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PD3-8<br />
IPMN 切 除 例 の 臨 床 病 理 学 的 検 討<br />
1<br />
久 留 米 大 学 外 科 、 2 久 留 米 大 学 医 療 センター 外 科<br />
○… 久 下 亨 1<br />
, 堀 内 彦 之 1<br />
, 石 川 博 人 1<br />
, 内 田 信 治 2<br />
, 川 原 隆 一 1<br />
,<br />
川 嶋 祐 資 1<br />
, 安 永 昌 史 1<br />
, 緒 方 俊 郎 1<br />
, 御 鍵 和 弘 1<br />
,<br />
吉 冨 宗 宏 1<br />
, 野 北 英 史 1<br />
, 赤 司 昌 謙 1<br />
, 木 下 壽 文 1<br />
,<br />
1<br />
白 水 和 雄<br />
【 目 的 】IPMN 切 除 例 の 臨 床 病 理 学 組 織 学 的 検 討 を 行 った.【 方 法 】<br />
1995~2011 年 に 手 術 を 施 行 した56 例 を 対 象 とし,… それらの 永 久 標 本 を<br />
用 いて 組 織 形 態 による 分 類 と 免 疫 染 色 を 行 った.【 成 績 】 組 織 型 は<br />
IPMA27 例 (48%),…IPMC5 例 (9%),… 由 来 浸 潤 癌 24 例 (43%)で あ っ た.…<br />
IPMAのうち,… 分 枝 型 74%, 主 膵 型 20%,… 混 合 型 6%,…IPMCでは,… 分 枝 型<br />
40%, 主 膵 型 40%,… 混 合 型 20%,… 由 来 浸 潤 癌 では,… 分 枝 型 4%, 主 膵 型 88%,…<br />
混 合 型 8%であった.…IPMAとIPMCにおいて,… 通 常 型 膵 癌 並 存 例 3 例 以<br />
外 での 死 亡 例 はなく,… 由 来 浸 潤 癌 の5 年 生 存 率 は56%であった.…IPMCと<br />
由 来 浸 潤 癌 におけるsubtype 分 類 では,…gastr…ic…typeは1 例 が 癌 (5%),…<br />
intestinal…typeは16 例 が 癌 (67%)で,… そのうち9 例 が 由 来 浸 潤 癌 (38%),…<br />
pancreatobiliary…typeとoncocytic…type…は 全 例 浸 潤 癌 (100%)であった.…<br />
リンパ 節 転 移 は 由 来 浸 潤 癌 で 認 められたが, intestinal…typeと<br />
pancreatobiliary…typeが 各 々2 例 で,……n1を 越 える 症 例 は 認 めなかった.…<br />
局 所 進 行 例 は8 例 に 認 められ,…intestinal…typeとpancreatobiliary…type<br />
が 各 々4 例 ,… 腫 瘍 先 進 部 の 組 織 型 は 管 状 型 6 例 ,… 粘 液 型 2 例 であった.… 術<br />
後 の 経 過 観 察 中 に 再 発 した7 症 例 中 ,… 局 所 再 発 あるいは 腹 膜 播 種 で 死<br />
亡 された 症 例 は5 例 で,…intestinal…typeは2 例 ,…pancreatobiliary…type…3<br />
例 .…… 残 膵 再 発 し 切 除 した2 例 は 共 にintestinal…typeであった.…【 結 語 】 主<br />
膵 管 型 IPMNは 悪 性 度 が 高 く,… 切 除 +D2。 分 枝 型 については,… 大 部 分 が<br />
良 性 ~ 上 皮 内 癌 であるが,…わずかながら 進 行 例 もあり 注 意 が 必 要 であ<br />
る.…また,… 亜 型 分 類 はtypeにより 悪 性 度 や 進 行 度 が 異 なっており,… 術 前<br />
に 判 断 できるような 手 法 が 確 立 できれば,… 治 療 方 針 の 決 定 に 寄 与 する<br />
可 能 性 が 考 えられる.<br />
PD3-9<br />
