タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P62-1 胆 道 再 々 建 術 施 行 例 の 背 景 疾 患 と 手 術 成 績 の 検 討
神 戸 大 学 肝 胆 膵 外 科
○… 吉 田 優 子 , 味 木 徹 夫 , 上 野 公 彦 , 沢 秀 博 , 大 坪 出 ,
村 上 冴 , 篠 崎 健 太 , 新 関 亮 , 外 山 博 近 , 木 戸 正 浩 ,
松 本 逸 平 , 福 本 巧 , 具 英 成
【はじめに】 胆 道 疾 患 における 胆 管 空 腸 吻 合 術 後 の 胆 道 再 々 建 術 は、
胆 管 周 囲 の 高 度 癒 着 に 伴 う 術 中 出 血 量 の 増 加 や 術 後 合 併 症 が 多 く、ま
た 吻 合 部 の 再 狭 窄 を 来 す 率 が 高 いとの 報 告 もあり、 特 に 良 性 胆 管 狭 窄
に 対 しての 手 術 適 応 には 慎 重 を 期 す 必 要 がある。 今 回 我 々は、 自 験 例
での 胆 道 再 々 建 術 施 行 症 例 において、 疾 患 背 景 、 手 術 成 績 について 比
較 検 討 したので 報 告 する。【 対 象 と 方 法 】2000 年 から2010 年 の 間 に、
当 科 で 胆 道 再 々 建 術 を 施 行 した7 例 を 対 象 とし、 胆 道 再 々 建 術 施 行 理
由 が 悪 性 疾 患 であった5 例 を 悪 性 群 、 良 性 疾 患 であった2 例 を 良 性 群 と
し、 手 術 関 連 因 子 について 比 較 検 討 を 行 った。【 結 果 】 男 女 比 は2:5、
平 均 年 齢 61 歳 (30-77)、 初 回 から2 回 目 手 術 までの 期 間 は1-252ヶ 月 。 初
回 胆 道 再 建 術 の 理 由 は、 先 天 性 総 胆 管 拡 張 症 3 例 、 胆 管 癌 ・IPNB・ 肝
膿 瘍 ・ 良 性 胆 管 狭 窄 が 各 1 例 であった。また、 胆 道 再 々 建 術 を 実 施 し
た 理 由 は、 肝 門 部 胆 管 癌 2 例 、 中 部 胆 管 癌 1 例 、 十 二 指 腸 乳 頭 部 癌 1 例 、
IPNB 再 発 1 例 、 良 性 胆 管 狭 窄 2 例 であった。 胆 道 再 々 建 術 施 行 時 の 術
式 は、 肝 切 除 術 2 例 ( 拡 大 左 葉 切 除 1 例 ・ 左 葉 切 除 1 例 )、 膵 頭 十 二 指 腸
切 除 術 2 例 、 肝 管 空 腸 再 吻 合 3 例 であった。 平 均 手 術 時 間 は、540±133
分 (338-781)[ 良 性 :409 分 、 悪 性 :593 分 (p=0.25)]、 平 均 出 血 量 1182
±660ml(205-2232)[ 良 性 :895ml、 悪 性 :1297ml(p=0.70)]、 平 均 術
後 在 院 日 数 は50±36 日 (14-108)[ 良 性 :16 日 、 悪 性 :64 日 (p=0.05)]
であった。 合 併 症 は、 吻 合 部 縫 合 不 全 3 例 、 術 後 胆 管 炎 2 例 であったが、
いずれも 保 存 的 加 療 で 軽 快 した。 悪 性 群 …5 例 のうち2 例 は 術 後 再 発 の
ため 原 病 死 したが、その 他 の3 例 および 良 性 群 2 例 は 現 在 吻 合 部 再 狭 窄
を 認 めていない。【 結 語 】 胆 道 再 々 建 術 は、 操 作 が 煩 雑 で 手 術 時 間 が
長 く 出 血 量 も 多 かったが、 重 篤 な 合 併 症 を 伴 わず 安 全 に 施 行 できてい
た。そのため、 悪 性 疾 患 に 対 しては 手 術 を 施 行 せざるを 得 ないが、 繰
り 返 す 胆 道 再 建 術 後 良 性 胆 管 狭 窄 に 対 しての 手 術 適 応 は、 慎 重 に 行 う
べきであると 考 えられた。
P62-2 術 前 診 断 が 困 難 であった 肝 被 膜 下 腫 瘤 の 一 例
横 須 賀 共 済 病 院 外 科
○… 三 宅 謙 太 郎 , 舛 井 秀 宣 , 千 葉 創 , 峯 岸 裕 蔵 , 大 西 宙 ,
高 橋 直 行 , 川 口 大 輔 , 伊 藤 慎 吾 , 小 西 隆 之 , 高 川 亮 ,
南 裕 太 , 成 井 一 隆 , 盛 田 知 幸 , 福 島 忠 男 , 茂 垣 雅 俊 ,
長 堀 薫
症 例 は67 歳 男 性 。 半 年 前 に 急 性 胆 嚢 炎 に 対 する 開 腹 胆 嚢 摘 出 術 を 施 行
