タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P27-7 幽 門 輪 温 存 脾 温 存 膵 全 摘 術 (PPSPTP)を 施 行 した
IPMN 症 例 の 検 討
富 山 大 学 消 化 器 腫 瘍 総 合 外 科
○… 吉 岡 伊 作 , 澤 田 成 朗 , 松 井 恒 志 , 関 根 慎 一 , 橋 本 伊 佐 也 ,
渡 辺 智 子 , 北 條 荘 三 , 堀 亮 太 , 奥 村 知 之 , 吉 田 徹 ,
長 田 拓 哉 , 島 田 裕 , 塚 田 一 博
膵 全 摘 術 は 膵 内 外 分 泌 機 能 が 著 しく 低 下 することからその 適 応 は 慎 重
に 判 断 すべきと 考 えられるが 多 発 性 の 分 枝 型 IPMNや 主 膵 管 型 IPMN
では 膵 全 摘 術 が 余 儀 なくされる 症 例 が 存 在 する。これまでに 当 科 で 幽
門 輪 温 存 脾 温 存 膵 全 摘 術 (PPSPTP)を 施 行 したIPMN 症 例 3 例 を 経 験
した。< 症 例 1>75 歳 、 女 性 。 直 腸 癌 術 後 の 経 過 観 察 中 に 多 房 性 に 膵
嚢 胞 性 病 変 が 出 現 、IPMNとして 経 過 観 察 していたが 増 大 傾 向 を 示 し
膵 全 体 に 嚢 胞 性 病 変 が 多 発 。 分 枝 型 IPMNの 診 断 で 手 術 施 行 。 主 病 変
切 除 のために 幽 門 輪 温 存 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 を 施 行 するも 断 端 陰 性 が 得
られずPPSPTPを 施 行 。 病 理 では 主 膵 管 型 のIPMAの 診 断 。 術 後 経 過
は 合 併 症 なく 経 過 し46 病 日 退 院 。 退 院 時 の 投 与 インスリンは 速 効 型 イ
ンスリンを 毎 食 前 に5-5-5 単 位 、 持 効 型 インスリン7 単 位 でコントロー
ル。 術 後 2 年 10カ 月 経 過 し 外 来 通 院 中 。< 症 例 2>83 歳 、 男 性 。 下 腹 部
痛 に 対 し 各 種 検 査 中 にCTで 膵 嚢 胞 性 病 変 を 指 摘 。 精 査 にて 多 発 性 の
分 枝 型 IPMNの 診 断 で 手 術 施 行 、 主 病 変 切 除 のために 幽 門 輪 温 存 膵 頭
十 二 指 腸 切 除 施 行 するも 断 端 陰 性 が 得 られずPPSPTP 施 行 。 病 理 では
多 発 性 の 分 枝 型 IPMC、invasive。 術 後 合 併 症 なく 経 過 し60 病 日 退 院 。
退 院 時 の 投 与 インスリンは 速 効 型 インスリンを 毎 食 前 に6-6-6 単 位 、 持
効 型 インスリン8 単 位 でコントロール。 術 後 3カ 月 経 過 し 外 来 通 院 中 。
< 症 例 3>75 歳 、 男 性 。 糖 尿 病 で 他 院 通 院 中 に 血 糖 コントロール 不 良
となりCTで 膵 腫 瘍 を 指 摘 され 当 科 紹 介 。 膵 頭 部 に3cm 大 結 節 を 伴 う
主 膵 管 型 IPMNの 診 断 でPSPTP 施 行 。 病 理 では 膵 頭 部 に 浸 潤 性 膵 管 癌
