タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P95-6 退 形 成 性 膵 癌 の1 切 除 例
1
盛 岡 市 立 病 院 外 科 、 2 岩 手 医 科 大 学 外 科
1,2
○… 藤 田 倫 寛 , 須 藤 隆 之 1 1,2 1,2
, 武 田 大 樹 , 石 橋 正 久 ,
1,2
梅 邑 晃 , 真 壁 健 二 2
, 長 谷 川 康 2
, 伊 藤 直 子 2
, 高 原 武 志 2
,
高 橋 正 浩 2
, 新 田 浩 幸 2 2
, 若 林 剛
退 形 成 性 膵 癌 は 従 来 未 分 化 癌 とされていたもので、 非 常 にまれな 腫 瘍
であり 本 邦 では 膵 癌 全 体 の0.5-1.0%とされる。 今 回 、 膵 頭 部 退 形 成 性
膵 癌 の1 切 除 例 を 経 験 したので 若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 え 報 告 する。 症
例 は82 歳 、 男 性 。 約 1 年 前 から 労 作 時 の 息 切 れを 自 覚 し、 当 院 呼 吸 器
科 を 受 診 した。 貧 血 と 閉 塞 性 黄 疸 を 認 め 消 化 器 内 科 にて 精 査 を 施 行 し
たところ、 腹 部 造 影 CT 検 査 において 動 脈 相 で 不 均 一 に 造 影 され 十 二
指 腸 に 浸 潤 する 巨 大 な 腫 瘍 を 認 め、 上 部 消 化 管 内 視 鏡 検 査 で 十 二 指 腸
内 腔 に 浸 潤 する 病 変 を 認 めた。 十 二 指 腸 病 変 の 生 検 で、 高 分 化 型 管 状
腺 癌 (tub1)にVimentin…(+)…の 間 葉 系 異 型 細 胞 の 混 在 を 認 め、 膵 頭 部
退 形 成 性 膵 癌 の 診 断 で 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 した。 腫 瘍 は10x12…
cm…、 病 理 組 織 診 断 は、pleomorphic…type,…spidle…cell…type,…giant…cell…
typeの 混 在 した 腫 瘍 で、その 一 部 に 腺 癌 構 造 が 見 られた。 免 疫 組 織 染
色 ではVimentin…(3+),…EMA…(3+),…Cytokeratin…7…(2+),…Cytokeratin…
AE1AE3…(2+),…CA19-9…(3+),…E-cadherin…(+),…α1-antitrypsin…(+)で
退 形 成 性 膵 癌 の 診 断 であった。 術 後 経 過 は 順 調 に 経 口 摂 取 を 開 始 して
いたが、 第 12 病 日 に 脳 梗 塞 を 発 症 し 永 眠 された。
P95-7 免 疫 組 織 染 色 にて 確 定 診 断 された 膵 腺 房 細 胞 癌 症 例 の
検 討
国 保 君 津 中 央 病 院 外 科
○… 外 川 明 , 海 保 隆 , 新 村 兼 康 , 小 林 壮 一 , 柳 澤 真 司 ,
岡 本 亮 , 西 村 真 樹 , 土 屋 俊 一
【 著 言 】 膵 腺 房 細 胞 癌 は 膵 癌 の1~2%を 占 める 比 較 的 希 な 疾 患 。【 症
例 1】34 歳 女 性 。 健 診 超 音 波 検 査 で 膵 体 部 腫 瘤 指 摘 。CT: 膵 体 部 腫 瘍
の 境 界 比 較 的 明 暸 で 造 影 剤 では 濃 染 せず。ERCP: 主 膵 管 狭 窄 。 血 管
造 影 : 脾 静 脈 への 浸 潤 を 疑 い 膵 体 部 癌 と 診 断 。< 手 術 > 膵 体 尾 部 脾 合
併 切 除 術 。< 摘 出 標 本 > 腫 瘍 は 黄 白 色 充 実 性 20X20X18…mm。 境 界 比
較 的 明 暸 。< 病 理 >TS1 結 節 型 Stage…I 免 疫 組 織 染 色 :α-anti-trypsin…
(+)、 α-anti-chymotrypsin…(+)、CD58…(+)、CAM… 5.2…(+)、
synaptophysin…(+/-)。nonfunctioning…islet…cell…tumorの 性 質 を 有 し
た 膵 腺 房 細 胞 癌 。5 年 9カ 月 、 無 再 発 生 存 。【 症 例 2】27 歳 女 性 。 不 定 愁