し、その 際 胆 道 造 影 で 非 拡 張 型 の 膵 胆 管 合 流 異 常 (komi…IIb)を 認 めた
ため 外 来 で 経 過 観 察 中 であった。 半 年 後 のMRI 検 査 で 肝 S5,8 辺 縁 被 膜
下 にT1、T2 共 に 内 部 に 淡 いhigh…intensity…areaが 混 在 した…25mm 大
のlow…intensity…area…を 認 めた。 発 熱 、 疼 痛 、 炎 症 反 応 上 昇 など 感 染
徴 候 を 示 唆 する 所 見 はなく、 画 像 所 見 からは 肉 芽 腫 やSFT、 血 腫 など
の 良 性 病 変 を 疑 ったがさらに 半 年 後 のMRIでは52mm 大 と 増 大 傾 向 で
ありdynamicCT 検 査 では 早 期 相 、 後 期 相 共 にわずかに 造 影 される
52x17mm 大 の 腫 瘍 を 認 めた。 周 囲 の 肝 実 質 との 境 界 は 不 明 瞭 であり、
周 囲 肝 実 質 は 早 期 で 濃 染 し、 後 期 でiso…densityを 伴 い 被 膜 下 腫 瘍 に 伴
う 圧 排 所 見 を 認 めた。 増 大 傾 向 にあることから 悪 性 腫 瘍 の 可 能 性 もあ
り 外 科 治 療 の 方 針 とした。 右 肋 弓 下 切 開 で 開 腹 すると 肝 S5,8 表 面 に 右
横 隔 膜 、 肝 の 両 者 に 強 固 に 癒 着 する 腫 瘤 を 認 めた。 癒 着 していた 横 隔
膜 を 全 層 合 併 切 除 し、 肝 右 葉 を 授 動 後 に 腫 瘤 の 癒 着 していた 肝 を
Microtaze®で 切 離 線 上 を 焼 灼 後 にCUSA、TissueLink®を 用 いてドー
ム 状 に 無 阻 血 下 に 部 分 切 除 した。 検 体 の 中 心 には 結 石 を 認 め、その 周
囲 に 膿 瘍 、さらにその 外 側 に 周 囲 浸 潤 性 の 肉 芽 組 織 を 認 めた。 病 理 学
的 にも 悪 性 所 見 は 認 めず、 腹 腔 内 落 下 結 石 による 横 隔 膜 下 膿 瘍 であっ
た。 腹 腔 内 落 下 結 石 は 術 後 に 腹 腔 内 膿 瘍 を 形 成 する 可 能 性 があり、 本
症 例 のように 自 覚 症 状 に 乏 しい 例 も 存 在 することから、 術 中 に 可 能 な
限 り 回 収 する 必 要 がある。 術 前 診 断 が 困 難 であった 肝 被 膜 下 腫 瘤 の 一
例 を 経 験 したため 文 献 的 に 考 察 を 加 え 報 告 する。
P62-3 胆 嚢 炎 による 胆 嚢 穿 孔 の 特 徴 と 予 後
飯 塚 病 院
○… 播 本 憲 史 , 梶 山 潔 , 永 田 茂 行 , 由 茅 隆 文 , 長 家 尚
【 背 景 ・ 目 的 】 胆 嚢 穿 孔 は 胆 嚢 炎 の 中 でも 稀 な 病 態 であるが、 急 性 腹
症 として 発 症 し、 迅 速 な 対 応 が 必 要 となる。 今 回 その 臨 床 的 特 徴 と 予
後 を 明 らかにすることを 目 的 に、 当 院 での 胆 嚢 穿 孔 症 例 を 解 析 した。
【 対 象 ・ 方 法 】 当 院 において 胆 嚢 炎 による 胆 嚢 穿 孔 に 対 して 胆 嚢 摘 出
術 を 施 行 された29 例 (1994 年 1 月 ~2011 年 12 月 )を 対 象 とし、 臨 床 病 理
学 的 検 討 を 行 なった。【 結 果 】 平 均 年 齢 72 歳 (34~91 歳 )、 男 性 23 例 、
女 性 6 例 、ASAスコアは2:3:4=7(24%):17(59%):5(17%)、PS3 以
上 は8 例 (28%)がであった。 胆 嚢 穿 孔 のNiemeimerの 分 類 ではtypeI 腹
膜 炎 13 例 、typeII 胆 嚢 周 囲 膿 瘍 10 例 、typeIII 瘻 孔 形 成 6 例 ( 十 二 指 腸 瘻
5 例 、 横 行 結 腸 瘻 1 例 )であった。 胆 嚢 周 囲 膿 瘍 2 例 は 経 過 中 に 腹 膜 炎 を
きたし 緊 急 手 術 となった。 症 状 の 訴 えが 不 能 な 患 者 が 多 く、 診 断 には
造 影 CTが 有 用 であった。 発 症 から 治 療 開 始 までの 期 間 は 中 央 値 4 日 (0
日 ~97 日 )、 入 院 から 手 術 までの 期 間 は 中 央 値 2 日 (0 日 ~20 日 )であった。
完 全 瘻 孔 形 成 症 例 は 待 機 的 手 術 を 行 い、それ 以 外 は 全 例 緊 急 手 術 を
