タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P61-1 診 断 に 苦 慮 した 胆 嚢 腫 瘍 の1 例
NTT 西 日 本 大 阪 病 院 外 科
○… 金 致 完 , 東 野 健 , 門 田 卓 士 , 今 岡 真 義
症 例 は63 歳 男 性 。 近 医 で 胆 石 症 と 診 断 され 手 術 目 的 で 紹 介 受 診 。 既 往
に 高 血 圧 と 糖 尿 病 があった。 主 訴 は 心 窩 部 痛 で、 前 医 を 退 院 後 も1か
月 程 、 症 状 を 繰 り 返 していた。 受 診 時 の 血 液 検 査 では 白 血 球 は8900/
μl、CRP…3.5mg/dlで、 腫 瘍 マーカー(CEA…3.9…ng/ml,…CA19-9…5…U/
ml)は 正 常 範 囲 内 であった。 腹 部 単 純 CTで 大 きさ90mm…x…40mmと 壁
肥 厚 を 伴 う 胆 嚢 腫 大 を 認 め、 複 数 の 胆 石 を 認 めた。 胆 石 、 慢 性 胆 嚢 炎
の 診 断 で 開 腹 手 術 を 行 った。 胆 嚢 は 横 行 結 腸 と 十 二 指 腸 に 被 覆 され 強
固 に 固 着 して 手 拳 大 の 固 い 腫 瘤 を 形 成 し、 胆 嚢 は 直 視 できず 胆 嚢 付 着
部 の 肝 床 部 には 白 色 状 の 変 化 を 伴 っていた。 悪 性 疾 患 を 強 く 疑 い、 経
肝 的 に 穿 刺 吸 引 細 胞 診 を 行 ったが 炎 症 細 胞 のみであった。 白 色 状 に 変
化 した 肝 実 質 部 位 とリンパ 節 8aを 摘 出 し、 後 日 、 病 理 診 断 で 確 認 する
ことにした。 術 中 所 見 から 胆 嚢 癌 の 肝 浸 潤 、 横 行 結 腸 、 十 二 指 腸 浸 潤
が 疑 われ、 切 除 には 拡 大 右 葉 切 除 、 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 、 横 行 結 腸 部 分
切 除 が 最 低 限 必 要 と 考 えられた 為 、 切 除 を 行 わず 閉 腹 した。 後 日 、 肝
実 質 は 瘢 痕 組 織 のみでリンパ 節 に 悪 性 細 胞 を 認 めなかった。 術 後 、 再
評 価 の 腹 部 造 影 CTでは 胆 嚢 体 部 から 底 部 にかけ 不 均 一 な 壁 肥 厚 を 認
め、FDG-PET/CTで 同 部 位 はSUV-max…7.9と 高 値 を 示 した。また、
腫 瘍 マーカーはDUPAN-2が1300と 高 値 であった 点 から、 病 理 診 断 で
確 定 には 至 らなかったものの 胆 嚢 癌 の 可 能 性 が 高 いと 考 え、 患 者 に 十
分 なinformed…consentを 行 い、GEM…1000mg/m2 の 投 与 (3 週 投 与 1
週 休 薬 )を 施 行 した。5クール 後 の 評 価 のCTで、 胆 嚢 壁 の 肥 厚 は 軽 度
残 るもの、 胆 嚢 は 全 体 的 に 著 明 に 縮 小 しPRと 診 断 した。また、FDG-
PET/CTでは 異 常 集 積 は 消 失 し、DUPAN-2も 正 常 範 囲 内 となった。
切 除 可 能 と 判 断 し、 再 開 腹 を 行 った。 肝 床 切 除 、D2 郭 清 を 行 い、 横
行 結 腸 については 胆 嚢 と 連 続 した 部 位 に 腫 瘤 を 触 知 した 為 、 小 範 囲 の
合 併 切 除 を 行 い 病 変 部 位 を 摘 出 することができた。 病 理 検 査 の 結 果 、
gangrenous…cholecystitis…with…adenomyomatous…hyperplasiaと 診 断
された。 診 断 に 苦 慮 した1 例 を 経 験 したので 報 告 する。
P61-2 胆 嚢 漿 膜 下 層 に 発 生 した 線 毛 性 前 腸 性 嚢 胞 の1 例