を 伴 う 混 合 型 IPMNの 診 断 。 術 後 経 過 は 大 きな 合 併 症 なく 経 過 し45 病
日 退 院 。 退 院 時 の 投 与 インスリンは 速 効 型 インスリンを 毎 食 前 に8-6-6
単 位 、 持 効 型 インスリン6 単 位 でコントロール。< 結 語 > 当 科 で 経 験
したPPSPTP 症 例 は 全 例 胃 排 泄 遅 延 なく 経 口 摂 取 良 好 、 食 事 量 が 安 定
するため 血 糖 コントロールは 概 ね 良 好 であり、 低 血 糖 発 作 も 非 常 に 少
ない。また 膵 外 分 泌 能 低 下 に 対 しても 消 化 剤 内 服 により 栄 養 状 態 は 良
好 に 保 たれた。PPSPTPは 有 用 な 術 式 と 考 えられた。
P27-8 術 前 画 像 で 分 枝 膵 管 との 交 通 を 認 めた 膵 MCNの1 切 除
例
1
医 療 法 人 清 田 病 院 外 科 、 2 琴 似 ロイヤル 病 院 外 科 、 3 北 海 道
大 学 消 化 器 外 科 II、 4 手 稲 渓 仁 会 病 院 外 科 、 5 手 稲 渓 仁 会 病
院 病 理
○… 矢 野 智 之 1
, 山 田 秀 久 1
, 鈴 木 温 2
, 宮 本 正 樹 3
, 安 保 義 恭 4
,
5
篠 原 敏 也
膵 mucinous…cystic…neoplasm…( 以 降 MCN)は 欧 米 では 膵 管 との 交 通 が
みられないとされ, 本 邦 でも 術 前 に 膵 管 との 交 通 が 明 らかになる 症 例
は 少 ない. 今 回 , 術 前 に 分 枝 膵 管 との 交 通 が 明 らかになった 膵 MCN
に 対 して 腹 腔 鏡 下 膵 体 尾 部 切 除 を 施 行 した1 症 例 を 経 験 したので 報 告
する. 症 例 は26 歳 , 女 性 .1 年 以 上 前 から 時 々 腹 痛 を 訴 えていた.
2011.…10 月 に 上 腹 部 痛 を 主 訴 に 当 院 受 診 し 精 査 目 的 に 入 院 . 血 液 , 生
化 学 的 所 見 では 異 常 を 認 めず.CTでは 膵 体 尾 部 に 約 3cm 大 の 嚢 胞 性
病 変 を 認 め, 被 膜 を 有 し, 内 腔 に 一 部 隔 壁 を 認 めた. 脾 静 脈 と 接 して
いたが 他 臓 器 への 浸 潤 は 認 めなかった.…MRCPでは 嚢 胞 は 隔 壁 を 有
したが 主 膵 管 との 交 通 は 指 摘 できなかった.ERPでは 主 膵 管 の 拡 張 は
なく, 分 枝 膵 管 との 交 通 を 有 する 嚢 胞 性 病 変 が 造 影 された. 乳 頭 の 開
大 は 認 めなかった.EUSでは 膵 体 尾 部 に 被 膜 を 有 し, 境 界 は 比 較 的 明
瞭 で 内 部 にやや 厚 い 隔 壁 を 有 する 多 房 性 の 嚢 胞 性 病 変 を 認 めcyst…in…
cystで 内 腔 に 向 かって 凸 な 病 変 でありMCNの 術 前 診 断 で 腹 腔 鏡 補 助
下 脾 合 併 膵 体 尾 部 切 除 術 を 施 行 した. 腹 水 , 播 種 はなく, 腫 瘍 は 球 形
で 被 膜 を 有 していた. 脾 静 脈 を 圧 排 していたが 浸 潤 を 認 めなかった.
術 中 超 音 波 検 査 では 腫 瘍 は 多 房 性 で 比 較 的 厚 めの 隔 壁 を 有 していた.
