タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P69-4 膵 石 症 に 併 発 した 仮 性 嚢 胞 が 後 腹 膜 腔 へ 穿 破 した1 例
石 切 生 喜 病 院 外 科
○… 田 中 肖 吾 , 倉 島 夕 紀 子 , 上 西 崇 弘 , 山 本 隆 嗣
【 症 例 】 患 者 は60 歳 代 , 男 性 . 平 成 23 年 10 月 下 旬 左 季 肋 部 痛 , 発 熱 を
主 訴 に 近 医 を 受 診 . 腎 周 囲 に 液 体 貯 留 を 指 摘 され, 精 査 加 療 目 的 に 当
院 へ 紹 介 となった. 受 診 時 左 側 腹 部 の 疼 痛 および 圧 痛 を 伴 っていたも
のの 反 跳 痛 や 筋 性 防 御 は 認 めなかった. 血 液 検 査 では 炎 症 所 見 の 著 明
な 亢 進 および 血 清 アミラーゼ 値 の 上 昇 を 認 めた. 腹 部 Dynamic…CT 像
上 , 膵 体 部 から 尾 部 にかけて 主 膵 管 内 に 結 石 を 多 数 認 め,その 尾 側 に
嚢 胞 を 形 成 していた.そして 嚢 胞 に 連 続 するように 腎 前 筋 膜 を 越 えて
左 腎 および 副 腎 周 囲 への 広 がりを 認 めた.また 脾 静 脈 は 閉 塞 し, 右 胃
大 網 静 脈 への 側 副 血 行 路 を 認 めた. 以 上 より 膵 仮 性 嚢 胞 の 後 腹 膜 への
穿 破 と 診 断 し,11 月 に 脾 合 併 膵 体 尾 部 切 除 術 を 施 行 した. 標 本 割 面 で
は 主 膵 管 内 に 膵 石 散 在 し, 尾 部 背 側 に 嚢 胞 を 認 めた. 病 理 組 織 学 的 に
嚢 胞 壁 は 線 維 性 結 合 織 で 形 成 されており, 仮 性 膵 嚢 胞 と 診 断 した. 背
景 膵 は 慢 性 膵 炎 で 異 型 細 胞 は 認 めなかった. 術 後 経 過 は 良 好 で 術 後 10
日 目 で 退 院 となった. 膵 仮 性 嚢 胞 は 胃 や 大 腸 への 穿 通 , 腹 腔 への 穿 孔
などを 来 たすことがあるが, 後 腹 膜 腔 へ 穿 破 することは 非 常 にまれで
ある. 若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告 する.
P69-5 膵 癌 との 鑑 別 が 困 難 であった 腫 瘤 形 成 性 膵 炎 の 一 例
田 附 興 風 会 北 野 病 院 消 化 器 外 科
○… 吉 冨 摩 美 , 飯 田 拓 , 門 野 賢 太 郎 , 寺 嶋 宏 明 ,
尾 崎 信 弘
症 例 は50 代 女 性 。 慢 性 C 型 肝 炎 に 対 して 施 行 された 腹 部 超 音 波 検 査 で、
膵 頭 部 に 径 13mmの 低 エコー 腫 瘤 を 指 摘 された。 腹 部 ダイナミック
CTでは 造 影 効 果 に 乏 しく、MRIではT1W1で 低 信 号 、T2W1で 僅 かに
高 信 号 を 呈 した。PET-CTでは、 同 部 位 に 軽 度 集 積 (SUV3.6)を 認 めた。
ERCPでは 膵 管 の 不 整 や 狭 窄 を 認 めず、 膵 液 細 胞 診 でも 悪 性 所 見 は 認
めなかった。 分 枝 由 来 の 膵 癌 を 疑 い、 亜 全 胃 温 存 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 施
行 した。
