タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P58-2 胆 嚢 癌 と 診 断 され 外 科 切 除 が 行 われた 胆 嚢 良 性 疾 患 13
例 の 臨 床 病 理 学 的 検 討
1
国 立 がん 研 究 センター 中 央 病 院 肝 胆 膵 外 科 、 2 国 立 がん 研 究 セ
ンター 中 央 病 院 病 理 診 断 部
○… 堀 周 太 郎 1
, 島 田 和 明 1
, 大 黒 聖 二 1
, 岸 庸 二 1
, 奈 良 聡 1
,
江 崎 稔 1
, 小 菅 智 男 1 2
, 平 岡 伸 介
【 目 的 】 画 像 診 断 技 術 が 向 上 した 現 在 でも、 胆 嚢 癌 と 胆 嚢 良 性 疾 患 の
鑑 別 は 時 に 困 難 である。 胆 嚢 癌 の 術 前 診 断 で 外 科 切 除 が 行 われた 胆 嚢
良 性 疾 患 に 対 し 臨 床 病 理 学 的 な 特 徴 を 明 らかにする。【 方 法 】 当 院 で
2004 年 1 月 から2010 年 12 月 までに、 胆 嚢 癌 の 診 断 で 外 科 切 除 が 行 われ
た88 例 のうち、 最 終 病 理 診 断 が 良 性 胆 嚢 疾 患 と 判 明 した 症 例 について、
臨 床 的 背 景 、 画 像 所 見 、 術 式 、 病 理 所 見 及 び 術 後 経 過 を 検 討 した。【 結
果 】 胆 嚢 癌 の 術 前 診 断 で 外 科 切 除 が 行 われた 胆 嚢 良 性 疾 患 は13 例
(15%)であった。 平 均 年 齢 は65.2 歳 で、 性 別 は 男 性 9 例 、 女 性 4 例 であっ
た。3 例 が 黄 疸 で 発 症 し 減 黄 処 置 を 要 した。7 例 で 腹 痛 の 既 往 を 認 めた
が、 血 液 生 化 学 検 査 で 炎 症 反 応 の 異 常 を 呈 したのは1 例 であった。
CA19-9… が 高 値 を 示 す 症 例 が2 例 (15%) 認 められた。CTや 腹 部 超 音 波 、
MRIの 画 像 所 見 は12 例 (92%)で 胆 嚢 壁 の 造 影 効 果 を 伴 う 肥 厚 を 呈 し、
5 例 (38%)で 肝 内 直 接 浸 潤 、5 例 (38%)で 肝 外 胆 管 浸 潤 、1 例 で 十 二 指
腸 浸 潤 所 見 が 認 められた。4 症 例 で 拡 大 肝 右 葉 切 除 が 予 定 され 経 皮 経
肝 門 脈 塞 栓 術 が 行 われた。いずれの 症 例 も 画 像 診 断 で 胆 嚢 癌 が 疑 われ、
術 前 に 細 胞 診 、 組 織 診 は 行 われなかった。 術 式 は 拡 大 胆 嚢 摘 出 術 7 例
(54%)、 拡 大 右 葉 切 除 術 3 例 (23%)が 行 われた。3 例 は 術 中 所 見 で 胆 嚢
癌 の 診 断 が 否 定 され、 単 純 胆 嚢 摘 出 術 が 行 われた。 拡 大 胆 嚢 摘 出 術 が
行 われた7 例 中 、 肝 外 胆 管 切 除 は2 例 に 行 われた。 平 均 手 術 時 間 は378
分 で 出 血 量 の 中 央 値 は542mlであった。1 例 にGrade…Bの 膵 液 瘻 を 認 め
たが、 他 は 重 篤 な 合 併 症 を 認 めなかった。 術 後 在 院 日 数 の 中 央 値 は16
日 であった。 病 理 診 断 は5 例 (38%)が 黄 色 肉 芽 腫 性 胆 嚢 炎 、7 例 (54%)
が 慢 性 胆 嚢 炎 、1 例 が 胆 嚢 腺 筋 症 であった。 画 像 診 断 で 指 摘 された 胆
嚢 壁 肥 厚 は 病 理 組 織 学 的 には 肉 芽 腫 を 伴 う 膿 瘍 (6 例 )、 肉 芽 腫 (3 例 )、
Rokitansky-Aschoff…Sinusの 増 生 (1 例 )と 炎 症 性 の 線 維 増 生 (1 例 )で
あった。8 例 に 胆 石 の 合 併 を 認 めた。【 結 論 】 画 像 診 断 では 胆 嚢 癌 と 良
性 炎 症 性 疾 患 を 鑑 別 できず15%の 症 例 で 外 科 切 除 が 行 われた。 術 前 細