標 本 造 影 では 主 膵 管 の 分 枝 の 一 部 から 嚢 胞 が 低 圧 でも 容 易 に 造 影 され
た. 術 後 経 過 は 良 好 で 第 10 病 日 に 退 院 した. 病 理 組 織 学 的 検 討 では,
膵 体 尾 部 には 厚 い 線 維 性 被 膜 を 有 する 球 形 の 多 房 性 病 変 を 認 め, 組 織
学 的 には 被 覆 上 皮 は 軽 度 異 型 , 一 部 中 等 度 異 型 を 示 す 粘 液 性 高 円 柱 上
皮 でER(+),PgR(+), αSMA(+)の 卵 巣 様 間 質 を 有 しP53 陰 性 ,
Ki67……labeling…indexは 低 値 でmucinous…cystadenoma…with…mild…to…
moderate…atypiaの 診 断 であった.
P27-9 FDG-PET/CTで 術 前 にmucinous
cystadenocarcinomaと 診 断 可 能 であった 一 切 除 例
埼 玉 医 科 大 学
○… 徳 永 裕 貴 , 上 野 陽 介 , 渡 邊 幸 博 , 岡 田 克 也 , 合 川 公 康 ,
利 光 靖 子 , 岡 本 光 順 , 宮 澤 光 男 , 小 山 勇
症 例 は59 歳 女 性 。 初 診 約 10 年 前 から 人 間 ドックで 膵 異 常 を 指 摘 されて
いたが、 症 状 がないため 放 置 していた。 初 診 2カ 月 前 から 腹 部 腫 瘤 を
触 知 、 自 覚 するようになり 近 医 を 受 診 した。 腹 腔 内 腫 瘍 疑 い 当 院 紹 介
受 診 となった。 初 診 時 、 左 上 腹 部 に 弾 性 軟 の 腫 瘤 を 触 知 したが、 自 発
痛 や 圧 痛 はなかった。 腹 部 CTで 膵 体 部 から 左 側 腹 壁 にかけて 約 9cm
大 の 嚢 胞 性 腫 瘍 病 変 を 認 めた。 腫 瘍 の 内 部 は 大 部 分 が 低 吸 収 で 造 影 効
果 がなく、 腫 瘍 背 側 に 動 脈 相 で 濃 染 する 辺 縁 不 正 な 部 位 があり、 被 膜
と 隔 壁 に 石 灰 化 を 認 めた。MRCPでは 主 膵 管 は 抹 消 まで 保 たれており、
腫 瘤 との 連 続 性 は 認 めなかった。FDG-PET/CTでは 腫 瘍 後 壁 にFDG
高 集 積 を 示 す 部 分 が あ っ た(SUVmax4.7)。 以 上 よ りmucinous…
cystadenocarcinomaの 可 能 性 が 高 いと 判 断 し、 膵 体 尾 部 切 除 術 を 施
行 した。 摘 出 標 本 で 肉 眼 的 に12cm 大 の 単 房 性 嚢 胞 状 病 変 の 内 腔 に
3cm 大 の 乳 頭 状 の 壁 在 結 節 がみられた。 病 理 組 織 学 的 には 嚢 胞 内 は
様 々の 異 型 度 を 示 す 粘 液 性 円 柱 上 皮 に 覆 われ、 核 の 腫 大 や 細 胞 極 性 の
乱 れが 高 度 であった。 壁 在 結 節 の 部 位 では 高 度 異 型 上 皮 が 複 雑 に 分 岐
する 乳 頭 状 増 殖 を 示 していた。 病 変 の 尾 側 よりで 嚢 胞 壁 間 質 に 卵 巣 間
質 様 の 紡 錘 形 細 胞 (ER+PgR-)の 増 生 が 認 められ、 以 上 の 所 見 より、
mucinous… cystadenocarcinomaと 診 断 さ れ た。mucinous…
cystadenocarcinomaは 比 較 的 稀 な 疾 患 であり、 文 献 的 考 察 を 含 めて
報 告 する。
P28-1 膵 体 部 癌 と 合 併 した 漿 液 性 嚢 胞 腺 腫 にて 膵 体 尾 部 切 除
