タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P34-3 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 を 繰 り 返 し 発 症 した 膵 頭 部 動 静 脈 奇 形
の1 例
九 州 労 災 病 院 外 科
○… 西 岡 泰 信 , 中 島 洋 , 福 山 時 彦 , 佐 伯 潔 , 森 田 圭 介 ,
鬼 塚 幸 治 , 北 原 光 太 郎 , 中 村 賢 二 , 八 谷 泰 孝 , 平 野 豊
症 例 は42 歳 男 性 で、 主 訴 は 心 窩 部 痛 。 特 記 すべき 既 往 はなく、 飲 酒 歴
は 機 会 飲 酒 。2~3 年 前 に 心 窩 部 痛 があり 近 医 を 受 診 し 多 発 性 の 胃 十 二
指 腸 潰 瘍 の 診 断 で、 抗 潰 瘍 薬 の 投 与 を 受 けたが 改 善 がなく、 以 後 当 院
の 救 急 外 来 を 受 診 し 消 化 性 潰 瘍 の 診 断 で 投 薬 を 受 けていたが 改 善 がな
かった。 平 成 22 年 12 月 に 当 院 内 科 で 精 査 を 受 け、CTスキャンで 右 胃
大 網 動 脈 や 前 ・ 後 上 膵 十 二 指 腸 動 脈 から 上 腸 間 膜 静 脈 へ 流 入 する 拡 張
蛇 行 した 脈 管 がみられ 膵 頭 部 AVMの 診 断 で、このために 仮 性 嚢 胞 を
合 併 した 膵 炎 により 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 を 繰 り 返 していたものと 考 えられ
た。 退 院 後 も 心 窩 部 痛 が 増 強 し 緊 急 入 院 し、 膵 頭 部 の 仮 性 嚢 胞 の 増 大
があり、 疼 痛 コントロールに 難 渋 したため 炎 症 の 軽 減 を 待 って 手 術 を
施 行 した。 手 術 は 十 二 指 腸 球 部 ・ 膵 頭 部 周 囲 は 炎 症 性 変 化 と 拡 張 した
脈 管 のため、 剥 離 と 止 血 に 難 渋 するも 門 脈 は 温 存 して 亜 全 胃 温 存 膵 頭
十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 しえた。 膵 AVMは 血 管 塞 栓 術 や 結 紮 術 などの
膵 を 温 存 する 治 療 法 も 報 告 されているが、 切 除 術 が 根 治 的 で 有 効 とさ
れ 今 回 は 切 除 術 を 選 択 した。 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 を 繰 り 返 し 発 症 した 膵 頭
部 動 静 脈 奇 形 (AVM)の1 例 を 経 験 したので 文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告
する。
P34-4 十 二 指 腸 動 静 脈 奇 形 による 十 二 指 腸 出 血 に 対 し 亜 全 胃
温 存 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 を 施 行 した1 例
新 潟 県 立 中 央 病 院 外 科
○… 鈴 木 晋 , 青 野 高 志 , 金 子 和 弘 , 丸 山 智 宏
消 化 管 動 静 脈 奇 形 は 消 化 管 出 血 の 原 因 として 欧 米 では 多 数 の 報 告 が
みられるが 本 邦 ではその 例 は 少 なく、なかでも、 十 二 指 腸 動 静 脈 奇 形
は 極 めてまれである。 今 回 我 々は、 十 二 指 腸 出 血 を 引 き 起 こし、 緊 急
手 術 で 亜 全 胃 温 存 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 を 施 行 した 十 二 指 腸 動 静 脈 奇 形 の
1 例 を 経 験 したので 報 告 する。 症 例 は50 歳 、 女 性 。2010 年 10 月 に 検
診 で 鉄 欠 乏 性 貧 血 を 指 摘 され 精 査 施 行 。CTで、 胃 十 二 指 腸 動 脈 瘤 、
十 二 指 腸 動 静 脈 奇 形 指 摘 されたが、 無 症 状 のため 経 過 観 察 されていた。
2011 年 10 月 に 血 便 を 主 訴 に 当 院 内 科 入 院 。 上 部 消 化 管 内 視 鏡 にて 十 二
指 腸 下 行 脚 に 出 血 を 伴 う 露 出 血 管 あり、 凝 固 止 血 した。 血 管 造 影 では
前 上 膵 十 二 指 腸 動 脈 および 分 枝 に 拡 張 あり、 十 二 指 腸 下 行 脚 が 濃 染 さ