訴 検 査 で 膵 尾 部 に 腫 瘍 指 摘 。CT: 膵 尾 部 に 石 灰 化 を 伴 う 腫 瘍 指 摘 、
粘 液 性 嚢 胞 腫 瘍 疑 い。 膵 体 尾 部 脾 合 併 切 除 術 。< 摘 出 標 本 > 石 灰 化 を
伴 う 線 維 性 被 膜 で 囲 まれ、 中 心 部 は 壊 死 を 来 たした 腫 瘍 、
65X60X30mm。 < 病 理 >TS4 結 節 型 T2N0M0…StageII、 α-antichymotrypsin…(+)、synaptophysin…(+/-)。5
年 、 無 再 発 生 存 。【 症 例 3】
76 歳 男 性 。 糖 尿 病 精 査 中 膵 体 部 に 腫 瘍 指 摘 。CT: 膵 体 部 18mm 腫 瘍 。
超 音 波 内 視 鏡 下 生 検 施 行 。 α-anti-chymotrypsin…(+)、acinar…cell…
carcinoma。 膵 体 尾 部 脾 合 併 切 除 術 。< 摘 出 標 本 >17X17X17mm。<
病 理 >TS1、 結 節 型 、T1N0M0…Stage…I、α-anti-chymotrypsin…(+)。
8カ 月 、 無 再 発 生 存 。【 考 察 】 症 例 1と2はいずも 術 前 診 断 では 確 定 に 至
らず、 術 後 免 疫 組 織 染 色 にて 膵 腺 房 細 胞 癌 と 診 断 。 症 例 3では 術 前 生
検 にて 確 定 診 断 された。 画 像 検 査 では 特 徴 的 所 見 なく 確 定 診 断 には 免
疫 組 織 染 色 が 必 要 不 可 欠 。 近 年 超 音 波 内 視 鏡 下 生 検 により 膵 腫 瘍 も 確
定 診 断 が 得 られる 例 も 増 加 。 膵 腺 房 細 胞 癌 も 念 頭 に 置 き 免 疫 組 織 染 色
が 必 要 。 術 後 補 助 化 学 療 法 施 行 せず 無 再 発 生 存 。【 結 語 】 疫 組 織 染 色
にて 膵 腺 房 細 胞 癌 と 診 断 された3 例 を 報 告 。
P95-8 多 彩 な 組 織 像 を 呈 した 膵 癌 の1 例
1
聖 マリアンナ 医 科 大 学 消 化 器 ・ 一 般 外 科 、 2 聖 マリアンナ 医 科
大 学 臨 床 病 理 学 教 室
○… 吉 田 有 徳 1
, 小 林 慎 二 郎 1
, 上 原 悠 也 1
, 三 浦 和 裕 1
,
片 山 真 史 1
, 櫻 井 丈 1
, 小 泉 哲 1
, 朝 倉 武 士 1
, 有 泉 泰 2
,
高 木 正 之 2 1
, 大 坪 毅 人
【 緒 言 】 退 形 成 性 膵 管 癌 の 発 生 頻 度 は 膵 癌 中 約 0.16%と 稀 な 腫 瘍 であり、
予 後 が 不 良 な 膵 癌 とされている。 今 回 我 々は 同 一 腫 瘍 内 に 多 彩 な 組 織
型 の 異 型 細 胞 像 有 し、 急 速 に 進 行 した 膵 癌 の1 例 を 経 験 した。【 症 例 】
62 歳 の 男 性 。 検 診 で 膵 尾 部 に25mm 大 の 腫 瘍 性 病 変 が 認 められ 精 査 加
療 目 的 で 当 院 に 紹 介 となった。 血 液 検 査 では 異 常 値 は 認 めなかった。
また 腫 瘍 マーカーはCA19-9が47.2と 上 昇 していた。 当 院 でのCT 検 査
所 見 は 膵 尾 部 に 均 一 な 低 吸 収 な 腫 瘍 で、 径 が 約 40mm 大 に 増 大 してい
た。MRI 検 査 のダイナミック 造 影 において 乏 血 性 腫 瘤 で、 拡 散 強 調 像
でリング 状 に 強 い 高 信 号 を 呈 していた。FDG-PETでは 同 腫 瘍 の
SUVmaxは 早 期 23.0、 遅 延 像 で31.5と 強 い 集 積 を 認 めた。 以 上 から 膵
尾 部 癌 と 診 断 、 明 らかな 遠 隔 臓 器 およびリンパ 節 転 移 は 認 めなかった
ので 手 術 適 応 と 判 断 し、 膵 体 尾 部 切 除 を 施 行 した。 手 術 所 見 で 胃 後 面
のごく 一 部 に 浸 潤 が 疑 われたので 胃 を 一 部 合 併 切 除 した。 病 理 組 織 学
的 検 査 で 低 分 化 な 管 状 腺 癌 が 主 体 であったが, 多 形 な 退 形 成 性 膵 管 癌