後 , 異 時 性 多 発 膵 癌 を 認 めた1 例
1
製 鉄 記 念 室 蘭 病 院 外 科 、 2 製 鉄 記 念 室 蘭 病 院 臨 床 病 理 検 査 室
○… 高 橋 瑞 奈 1
, 川 瀬 寛 1
, 本 間 直 健 1
, 早 馬 聡 1
, 長 靖 1
,
仙 丸 直 人 1
, 藤 田 美 莉
2
症 例 は68 歳 の 女 性 .2006 年 7 月 より 膵 尾 部 の 嚢 胞 性 病 変 を 認 め, 経 過
観 察 中 であった.2008 年 4 月 のCTで 膵 体 部 癌 の 出 現 が 疑 われ,
3PhaseCTを 施 行 したところ, 膵 体 部 に 動 脈 相 で 低 吸 収 域 を 呈 する 径
13×9.8mmの 腫 瘤 と,その 尾 側 主 膵 管 の 拡 張 を 認 めた.また,ERCP
で 膵 尾 部 の 嚢 胞 と 主 膵 管 の 交 通 が 確 認 され、 膵 体 部 癌 を 合 併 した 膵 管
内 乳 頭 粘 液 腫 の 診 断 にて2008 年 8 月 に 膵 体 尾 部 切 除 術 を 施 行 した. 病
理 診 断 は, 漿 液 性 嚢 胞 腺 腫 および 膵 癌 (Pb,…TS1,…T1,…N0,…M0,…StageI,…
ly0,…v0,…ne0,…mpd(-))であった.2011 年 1 月 より 体 重 が 減 少 ,6 月 に 耐
糖 能 異 常 増 悪 と 腫 瘍 マーカー 上 昇 (CA19-9…228U/ml,…SPAN-1…63U/
ml)を 認 めた. 造 影 CTで 膵 頭 部 に 約 10mmの 低 吸 収 域 の 腫 瘤 と,その
尾 側 主 膵 管 の 拡 張 ,#8aリンパ 節 腫 大 を 認 めた.…MRCPおよびERCP
で 主 膵 管 の 狭 窄 と 尾 側 膵 管 の 拡 張 、 下 部 総 胆 管 の 先 細 り 狭 窄 を 認 め,
超 音 波 内 視 鏡 では28mmの 低 エコー 腫 瘤 が 描 出 された. 組 織 診 断 は 得
られなかったが、 残 膵 癌 (T3,…N2,…M0,…StageIVa)を 強 く 疑 い,7 月 に
残 膵 全 摘 を 施 行 した. 病 理 診 断 は, 約 4cmの 腫 瘤 を 形 成 する 慢 性 膵 炎
の 中 央 に12×1mmの 膵 癌 を 認 め,TS1,T1,…CH-,…DU-,…S-,…RP-,…A-,…PL-,…
OO-,…N0,…M0,…StageI,INFβ,…ly0,…v0,…ne0,…mpd(-)…であった. 初 回 の 膵
癌 術 後 から2 年 10か 月 が 経 過 しており, 前 回 手 術 がR0 切 除 であること
から, 再 発 ではなく 異 時 性 多 発 膵 癌 と 思 われた. 術 後 経 過 は 良 好 であ
り, 術 後 18 日 目 に 退 院 となった. 現 在 , 無 再 発 生 存 中 である. 漿 液 性
嚢 胞 腺 腫 と 膵 癌 の 合 併 は 現 在 まで 自 験 例 を 含 め7 例 のみの 報 告 であり,
本 邦 報 告 例 は2 例 であった.また, 浸 潤 性 膵 管 癌 術 後 の5 年 生 存 率 は 不
良 であり, 初 発 膵 癌 術 後 の 残 膵 に 異 時 性 多 発 膵 癌 を 認 め, 根 治 術 が 施
行 されることは 稀 とされている. 本 症 例 は, 漿 液 性 嚢 胞 腺 腫 に 合 併 し
た 膵 癌 術 後 2 年 10カ 月 に, 残 膵 に 異 時 性 多 発 膵 癌 を 認 め 根 治 術 を 施 行
しえた 極 めて 稀 な 症 例 と 思 われた.
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