れ、 早 期 から 門 脈 が 描 出 された。また、 胃 十 二 指 腸 動 脈 に 動 脈 瘤 認 め
られた。 治 療 として 前 上 膵 十 二 指 腸 動 脈 の 分 枝 をコイルで 塞 栓 した。
塞 栓 治 療 1 週 間 後 、 十 二 指 腸 下 行 脚 の 前 回 と 同 じ 部 位 から 再 出 血 あり、
止 血 不 能 にて 外 科 紹 介 。 緊 急 で 亜 全 胃 温 存 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 施 行 し
た。 手 術 所 見 では 十 二 指 腸 下 行 脚 付 近 の 後 腹 膜 に 血 腫 を 認 めたが、そ
の 他 異 常 所 見 認 めなかった。 手 術 時 間 310 分 、 出 血 量 500mlであった。
術 後 経 過 は 良 好 で 術 後 21 病 日 に 退 院 した。 病 理 所 見 では 十 二 指 腸 下 行
脚 を 中 心 に 動 静 脈 の 増 生 、 拡 張 が 認 められ、これらの 変 化 は 十 二 指 腸
出 血 部 まで 連 続 していた。 本 疾 患 では、 流 入 血 管 が 多 岐 におよび 側
副 血 行 路 が 発 達 していることから 動 脈 塞 栓 で 根 治 を 得 ることが 難 しく、
根 治 には 外 科 的 切 除 が 必 要 であると 考 えられた。
P34-5 十 二 指 腸 GISTに 対 する 手 術 治 療 成 績 の 検 討
1
慶 應 義 塾 大 学 医 学 部 外 科 、 2 川 崎 市 立 川 崎 病 院 外 科
○… 藤 崎 洋 人 1
, 北 郷 実 1
, 相 浦 浩 一 2
, 田 邉 稔 1
, 河 地 茂 行 1
,
板 野 理 1
, 篠 田 昌 宏 1
, 八 木 洋 1 1
, 北 川 雄 光
【 目 的 】 十 二 指 腸 GISTは 比 較 的 稀 な 疾 患 であるため, 当 院 での 手 術
治 療 成 績 を 報 告 する.【 対 象 】2001 年 11 月 から2011 年 10 月 までに 当 院
で 切 除 した 十 二 指 腸 GISTの6 症 例 .【 結 果 】 年 齢 中 央 値 は60.0 歳 (50-77
歳 )で, 男 性 3 例 , 女 性 3 例 . 術 前 に 内 視 鏡 下 生 検 で 確 定 診 断 し 得 たの
は2 例 で, 術 式 は 十 二 指 腸 部 分 切 除 が4 例 , 幽 門 側 胃 切 除 が1 例 , 幽 門
輪 温 存 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 (PpPD)が1 例 であった.6 例 中 の1 例 は 同 時
性 肝 転 移 を 認 めた 症 例 であり, 十 二 指 腸 部 分 切 除 および 肝 部 分 切 除 を
施 行 した. 原 発 腫 瘍 は 下 十 二 指 腸 角 に3cm 大 であったが, 病 理 で 核 分
裂 像 数 が…15/50…HPFであり 高 リスクに 分 類 された. 術 後 にグリベッ
クを 開 始 したが, 術 後 17ヶ 月 で 肝 転 移 再 発 を 認 めた.その 後 もグリベッ
クを 継 続 し, 術 後 120ヶ 月 間 無 増 悪 生 存 中 である. 腫 瘍 径 が6cmで 高
リスクに 分 類 された1 例 は, 術 後 18ヶ 月 で 肝 転 移 再 発 を 認 めた. 再 発
が 確 認 された 時 点 でグリベックを 開 始 し, 腫 瘍 は 増 大 傾 向 にあるもの
の 術 後 31ヶ 月 生 存 中 である. 腫 瘍 径 が14cmで 高 リスクに 分 類 された1
例 は, 結 腸 間 膜 および 門 脈 に 浸 潤 しており, 幽 門 輪 温 存 膵 頭 十 二 指 腸
切 除 (PpPD)および 結 腸 右 半 切 除 、 門 脈 楔 状 切 除 を 施 行 した. 本 症 例
は 病 理 で1 個 にリンパ 節 転 移 (No.13a)を 認 めた. 術 後 補 助 化 学 療 法 と
してグリベックを 内 服 し, 術 後 3ヶ 月 間 無 再 発 生 存 中 である.その 他
の3 例 は, 腫 瘍 径 が5cm 以 下 で 核 分 裂 像 数 も 少 なく 低 リスクに 分 類 され,
それぞれ79ヶ 月 ,73ヶ 月 ,60ヶ 月 と 無 再 発 生 存 中 である.【まとめ】6
症 例 中 3 例 が 病 理 で 高 リスクに 分 類 された.そのうち2 例 は 術 後 肝 転 移
再 発 を 認 め,1 例 はリンパ 節 転 移 を 認 めた. 高 リスクの 術 後 補 助 化 学
療 法 として2 例 に, 肝 転 移 再 発 に 対 して1 例 にグリベックが 投 与 され,
6 例 全 例 生 存 中 である.