IPMNの 手 術 治 療 方 針 : 特 に 腫 瘍 本 体 の 性 状 ・ 膵 断 端 の<br />
所 見 と 残 膵 局 所 再 発 との 関 連 について<br />
1<br />
東 北 大 学 病 院 肝 胆 膵 外 科 、 2 東 北 大 学 統 合 癌 治 療 外 科 学<br />
○… 岡 田 恭 穂 1<br />
, 江 川 新 一 1<br />
, 乙 供 茂 1<br />
, 元 井 冬 彦 1<br />
, 林 洋 毅 1<br />
,<br />
中 川 圭 2<br />
, 水 間 正 道 1<br />
, 石 田 晶 玄 1<br />
, 深 瀬 耕 二 1<br />
, 坂 田 直 昭 1<br />
,<br />
大 塚 英 郎 1<br />
, 森 川 孝 則 1<br />
, 小 野 川 徹 1<br />
, 吉 田 寛 1<br />
, 内 藤 剛 1<br />
,<br />
力 山 敏 樹 1<br />
, 片 寄 友 2 1<br />
, 海 野 倫 明<br />
【 目 的 】IPMNの 診 断 と 治 療 は 国 際 診 療 ガイドラインにて 一 定 の 方 向<br />
性 が 示 されたが、 悪 性 度 スペクトラムが 広 いため 拡 大 手 術 から 膵 温 存<br />
を 目 指 す 縮 小 手 術 まで 行 われる。しかし 膵 全 摘 を 除 く 術 式 を 選 択 した<br />
場 合 、 必 ず 残 膵 局 所 再 発 の 問 題 に 直 面 する。 今 回 、 当 科 で 施 行 された<br />
IPMN 根 治 切 除 例 について、 特 に 腫 瘍 本 体 の 性 状 ・ 膵 断 端 所 見 と 局 所<br />
再 発 との 関 連 に 焦 点 を 当 て 検 討 した。【 対 象 と 方 法 】 当 科 の 手 術 方 針<br />
は(1) 膵 断 端 迅 速 組 織 診 でsevere…dysplasia 以 上 を 認 めれば 全 摘 を 含 め<br />
た 追 加 切 除 を 行 う(2) 全 長 にわたる 主 膵 管 型 病 変 では 膵 全 摘 を 施 行 (3)<br />
残 膵 に 嚢 胞 ・ 拡 張 が 存 在 しても 結 節 性 病 変 がなければ 膵 全 摘 は 避 ける<br />
(4) 術 後 は6-12ヶ 月 毎 に 画 像 で 残 膵 所 見 を 追 跡 する、である。1988 年 1<br />
月 から2011 年 10 月 まで 当 科 でIPMN( 由 来 膵 癌 を 含 む)と 診 断 され 切 除<br />
術 施 行 した148 例 ( 男 性 102 例 、 女 性 46 例 、 手 術 時 平 均 年 齢 65.4 歳 、 主<br />
膵 管 型 : 混 合 型 : 分 枝 型 =25:21:108)を 対 象 とした。 肉 眼 型 、 断 端<br />
所 見 と 残 膵 局 所 再 発 との 関 連 をFisher’s…exact…testにて 解 析 した。 更<br />
には 個 々の 再 発 例 の 特 徴 と 発 見 時 の 進 行 度 、 治 療 について 検 討 を 加 え<br />
た。【 結 果 】 初 回 膵 全 摘 例 を 除 く136 例 の 解 析 で、 術 後 1 年 以 降 で13 例<br />
(9.6%)に 残 膵 局 所 再 発 が 疑 われ、 初 回 手 術 から 再 発 までの 期 間 は17-<br />
168( 中 央 値 48)ヶ 月 と 大 きなばらつきが 見 られた。 外 科 的 膵 切 除 施 行<br />
例 は7 例 で、うち2 例 は 遠 隔 転 移 で 死 亡 した。6 例 は 発 見 時 に 遠 隔 転 移<br />
も 進 行 しており 非 切 除 であった。1 例 は 嚢 胞 径 拡 大 にて 追 加 切 除 を 行 っ<br />
たが 病 理 では 腺 腫 相 当 の 診 断 であった。Subtypeでは 主 膵 管 型 の 残 膵<br />
再 発 率 が 有 意 に 高 かったが(p=0.005)、IPMN 本 体 の 悪 性 度 (p=0.87)、<br />
最 終 膵 断 端 (PCM)の 異 型 度 (p=0.39)では 有 意 差 は 生 じなかった。た<br />