と、 扁 平 上 皮 癌 様 成 分 が 混 在 していた。 最 終 診 断 は 退 形 成 性 膵 管 癌 ;
pT3N1M0…pStageIIIと 診 断 した。 術 後 3カ 月 のCT 検 査 にて 多 発 肝 転 移
と 肺 転 移 が 出 現 した。 化 学 療 法 の 方 針 となり、ジェムザールを 施 行 し
た。しかし 転 移 性 肝 癌 および 門 脈 腫 瘍 栓 に 伴 う 肝 不 全 が 進 行 したため
化 学 療 法 は 中 止 となった。その 後 緩 和 治 療 となったが、 術 後 4カ 月 後
に 死 亡 した。【 考 察 ・ 結 語 】 扁 平 上 皮 癌 、 退 形 成 性 膵 管 癌 ともに 上 皮
性 由 来 ( 腺 癌 からの 分 化 )が 発 生 機 序 として 考 えられている。 本 症 例 は
管 状 腺 癌 、 扁 平 上 皮 癌 様 成 分 、 退 形 成 性 膵 管 癌 の3つの 組 織 型 が 混 在
した 稀 な 症 例 であり 特 殊 型 膵 癌 の 発 生 過 程 を 考 察 し 得 る 貴 重 な 症 例 と
考 えられた。
P95-9 周 囲 臓 器 および 皮 下 組 織 に 浸 潤 した 膵 癌 に 対 し 根 治 切
除 が 可 能 であった1 例
関 西 電 力 病 院 外 科
○… 江 嵜 秀 和 , 粟 根 雅 章 , 滝 吉 郎 , 今 村 正 之
症 例 は70 歳 代 男 性 で、 主 訴 は 心 窩 部 痛 。40 歳 代 に 胃 癌 で 幽 門 側 胃 切 除
を 施 行 。2 年 前 、 腹 部 超 音 波 検 査 で 膵 体 部 ~ 尾 部 に 直 径 約 4.5mmの 膵
管 拡 張 像 を 指 摘 された。ERCPで 同 部 に 主 膵 管 の 不 整 狭 窄 像 を 認 めた
が、CTやMRIでは 腫 瘤 像 は 明 らかではなかった。 膵 癌 疑 いの 診 断 の
もとに 開 腹 したが、 術 中 超 音 波 検 査 や 触 診 では 腫 瘤 はなく、 膵 生 検 を
施 行 するも 悪 性 所 見 を 得 られず 閉 腹 。その 後 は 経 過 観 察 を 予 定 してい
たが 来 院 されず。 今 回 、 心 窩 部 痛 を 主 訴 に 来 院 。CTで 膵 体 部 から 胃
十 二 指 腸 吻 合 部 、 横 行 結 腸 、 肝 下 面 、 腹 壁 に 達 する 直 径 約 4cmの 腫 瘍
を 認 め、 皮 下 腫 瘍 生 検 結 果 は 中 分 化 管 状 腺 癌 。 局 所 進 行 膵 癌 と 診 断 し、
非 切 除 因 子 を 認 めなかったため、 膵 体 尾 部 切 除 術 、 胃 亜 全 摘 術 、 横 行
結 腸 部 分 切 除 術 、 肝 部 分 切 除 術 、 腹 壁 合 併 切 除 術 を 施 行 した。 腹 腔 洗
浄 細 胞 診 では 悪 性 所 見 を 認 めず。 腸 管 の 再 建 はRoux-Y 法 で 行 い、 腹
壁 欠 損 部 の 再 建 は 前 外 側 大 腿 筋 膜 遊 離 皮 弁 術 を 施 行 した。 病 理 所 見 で
は、 高 分 化 型 腺 癌 が 直 径 36mmの 腫 瘤 を 形 成 し、 腹 壁 の 皮 下 組 織 、 腹 筋 、
肝 組 織 、 膵 組 織 、 十 二 指 腸 壁 に 浸 潤 していたが 断 端 陰 性 でリンパ 節 転
移 も 認 めず。 構 造 破 壊 のため 膵 組 織 由 来 との 確 証 は 得 られなかったが、
状 況 より 膵 癌 と 診 断 した。 前 回 手 術 時 の 微 小 病 変 が 増 大 、 進 展 した 可
能 性 が 高 いが、 再 発 した 膵 癌 が 根 治 的 に 切 除 されることは 極 めて 稀 で
ある。 周 囲 臓 器 だけでなく、 腹 筋 や 皮 下 組 織 にまで 直 接 浸 潤 した 膵 癌
の 根 治 切 除 を 施 行 し、 遊 離 皮 弁 術 による 腹 壁 再 建 が 可 能 であった 興 味
ある1 例 を 経 験 したので、 若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 え 報 告 する。
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