摘 出 標 本 では15mm 大 の 黄 白 色 、 辺 縁 整 な 腫 瘤 を 認 め、 病 理 所 見 では
同 腫 瘤 内 に 悪 性 所 見 は 認 めず、リンパ 球 、 形 質 細 胞 を 主 体 とした 炎 症
細 胞 浸 潤 と 線 維 化 、 閉 塞 性 静 脈 炎 が 認 められた。 限 局 性 の 自 己 免 疫 性
膵 炎 が 示 唆 される 所 見 であったが、IgG4 陽 性 細 胞 はIgG 陽 性 細 胞 の
10% 以 下 であった。 膵 癌 との 術 前 鑑 別 診 断 および 病 理 学 的 診 断 が 非 常
に 困 難 であった 腫 瘤 形 成 性 膵 炎 を 経 験 したので、 若 干 の 文 献 的 考 察 を
含 め 報 告 する。
P69-6 早 期 膵 癌 との 鑑 別 が 困 難 であった 慢 性 膵 炎 の1 切 除 例
1
東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 肝 胆 膵 外 科 、 2 東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 外 科 学 講
座
○… 岩 瀬 亮 太 1
, 三 澤 健 之 1
, 柴 浩 明 1
, 古 川 賢 英 1
, 鈴 木 文 武 1
,
伊 藤 隆 介 1
, 後 町 武 志 1
, 二 川 康 郎 1
, 春 木 孝 一 郎 1
,
藤 原 佑 樹 1
, 脇 山 茂 樹 1
, 石 田 祐 一 1 2
, 矢 永 勝 彦
【 症 例 】43 歳 男 性 。 健 康 診 断 の 腹 部 超 音 波 検 査 で10mm 大 の 膵 体 部 腫
瘍 を 指 摘 され、 当 科 紹 介 となった。 既 往 歴 に 特 記 すべきことなし。 腹
部 MRIにて 膵 体 部 での 主 膵 管 不 明 瞭 化 と 尾 側 膵 管 軽 度 拡 張 を 認 め、 造
影 CTでは 膵 体 部 に 最 大 径 10mmの 造 影 増 強 効 果 不 明 瞭 な 結 節 病 変 を
認 めた。 腫 瘍 マーカーはCEA…5.5…ng/ml、CA19-9…12…U/ml、
DUPAN2…25…U/mlで 正 常 範 囲 内 であった。 腹 部 超 音 波 では、 膵 体 部
に 最 大 8mm、 不 整 形 のhypoecoic…tumorを 認 め、 内 部 には 血 流 を 認 め
なかった。ERCPでは 体 部 膵 管 の 狭 窄 と 尾 側 膵 管 拡 張 を 認 め、EUSで
も8mm 大 の 不 整 形 のhypoecoic…tumorと 尾 側 膵 管 拡 張 を 認 めた。 以 上
の 所 見 より 膵 体 部 癌 の 診 断 にて 膵 体 尾 部 脾 切 除 術 を 行 った。 病 理 診 断
では、 主 膵 管 内 に 濃 縮 した 膵 液 の 貯 留 、 膵 管 円 柱 上 皮 の 脱 落 がみられ、
10x11mm 大 の 不 整 形 結 節 状 の 線 維 化 巣 、 肉 芽 腫 形 成 を 認 めた。 悪 性
所 見 を 認 めず、 慢 性 膵 炎 の 診 断 であった。【まとめ】 慢 性 膵 炎 は 時 と
して 膵 癌 との 術 前 鑑 別 診 断 が 困 難 となることがある。 今 回 、 我 々は 早
期 膵 癌 との 鑑 別 が 困 難 であった 慢 性 膵 炎 の1 切 除 例 を 経 験 したので 文
献 的 考 察 を 加 え 報 告 する。
P69-7 硬 化 性 胆 管 炎 を 合 併 したIgG4 関 連 自 己 免 疫 性 膵 炎 の 一
例
市 立 藤 井 寺 市 民 病 院 外 科