行 った。 術 式 は 全 例 胆 嚢 摘 出 術 を 行 い、2 例 のみ 腹 腔 鏡 下 にて 完 遂 した。
平 均 手 術 時 間 168 分 、 平 均 出 血 量 611ml、 胆 石 を 認 めなかったものは
15 例 (51.7%)と 多 かった。 病 理 組 織 学 的 検 査 では 全 例 炎 症 性 変 化 を 認 め、
胆 嚢 癌 は2 例 (6.9%)であった。 平 均 在 院 日 数 28 日 、 在 院 死 亡 3 例 (10.3%)
で あ り、physiological…and…operative…score…for…the…enumeration…of…
mortality…and…mobidity…(POSSUM)スコアで 求 めた 予 想 死 亡 率 60% 以
上 は 全 員 死 亡 で あ っ た。 合 併 症 は20 例 (68.9%)に 発 生 し、clavien…
grade…IV 以 上 は8 例 (27.5%)で、III 以 下 に 比 べ 有 意 にPOSSUMスコア
が 高 値 であった。【 結 論 】 胆 嚢 穿 孔 は 重 篤 な 全 身 合 併 症 を 有 する 高 齢
者 に 多 く、 迅 速 的 確 な 診 断 が 重 要 であり、 予 後 予 測 にはPOSSUMス
コアが 有 用 であると 思 われた。
P62-4 非 穿 孔 性 胆 嚢 炎 により 発 症 した 漏 出 性 胆 汁 性 腹 膜 炎 の
1 例
JA 岐 阜 揖 斐 厚 生 病 院 外 科
○… 小 森 充 嗣 , 土 屋 十 次 , 立 花 進 , 熊 澤 伊 和 生 , 西 尾 公 利 ,
佐 野 仁 哉 , 安 福 至
【はじめに】 胆 石 や 胆 嚢 穿 孔 が 明 らかでない 漏 出 性 胆 汁 性 腹 膜 炎 は 本
邦 で 自 験 例 を 含 め11 例 で 極 めて 稀 である。その 病 態 ・ 治 療 について 文
献 的 考 察 を 加 え 報 告 する。【 症 例 】82 歳 、 男 性 。 受 診 1 日 前 から 続 く 強
い 腹 痛 、 発 熱 (37.9℃)を 主 訴 に 当 院 内 科 を 受 診 された。 血 液 検 査 及 び
腹 部 CT, 超 音 波 検 査 を 施 行 され 白 血 球 8000/micro-l,CRP1.23mg/dlと
軽 度 炎 症 所 見 (その 他 明 らかな 血 液 データ 異 常 は 認 めなかった), 胆 嚢
壁 , 肝 十 二 指 腸 間 膜 及 び 右 腎 周 囲 の 著 明 な 浮 腫 , 肝 周 囲 の 高 度 腹 水 を
認 め, 右 上 腹 部 に 腹 膜 刺 激 症 状 も 併 発 していたため 急 性 壊 死 性 胆 嚢 炎
を 疑 われ 当 科 紹 介 , 手 術 目 的 で 入 院 となった。 開 腹 すると 胆 嚢 周 囲 に
は 多 量 の 胆 汁 が 貯 留 し, 術 前 のCTの 如 く 肝 十 二 指 腸 間 膜 及 び 右 腎 周
囲 の 著 明 な 浮 腫 を 認 め 浮 腫 部 の 漿 膜 を 一 部 切 開 すると 胆 汁 が 漏 出 して
きた。 胆 嚢 壁 は 一 部 暗 赤 色 に 変 化 し 同 部 の 壊 死 に 伴 う 穿 孔 を 疑 い, 胆
嚢 を 用 手 的 に 圧 迫 するも 変 色 部 からの 胆 汁 の 漏 出 は 認 めなかった。 以
上 より 非 穿 孔 性 胆 嚢 炎 のもと 手 術 は 胆 嚢 摘 出 術 及 びドレナージ 術 を 行
い 終 了 とした。 術 後 の 経 過 は 良 好 で12PODに 退 院 となった。 病 理 学
的 検 索 でも 明 らかな 穿 孔 部 は 認 めず, 漿 膜 下 層 の 肥 厚 と 脂 肪 織 炎 の 所
見 を 認 めるのみであった。【 考 察 ・ 結 語 】 自 験 例 は 明 らかな 穿 孔 部 は
認 めないものの 広 範 囲 に 胆 汁 漏 出 を 認 めた。 開 腹 所 見 にあるように 胆
嚢 壁 が 一 部 分 虚 血 性 変 化 を 認 めていることから 同 部 RASの 脆 弱 化 が
引 き 金 となり 周 囲 に 胆 汁 の 漏 出 を 引 き 起 こしたと 考 えられた。 過 去 の
報 告 にもあるように 本 症 は 高 齢 者 に 発 症 することが 多 く 全 身 状 態 の 悪
化 を 回 避 するためにも 適 切 な 時 期 を 逸 せず 手 術 を 含 めた 加 療 を 行 う 必
要 があると 思 われた。
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