京 都 府 立 医 科 大 学 消 化 器 外 科
○… 宮 前 眞 人 , 生 駒 久 視 , 山 本 有 祐 , 森 村 玲 , 村 山 康 利 ,
塩 崎 敦 , 栗 生 宜 明 , 落 合 登 志 哉 , 大 辻 英 吾
【はじめに】 膵 臓 ではintraductal…papillary…mucinous…neoplasm( 膵
IPMN)の 疾 患 概 念 が 確 立 され、 世 界 的 に 受 け 入 れられている。 一 方 、
胆 管 にも 膵 IPMNと 類 似 の 腫 瘍 が 発 生 し、 粘 液 産 生 性 胆 管 腫 瘍 が 膵
IPMNの 胆 管 カウンターパートとなる 可 能 性 が 報 告 された。 現 在 、 画
像 上 胆 道 周 囲 に 嚢 胞 状 に 描 出 される 病 変 に 注 目 が 集 まっている。 今 回
我 々は 極 めてまれな 胆 嚢 周 囲 に 発 生 した 線 毛 性 前 腸 性 嚢 胞 (ciliated…
foregut…cyst:…CFC)を 経 験 したので 若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告
する。【 症 例 】50 歳 男 性 、 肝 ヘモクロマトーシスの 経 過 観 察 中 、 肝 S8
に 肝 細 胞 癌 を 指 摘 された。 切 除 目 的 に 当 科 紹 介 となった。 一 方 、CT…
USで 胆 嚢 頚 部 に 隣 接 する3cm 大 の 嚢 胞 性 病 変 を 認 めた。MRIにおい
て 内 部 はT1 強 調 画 像 で 低 信 号 、T2 強 調 画 像 で 高 信 号 を 呈 した。 胆 嚢
内 部 との 境 界 が 明 瞭 に 保 たれていたため、 胆 嚢 に 隣 接 した 嚢 胞 性 病 変
を 疑 った。 肝 S8 亜 区 域 切 除 、 嚢 胞 性 病 変 を 一 括 切 除 する 形 で 胆 嚢 摘
出 術 を 施 行 した。 病 理 組 織 診 断 では、 多 列 繊 毛 上 皮 に 裏 打 ちされ 平 滑
筋 組 織 を 伴 う 単 房 性 嚢 胞 が 胆 嚢 頚 部 から 胆 嚢 管 にかけて 胆 嚢 漿 膜 下 層
に 存 在 し、 胆 嚢 内 腔 との 交 通 を 認 めず、 胆 嚢 漿 膜 下 層 に 発 生 したCFC
と 診 断 した。【 考 察 】CFCは 胎 児 期 前 腸 の 遺 残 に 由 来 する 嚢 胞 で, 通
常 横 隔 膜 上 で 気 管 や 食 道 嚢 胞 として 散 見 され、 横 隔 膜 下 に 存 在 するこ
とは 稀 とされている。 胆 嚢 に 発 生 したCFCは 検 索 しえた 限 り 数 例 の
報 告 があるのみであった。 今 後 胆 道 周 囲 の 嚢 胞 性 病 変 について 症 例 の
集 積 と 検 討 を 行 うに 当 たり、 貴 重 な1 症 例 であると 考 えられた。
P61-3 胆 嚢 癌 との 鑑 別 が 困 難 であった 胆 嚢 線 維 性 ポリープの
1 例
鹿 児 島 市 立 病 院 外 科
○… 槐 島 健 太 郎 , 濱 田 信 男 , 伊 藤 欣 司 , 安 田 洋 , 中 村 登
今 回 、 我 々は 術 前 に 胆 嚢 癌 との 鑑 別 が 困 難 であった 胆 嚢 線 維 性 ポリー
プを 経 験 した。 患 者 は69 歳 、 男 性 。38 歳 時 に 直 腸 癌 に 対 し 直 腸 切 断 術
が 施 行 された 既 往 がある。 平 成 23 年 6 月 の 検 診 にて 胆 嚢 腫 瘍 を 指 摘 され、
精 査 加 療 目 的 にて 当 院 受 診 となった。 腹 部 エコーでは 胆 嚢 底 部 に
9mm 大 の 音 響 陰 影 を 伴 わない 高 エコーの 隆 起 性 病 変 を 認 めた。 腹 部
CTでは 胆 嚢 底 部 遊 離 腹 腔 側 に15mm 大 の 造 影 効 果 のある 腫 瘍 を 認 め
た。 明 らかなリンパ 節 腫 大 、 遠 隔 転 移 は 認 めなかった。MRIでは 腫 瘍
