より 後 区 域 、S1c、 右 枝 のグリソンが 確 保 でき、 右 枝 全 体 からこれら
のグリソンを 引 き 算 するサブトラクション 法 により、S1rを 確 保 する
ことができる。 左 側 の 肝 門 アプローチは「アランチウス 板 」を 起 点 と
しUP 起 始 部 、 左 尾 状 葉 、 左 枝 が 確 保 でき、 左 枝 からのサブトラクショ
ン 法 によりS1lを 確 保 することができる。これらの 尾 状 葉 グリソンを
処 理 することにより 虚 血 域 が 出 現 し、 肝 切 除 は 左 、 中 肝 静 脈 共 通 管 根
部 からレネック 被 膜 を 肝 静 脈 に 残 す 層 で、 肝 静 脈 背 面 を 露 出 しながら、
末 梢 側 に 向 かって 肝 実 質 を 切 離 していく。 切 除 は 左 上 から 右 下 に 向 か
う 一 方 向 で 行 い、 右 肝 静 脈 も 中 枢 側 から 末 梢 側 に 向 かって 背 面 を 露 出
しながら 進 む。 最 後 は 尾 状 葉 を 左 から 右 に 引 き 出 し 後 区 域 との 間 を 切
離 し 尾 状 葉 単 独 全 切 除 を 完 了 する。 グリソン 一 括 先 行 処 理 による 尾
状 葉 単 独 全 切 除 術 は、 肝 門 側 からは 全 てのグリソンに、 肝 静 脈 側 から
は 三 主 幹 静 脈 にアプローチすることで、 理 論 的 かつ 過 不 足 のない 手 術
となる。
MVW7-5
術 前 門 脈 塞 栓 術 により 肝 右 三 区 域 切 除 術 を 施 行 し 得
た 肝 細 胞 癌 の1 例
小 田 原 市 立 病 院 外 科
○… 西 野 仁 惠 , 牧 野 裕 庸 , 亀 高 尚 , 鈴 木 崇 之 , 高 橋 誠 ,
高 木 諭 隆
【はじめに】 進 行 肝 細 胞 癌 に 対 しては,ガイドラインに 示 される 通 り,
外 科 的 切 除 が 唯 一 完 全 治 癒 を 期 待 できる 治 療 法 である. 経 門 脈 的 肝 内
転 移 を 念 頭 においた 系 統 的 肝 切 除 を 選 択 する 場 合 や 腫 瘍 局 在 によって
は, 拡 大 肝 切 除 を 必 要 とする 症 例 も 少 なくない.しかし, 安 全 な 肝 切
除 を 行 う 上 で 背 景 肝 の 肝 予 備 能 低 下 がしばしば 問 題 となる. 十 分 な 残
肝 予 備 能 を 確 保 したいが 残 肝 容 量 不 足 が 予 測 される 症 例 に, 術 前 門 脈
塞 栓 術 を 施 行 するのも 一 つの 戦 略 である. 今 回 我 々は, 術 前 門 脈 塞 栓
術 を 併 施 し, 安 全 に 肝 右 三 区 域 切 除 術 を 行 えた 肝 細 胞 癌 の1 例 を 経 験
したので 報 告 する.【 症 例 】79 歳 男 性 .C 型 肝 硬 変 にて 経 過 観 察 中 ,
肝 細 胞 癌 に 対 して 肝 動 脈 化 学 塞 栓 療 法 (TACE)の 治 療 歴 を 有 する. 今
回 , 肝 S4aに 径 30mm, 肝 S6に 径 12mmの 肝 細 胞 癌 が 新 たに 出 現 し,
CT 上 ,S4aの 腫 瘍 は 肝 門 部 に 突 出 し 門 脈 左 枝 に 接 していた. 肝 右 三 区
域 切 除 術 を 計 画 したが, 残 肝 率 41%,ICG15 分 値 39%にて 残 肝 予 備 能
不 足 と 判 断 し, 術 前 に 経 回 結 腸 静 脈 門 脈 塞 栓 術 (TIPE)を 施 行 .TIPE
施 行 5 週 後 , 残 肝 率 は52%まで 増 加 し, 予 定 通 り 手 術 を 施 行 した.【 手
術 】 肝 右 葉 を 脱 転 し, 右 肝 静 脈 を 確 保 . 肝 門 部 脈 管 は 解 剖 学 的 破 格 な
く, 右 肝 動 脈 , 中 肝 動 脈 , 右 肝 管 , 門 脈 右 枝 の 順 にskeltonizationし
切 離 . 肝 S4aの 腫 瘍 と 門 脈 左 枝 の 間 は 剥 離 可 能 であった. 門 脈 臍 部 右
縁 にてS4のグリソンを 切 離 するとdemarcation…lineが 出 現 . 術 中 胆 道
造 影 にて 胆 管 の 走 行 を 確 認 した 後 ,CUSAを 用 いて 肝 実 質 離 断 を 開 始 ,
血 流 遮 断 は 行 わず 定 型 的 肝 切 除 を 終 えた.【 結 果 】 手 術 時 間 6 時 間 35 分 ,
出 血 量 1140ml. 術 後 胆 汁 瘻 を 発 症 するも 保 存 的 に 軽 快 し, 術 後 在 院
日 数 は32 日 であった. 病 理 組 織 学 的 診 断 は, 肝 細 胞 癌 , 単 純 結 節 型 ,
pT3,pN0,…pM0,…fStageIII, 治 癒 度 Bであった. 術 後 4か 月 経 過 し 無 再 発
生 存 中 である.【まとめ】 本 症 例 では, 肝 細 胞 癌 が 肝 門 部 脈 管 に 近 い
腫 瘍 局 在 であったため, 肝 右 三 区 域 切 除 術 を 選 択 した. 術 前 門 脈 塞 栓
術 を 併 施 することで,より 安 全 性 の 高 い 肝 切 除 が 施 行 し 得 たと 考 えら
れた.
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