だし、 術 前 所 見 で 多 発 発 生 と 診 断 され、 主 病 変 切 除 かつ 膵 温 存 を 選 択<br />
した 症 例 でも 残 膵 にIPMNが 遺 残 した 例 は 残 膵 再 発 が 高 率 であった<br />
(p=0.02)。【 結 論 】 残 膵 局 所 再 発 は 初 回 手 術 後 発 生 時 期 が 長 期 に 渡 り、<br />
再 手 術 そのものも 困 難 であり、 発 見 時 非 切 除 の 症 例 も 多 い。 病 理 組 織<br />
型 に 関 わらず、 多 発 発 生 例 は 主 病 変 を 切 除 しても 再 発 率 が 高 くより 狭<br />
い 間 隔 での 経 過 観 察 を 要 するし、 状 況 により 膵 全 摘 も 検 討 の 余 地 があ<br />
る。<br />
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PD4-1<br />
再 発 肝 細 胞 癌 再 肝 切 除 における 術 中 胆 管 損 傷 の 修 復 と<br />
術 後 胆 汁 漏 の 予 防<br />
広 島 大 学<br />
○… 田 代 裕 尊 , 天 野 尋 暢 , 小 林 剛 , 尾 上 隆 司 , 石 山 宏 平 ,<br />
井 手 健 太 郎 , 黒 田 慎 太 郎 , 田 澤 宏 文 , 御 厨 美 洋 ,<br />
安 部 智 之 , 大 下 彰 彦 , 大 段 秀 樹<br />
【 背 景 ・ 目 的 】 肝 切 除 時 の 胆 管 損 傷 は 術 後 の 胆 汁 漏 を 招 き、 術 後 感 染<br />
症 や 肝 不 全 の 原 因 となりしばしば 治 療 に 難 渋 することがある。 術 中 胆<br />
管 損 傷 の 対 策 ・ 治 療 として、 損 傷 部 の 縫 合 閉 鎖 、 止 血 剤 などの 貼 付 、<br />
また 胆 道 内 圧 の 減 圧 を 図 り 胆 嚢 管 断 端 よりC-チューブを 挿 入 するなど<br />
の 方 法 が 報 告 されている。この 内 C-チューブの 挿 入 法 は、 初 回 肝 切 除<br />
時 では 胆 摘 後 に 胆 嚢 管 より 挿 入 できるが、 再 肝 切 除 症 例 においてはす<br />
でに 胆 嚢 摘 出 され 残 存 胆 嚢 管 よりのC-チューブ 挿 入 がしばしば 困 難 で<br />
ある。そこで、 今 回 区 域 以 上 の 再 肝 切 除 症 例 における 術 中 胆 管 損 傷 に<br />
対 して、 肝 門 部 グリソン 鞘 切 断 端 の 胆 管 断 端 よりC-チューブ 挿 入 し、<br />
術 後 胆 汁 漏 予 防 効 果 について 検 討 した。【 方 法 ・ 結 果 】2006 年 より<br />
2011 年 6 月 までに 当 科 で 施 行 した 再 発 肝 細 胞 癌 に 対 する 再 肝 切 除 101 例<br />
を 対 象 とした。 胆 管 損 傷 に 対 しては、6-0PDSで 縫 合 閉 鎖 し、タココ<br />
ンブを 貼 付 した。2009 年 以 降 では、 損 傷 部 を 閉 鎖 後 さらに 区 域 切 除 以<br />
上 の 再 肝 切 除 において 切 除 断 端 のグリソン 鞘 よりC-チューブの 挿 入 を<br />
行 った。 計 6 例 にグリソン 断 端 の 胆 管 切 断 端 よりC-チューブ 挿 入 を 施<br />
行 した。その6 症 例 の 内 訳 は、 後 区 域 切 除 後 の 残 肝 右 葉 切 除 、 中 央 2 区<br />
域 切 除 後 の 後 区 域 切 除 、S8 亜 区 域 切 除 、 内 側 区 域 切 除 後 の 肝 左 葉 切<br />
除 ( 尾 状 葉 含 む、3 回 目 )、 高 位 背 側 尾 状 葉 切 除 後 内 側 区 域 ・S8 亜 区 域<br />
切 除 、 後 区 域 切 除 後 肝 左 葉 切 除 、S8、5 部 分 切 除 後 肝 後 区 域 切 除 術 で<br />
あった。この 方 法 を 用 いた2009 年 以 降 の51 例 において 術 後 胆 汁 漏 は1<br />