はT1で 低 信 号 、T2で 比 較 的 低 信 号 であった。MRCPでは 明 らかな 胆
管 の 走 行 異 常 や 膵 胆 管 合 流 異 常 は 認 められなかった。 腫 瘍 マーカーは
CEA:2.5ng/ml、CA19-9:3.7U/mlと 正 常 であった。 腺 腫 、 胆 嚢 ポリー
プとの 鑑 別 は 困 難 で、 悪 性 の 可 能 性 も 除 外 できなかったため、 平 成 23
年 10 月 12 日 、まず 開 腹 下 にアプローチし 胆 嚢 摘 出 術 を 行 い、 悪 性 の 場
合 は 肝 床 部 切 除 +リンパ 節 廓 清 、 必 要 に 応 じて 胆 管 切 除 まで 行 う 方 針
として 手 術 を 施 行 した。 上 腹 部 正 中 切 開 にて 開 腹 し、 胆 嚢 を 摘 出 した。
胆 嚢 内 腔 を 展 開 し 確 認 したところ、 腫 瘍 は16x12x10mm 大 の 分 葉 状 の
有 茎 性 ポリープであった。 茎 は 細 く 糸 状 で、 悪 性 であったとしても 漿
膜 下 への 浸 潤 は 肉 眼 的 にはないと 判 断 し 追 加 手 術 は 行 わなかった。 病
理 組 織 学 的 検 索 では、 表 面 は 明 らかな 異 型 、 浸 潤 様 増 殖 を 認 めない 立
法 円 柱 状 皮 で 覆 われ、 間 質 は 浮 腫 状 で 繊 維 芽 細 胞 の 増 生 が 認 められ、
線 維 性 ポリープと 診 断 された。 胆 嚢 線 維 性 ポリープは 稀 な 疾 患 で、 良
性 ではあるが 巨 大 化 する 傾 向 がある。このため 胆 嚢 癌 と 診 断 され 手 術
が 行 われた 症 例 も 少 なくなく、 画 像 診 断 が 発 達 した 現 在 でも、 術 前 確
定 診 断 を 下 すに 至 らない 症 例 がほとんどである。 本 症 について 文 献 的
考 察 を 加 え 報 告 する。
P61-4 20mm 大 の 胆 嚢 コレステロールポリープの1 例
芳 賀 赤 十 字 病 院
○… 高 木 徹 , 俵 藤 正 信
症 例 は47 歳 、 女 性 。 数 年 前 から 胆 嚢 ポリープを 近 医 で 指 摘 され、 増 大
傾 向 のため 当 院 に 紹 介 された。 腹 部 超 音 波 で 胆 嚢 底 部 の 肝 床 側 に 直 径
20mm 大 の 隆 起 性 で 内 部 均 一 ・ 等 エコーの 腫 瘍 を 認 めた。 胆 嚢 壁 への
浸 潤 像 や 腫 瘍 内 部 血 流 は 認 めなかった。 腹 部 造 影 CTでは 腫 瘍 の 壁 外
浸 潤 所 見 や 造 影 効 果 を 認 めず 周 囲 リンパ 節 腫 脹 も 認 めなかった。PET
検 査 では 同 部 に 集 積 は 認 めず、MRCPでは 膵 胆 管 合 流 異 常 が 疑 われた。
若 年 で20mm 大 の 胆 嚢 腫 瘍 で 増 大 傾 向 、 膵 胆 管 合 流 異 常 が 背 景 の 胆 嚢
癌 ( 粘 膜 または 筋 相 浸 潤 )を 考 え、 開 腹 拡 大 胆 嚢 摘 出 術 の 方 針 とした。
術 中 超 音 波 検 査 では 胆 嚢 底 部 ・ 肝 床 側 に 桑 実 状 で 肝 実 質 へ 浸 潤 のない
20mmの 胆 嚢 腫 瘍 を 認 めた。 術 中 胆 道 造 影 では 胆 嚢 管 は 左 肝 管 から 分
枝 していたが 膵 胆 管 合 流 異 常 は 認 めなかった。 肝 床 を 一 部 切 除 するよ
うに 拡 大 胆 摘 術 を 施 行 した。 術 中 迅 速 診 断 では 悪 性 所 見 は 認 めずリン
パ 郭 清 は 施 行 しなかった。 永 久 病 理 では 胆 嚢 コレステロールポリープ
の 診 断 であった。 胆 嚢 コレステロールポリープは 胆 嚢 良 性 腫 瘍 では 最
頻 出 で 通 常 10mm 以 下 である、20mmは 非 常 に 稀 であり 文 献 的 考 察 を
加 えて 報 告 する。
-433-