胞 ・ 組 織 診 断 は 技 術 的 にも 困 難 で、 手 術 の 安 全 性 を 考 慮 すると 現 時 点
では 診 断 的 切 除 もやむを 得 ないと 思 われた。
P58-3 胆 嚢 癌 を 否 定 しえなかった 黄 色 肉 芽 腫 性 胆 嚢 炎 の1 切
除 例
名 古 屋 第 一 赤 十 字 病 院 一 般 消 化 器 外 科
○… 服 部 正 興 , 宮 田 完 志 , 湯 浅 典 博 , 竹 内 英 司 , 三 宅 秀 夫 ,
永 井 英 雅 , 井 村 仁 郎 , 河 合 奈 津 子 , 川 上 次 郎 , 青 山 広 希 ,
植 木 美 穂 , 浅 井 宗 一 郎 , 工 野 玲 美 , 張 丹 , 岩 瀬 まどか,
山 下 浩 正 , 小 林 陽 一 郎
【 症 例 】62 歳 男 性 【 主 訴 】スクリーニング 超 音 波 で 以 上 を 指 摘 【 現 病
歴 】 脳 梗 塞 、 高 血 圧 、 糖 尿 病 で 近 医 経 過 観 察 中 の 腹 部 超 音 波 で 胆 嚢 に
異 常 を 指 摘 され、2011 年 5 月 当 院 を 紹 介 受 診 した。CEA3.0ng/ml、
CA19-9…320.9U/ml。CTで 胆 嚢 粘 膜 は 比 較 的 均 一 に 造 影 されたが、 胆
嚢 管 粘 膜 は 不 整 で、 胆 嚢 体 ・ 頚 部 、 胆 嚢 管 優 位 に 乏 血 性 でわずかに 小
嚢 胞 構 造 を 伴 う 壁 肥 厚 を 認 めた。この 壁 肥 厚 は 周 囲 の 肝 実 質 、 門 脈 本
幹 から 門 脈 右 枝 、 右 肝 動 脈 、 十 二 指 腸 に 進 展 していた。 胆 嚢 管 、 胆 嚢
内 に 結 石 を 認 めた。 肝 内 胆 管 と 総 胆 管 の 経 度 拡 張 を 認 めた。EUSでは
胆 嚢 に 結 石 が 充 満 したため、 胆 嚢 壁 の 評 価 は 不 十 分 であった。MPCP
では 胆 嚢 管 の 途 絶 像 を 認 めた。ERCP、 胆 汁 細 胞 診 は 行 っていない。
2か 月 後 に 施 行 したCTで、 壁 肥 厚 進 展 範 囲 は、 門 脈 本 幹 の 約 半 周 にわ
たり、 左 右 分 岐 部 の 頭 側 に 及 んでいた。 胃 十 二 指 腸 壁 肥 厚 も 増 強 し、
胃 の 拡 張 も 生 じていた。CA19-9は1498U/mlと 上 昇 した。A. 胆 嚢 粘 膜
面 の 均 一 な 造 影 、B. 小 嚢 胞 構 造 を 伴 う 壁 肥 厚 、C. 胆 嚢 管 結 石 の 存 在 に
より 黄 色 肉 芽 腫 性 胆 嚢 炎 を 考 慮 したが、A. 経 時 的 に 腫 瘍 マーカーの 上
昇 を 認 め、B. 病 変 の 増 大 を 伴 うことから 胆 嚢 管 癌 の 合 併 を 否 定 できな
い 以 上 、これ 以 上 経 過 観 察 での 悪 化 は 切 除 限 界 を 超 えると 判 断 し、
2011 年 7 月 肝 右 葉 尾 状 葉 切 除 、 胃 十 二 指 腸 部 分 切 除 、 門 脈 切 除 再 建 、
胆 管 空 腸 吻 合 、 胃 空 腸 吻 合 術 を 施 行 した。 手 術 時 間 899 分 、 出 血 量
1950mlであった。 経 過 はおおむね 良 好 で、 術 後 33 日 に 退 院 した。 切
除 標 本 では 胆 嚢 頚 部 から 胆 嚢 管 に 黄 褐 色 の 結 石 の 嵌 頓 を 認 め、 周 囲 組
織 は 膿 状 を 呈 していた。 病 理 組 織 学 的 に 全 層 性 に 炎 症 性 細 胞 の 浸 潤 を
認 めたが、 悪 性 像 はなく、 黄 色 肉 芽 腫 性 胆 嚢 炎 と 診 断 された。 黄 色
肉 芽 腫 性 胆 嚢 炎 はしばしば 胆 嚢 癌 との 鑑 別 が 困 難 で、また 併 存 するこ
ともあり 診 断 に 苦 慮 する。 今 回 我 々は 黄 色 肉 芽 腫 性 胆 嚢 炎 を 疑 いつつ、
悪 性 を 否 定 できなかった 症 例 を 経 験 したので 報 告 する。
P58-4 胆 嚢 癌 との 鑑 別 が 困 難 であった 膿 瘍 形 成 性 黄 色 肉 芽 腫
性 胆 嚢 炎 の1 例
1