例 (2%)であり、この 症 例 においてはC-チューブを 挿 入 できなかった<br />
症 例 である。C-チューブは 術 後 1ヶ 月 で 抜 去 し、 術 後 経 過 は 良 好 であっ<br />
た。【 考 察 】 再 肝 切 除 においては、 癒 着 や 肝 切 除 後 の 解 剖 学 的 変 化 な<br />
どにより 術 後 の 合 併 症 の 頻 度 が 高 くなるが、 損 傷 胆 管 の 修 復 とC-<br />
チューブ 挿 入 法 による 胆 道 減 圧 法 は 再 肝 切 除 における 術 後 胆 汁 漏 予 防<br />
法 として 有 効 な 方 法 であると 考 えられた。<br />
PD4-2<br />
大 血 管 ( 中 、 左 肝 静 脈 )に 接 した 高 度 肝 障 害 を 有 する 肝 細<br />
胞 癌 に 対 する 完 全 鏡 視 下 肝 切 除 術<br />
埼 玉 医 科 大 学 国 際 医 療 センター 消 化 器 外 科<br />
○… 宮 澤 光 男 , 合 川 公 康 , 岡 田 克 也 , 利 光 靖 子 , 岡 本 光 順 ,<br />
山 口 茂 樹 , 小 山 勇<br />
完 全 鏡 視 下 肝 切 除 術 における 術 中 合 併 症 中 で 最 も 頻 度 が 多 く、 処 置 に<br />
難 渋 するのは 静 脈 性 出 血 である。 特 に、 大 静 脈 よりの 出 血 は 死 に 直 結<br />
する 可 能 性 があり、 制 御 法 の 確 立 が 必 要 である。 我 々は、 可 能 な 限 り<br />
術 中 出 血 量 を 減 少 させるため、モノポーラ 型 のソフト 凝 固 を 止 血 のた<br />
め 多 用 し、 小 血 管 、 索 状 物 は 十 分 にバイポーラ 型 のソフト 凝 固 でシー<br />
リングしてから 切 断 し、 肝 離 断 を 進 行 させている。 今 回 、 当 院 で 経 験<br />
した 中 肝 静 脈 、 左 肝 静 脈 に 接 した 高 度 肝 障 害 を 有 する 肝 細 胞 癌 の 完 全<br />
鏡 視 下 肝 部 分 切 除 症 例 より、 大 血 管 に 接 した 肝 細 胞 癌 切 除 をどのよう<br />
に 施 行 しているか 我 々の 手 技 を 供 覧 する。2008 年 1 月 から2011 年 11 月<br />
までに 埼 玉 医 科 大 学 国 際 医 療 センター 消 化 器 外 科 で 施 行 した 完 全 鏡 視<br />
下 肝 切 除 は50 例 であり、 平 均 出 血 量 は54.1±11.2(0-300)mlであり、 開<br />
腹 に 移 行 した 症 例 はなかった。 特 に 大 血 管 に 接 した 肝 細 胞 癌 の 手 術 手<br />
技 で 留 意 している 点 は、1) 術 前 に 腫 瘍 と 大 血 管 との 位 置 関 係 を 十 分 に<br />
把 握 する。2) 術 中 に 腫 瘍 と 大 血 管 との 位 置 関 係 を 術 中 エコーで 十 分 に<br />
把 握 する。3) 大 血 管 に 接 した 部 分 以 外 ののサージカルマージンは 十 分<br />
にとり、ワーキングスペースを 取 るようにする。4) 少 量 の 出 血 でも 止<br />
血 を 十 分 に 行 ってから 次 の 切 除 に 移 る。5) 小 血 管 であっても 十 分 に<br />
シーリングしてから 切 断 する。6) 大 血 管 周 囲 においては、 大 血 管 から<br />
の 枝 が 抜 けた 部 分 はモノポーラ 型 のソフト 凝 固 ( 水 を 滴 下 しながら)で<br />
その 孔 を 確 認 し、なでるように 閉 鎖 する。 本 学 会 においては、ビデオ<br />
にて 大 血 管 ( 中 、 左 肝 静 脈 )に 接 した 高 度 肝 障 害 を 有 する 肝 細 胞 癌 に 対<br />
する 完 全 鏡 視 下 肝 切 除 術 において、どのように 出 血 制 御 を 行 うか 我 々<br />
の 手 技 を 述 べたい。<br />
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