P34-6 大 腸 癌 十 二 指 腸 転 移 の 一 切 除 例
旭 川 医 科 大 学 外 科 学 講 座 消 化 器 病 態 外 科 学 分 野
○… 今 井 浩 二 , 唐 崎 秀 則 , 渡 邉 賢 二 , 永 生 高 広 , 谷 口 雅 彦 ,
河 野 透 , 古 川 博 之
症 例 は70 代 男 性 。2007 年 4 月 に 当 科 で 上 行 結 腸 癌 と 早 期 胃 癌 に 対 し 右
半 結 腸 切 除 D3と 胃 部 分 切 除 を 施 行 。 病 理 は 上 行 結 腸 癌 がmod.…pSS…
ly1…v1…pN2(#211…4/8)…pStageIIIb、 胃 癌 がwell…T1(M)…ly0…v0…
pStageIAであった。 術 後 補 助 化 学 療 法 としてFOLFIRI…8コース 施 行
した 後 、 近 医 で 経 過 観 察 されていた。2009 年 より 徐 々にCEAが 上 昇 し、
全 身 検 索 を 行 ったが 明 らかな 転 移 再 発 を 認 めず、2010 年 になっても
CEAの 上 昇 は 続 いたため、 近 医 で7 月 よりS-1による 化 学 療 法 を 行 って
いた。2011 年 8 月 上 腹 部 痛 、 黒 色 便 を 認 め 近 医 受 診 、 上 部 消 化 管 内
視 鏡 検 査 にて 十 二 指 腸 下 行 脚 、 乳 頭 部 対 側 に2 型 腫 瘍 を 認 めたため、9
月 原 発 性 十 二 指 腸 癌 疑 いの 診 断 で 手 術 目 的 に 当 科 紹 介 となった。 術
前 のCT、MRIで 腫 瘍 は 肝 S6に 直 接 浸 潤 しており、 結 腸 癌 肝 転 移 の
十 二 指 腸 浸 潤 の 可 能 性 も 考 えられたが、 他 の 非 切 除 因 子 はなくR0 手
術 が 可 能 と 考 えられ、 手 術 適 応 とした。2011 年 10 月 幽 門 輪 温 存 膵 頭
十 二 指 腸 切 除 術 (PPPD-IIA-1) 施 行 。 術 後 結 果 は 良 好 で、 合 併 症 無 く
術 後 第 12 日 に 退 院 した。 病 理 検 査 結 果 では 腫 瘍 は 中 分 化 型 腺 癌 で、 粘
膜 面 に 潰 瘍 を 形 成 しているが 潰 瘍 周 辺 は 正 常 十 二 指 腸 粘 膜 で 覆 われた
粘 膜 下 腫 瘍 の 形 態 をとっており、 既 往 の 大 腸 癌 と 腫 瘍 形 態 が 酷 似 して
いた。また、ケラチンプロファイルや 他 の 免 疫 染 色 の 結 果 も 既 往 の 大
腸 癌 と 同 一 で、 上 行 結 腸 癌 の 転 移 が 第 一 に 考 えられた。 転 移 経 路 とし
ては、 既 往 の 大 腸 癌 は 腫 瘍 自 体 の 進 達 度 はSSであったが、リンパ 節
#211に 転 移 を 認 め、リンパ 節 の 外 にまで 広 がって 腫 瘍 増 殖 、 結 節 形
成 がみられているため、 播 種 による 局 所 再 発 が 十 二 指 腸 と 肝 臓 に 接 し
て 結 節 を 形 成 して 浸 潤 したと 考 えられた。 大 腸 癌 の 転 移 臓 器 は 肝 、 肺 、
リンパ 節 等 が 多 く、 消 化 管 への 転 移 は 少 ない。なかでも 大 腸 癌 の 十 二
指 腸 転 移 の 報 告 はさらに 稀 であり 報 告 する。
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