○… 浦 田 順 久 , 金 田 和 久 , 栄 政 之 , 寺 倉 政 伸
【はじめに】 肝 門 部 胆 管 癌 と 鑑 別 が 困 難 である 良 性 の 胆 道 狭 窄 の 疾 患
として、 近 年 IgG4 関 連 硬 化 性 胆 管 炎 が 注 目 されている。ステロイド
に 著 効 する 疾 患 であり、 不 必 要 な 手 術 を 避 けるためにも 術 前 の 診 断 が
非 常 に 重 要 である。 今 回 我 々は、IgG4 関 連 自 己 免 疫 性 膵 炎 及 び 硬 化
性 胆 管 炎 と 診 断 し、 外 科 的 切 除 を 回 避 できた 症 例 を 経 験 したので 報 告
する。【 症 例 】82 歳 、 男 性 。 高 血 圧 症 で 近 医 通 院 中 、 胆 道 系 酵 素 の 上
昇 を 指 摘 され、 当 院 へ 紹 介 された。 血 液 生 化 学 検 査 上 、ALP…1055…
IU/L,… γGTP…675…mg/dLと 胆 道 系 酵 素 の 上 昇 が 認 められたが、T-Bil…
0.8…mg/dLと 基 準 値 範 囲 内 であった。 腹 部 CT 像 において、 左 肝 内 胆
管 の 拡 張 像 が 認 められたが、 明 らかな 腫 瘤 性 病 変 は 認 めなかった。 腹
部 MRI 像 上 、CT 同 様 に 左 肝 内 胆 管 の 拡 張 と 膵 実 質 のびまん 性 腫 大 が
認 められた。PET-CT 像 上 、 左 肝 内 胆 管 および 膵 実 質 にそれぞれ
SUVmax…5.0と5.3の 異 常 集 積 が 認 められた。 胆 管 癌 や 膵 癌 の 可 能 性 を
考 え、ERCPを 施 行 したが、 明 らかな 胆 管 壁 の 不 整 、 膵 管 途 絶 像 およ
び 腫 瘤 像 は 認 めなかった。 擦 過 細 胞 診 の 結 果 はClassIであった。 血 液
検 査 においてCA19-9は239…U/mLと 上 昇 しており、 膵 炎 マーカーは 異
常 高 値 であった。 画 像 所 見 ならびに 細 胞 診 で 悪 性 所 見 がなく、 良 性 胆
道 狭 窄 の 可 能 性 も 考 えられた。 血 清 IgGが1817…mg/dL、 血 清 IgG4が
245…mg/dLと 上 昇 しており、IgG4 関 連 自 己 免 疫 性 膵 炎 とその 肝 外 病
変 である 硬 化 性 胆 管 炎 の 合 併 と 診 断 し、ステロイド 導 入 目 的 に 入 院 と
なった。ステロイド 内 服 開 始 後 より 速 やかに 胆 道 系 酵 素 は 減 少 し、 画
像 上 も 膵 実 質 のびまん 性 腫 大 および 膵 被 膜 様 構 造 は 消 失 し、 肝 内 胆 管
拡 張 の 改 善 が 認 められた。 現 在 、 維 持 量 としてPSL…5mg 内 服 中 であり、
明 らかな 再 燃 は 認 めていない。【 考 察 】 肝 内 胆 管 癌 と 良 性 胆 管 狭 窄 の
鑑 別 に 難 渋 することは 少 なくない。 各 種 検 査 で 完 全 に 悪 性 を 否 定 しき
れずに、 最 終 的 に 外 科 的 切 除 を 選 択 せざるを 得 ない 場 合 も 多 い. 良 悪
の 確 診 を 得 られない 症 例 では、 自 験 例 のようにIgG4 関 連 自 己 免 疫 性
膵 炎 に 合 併 する 硬 化 性 胆 管 炎 も 鑑 別 疾 患 にあげる 必 要 があると 思 われ
た。
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