聖 マリアンナ 医 科 大 学 横 浜 市 西 部 病 院 一 般 消 化 器 外 科 、 2 同
病 院 病 院 病 理 部 、 3 聖 マリアンナ 医 科 大 学 消 化 器 ・ 一 般 外 科
○… 諏 訪 敏 之 1
, 戸 部 直 孝 1
, 三 原 良 孝 1
, 亀 井 奈 津 子 1
,
石 井 将 光 1
, 住 吉 賢 1
, 西 川 徹 1
, 四 万 村 司 1
, 田 中 圭 一 1
,
中 野 浩 1
, 相 田 芳 夫 2 3
, 大 坪 毅 人
今 回 われわれは 胆 嚢 癌 との 鑑 別 が 困 難 であった 膿 瘍 形 成 性 黄 色 肉 芽 腫
性 胆 嚢 炎 の1 例 を 経 験 したので 報 告 する。 症 例 は80 代 , 男 性 。 初 診 の1
カ 月 ほど 前 より 吐 気 , 嘔 吐 出 現 し 近 医 受 診 , 内 服 加 療 にて 経 過 観 察 さ
れるも 症 状 改 善 せず。また1カ 月 で 約 5kgの 体 重 減 少 も 認 め 当 科 紹 介 ,
精 査 加 療 目 的 で 即 入 となった。 入 院 時 の 現 症 は, 発 熱 はなく 下 腹 部
に 軽 度 の 圧 痛 を 認 めるのみであった。 血 液 検 査 所 見 ではCRP5.96mg/
dlと 上 昇 していた 以 外 , 特 記 事 項 なく, 腫 瘍 マーカーはCEA,CA19-9
はいずれも 正 常 値 であった。 腹 部 超 音 波 で 胆 嚢 壁 の 肥 厚 を 認 め 頸 部 に
結 石 を 認 めた。 壁 の 一 部 は 腫 瘍 性 に 肥 厚 し 胃 壁 と 腫 瘍 の 境 界 は 不 明 瞭
であった。 腹 部 CTで 胆 嚢 壁 より 壁 外 性 に 発 育 する 腫 瘍 性 病 変 を 認 め
腫 瘍 と 胃 壁 の 境 界 は 不 明 瞭 で 浸 潤 が 疑 われた。また 腫 瘍 による 胃 の 通
過 障 害 を 認 めた。 上 部 消 化 管 内 視 鏡 で 幽 門 の 変 形 を 認 めfiber 通 過 は
困 難 であった。 十 二 指 腸 球 部 粘 膜 の 発 赤 を 認 めたが, 明 らかな 腫 瘍 性
病 変 は 認 めなかった。 以 上 より 確 定 診 断 には 至 らなかったものの, 第
一 に 胆 嚢 癌 (cT4,cN2cM0,cStageIVb)を 疑 った。 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術
+ 肝 床 部 切 除 術 を 予 定 し, 開 腹 手 術 を 行 った。 肝 門 部 に 小 手 拳 大 の 腫
瘍 を 触 知 し 腫 瘍 は 胃 前 庭 部 から 十 二 指 腸 下 行 脚 かけて,また 横 行 結 腸
とも 癒 着 を 認 めた。 肝 動 脈 , 門 脈 は 強 固 に 癒 着 し 剥 離 に 難 渋 した。 肝
床 切 除 の 際 , 胆 管 の 断 端 より 膿 の 流 出 を 認 めた。 腫 瘍 と 膵 頭 部 は 剥 離
可 能 であったため, 膵 切 除 はせず 肝 床 部 切 除 + 肝 外 胆 道 切 除 + 幽 門 側
胃 切 除 術 で 腫 瘍 を 摘 出 した。 摘 出 標 本 で 胆 嚢 壁 の 著 明 な 肥 厚 を 認 めた。
胆 嚢 内 腔 に 膿 の 貯 留 を 認 め 頸 部 には 結 石 が 陥 頓 していた。 病 理 組 織 学
的 には 肥 厚 した 胆 嚢 壁 にXanthogranuromatous…inflammationを 認 め,
膿 瘍 形 成 を 伴 っていた。 明 らかな 悪 性 所 見 は 認 めなかった。 黄 色 肉 芽
腫 性 胆 嚢 炎 は 胆 嚢 壁 の 著 明 な 肥 厚 を 伴 う 胆 嚢 炎 の 一 亜 型 で 発 生 頻 度 は
全 胆 嚢 摘 出 例 の3.3~4.7%とされている。 胆 嚢 癌 との 鑑 別 が 困 難 で 拡 大
手 術 が 施 行 されることも 多 い。 今 回 われわれは 膿 瘍 形 成 性 黄 色 肉 芽 腫
性 胆 嚢 炎 の1 例 を 経 験 したので 報 告 する。
P58-5 胆 嚢 癌 との 鑑 別 が 困 難 であった 黄 色 肉 芽 腫 性 胆 嚢 炎 の
1 例
豊 橋 医 療 センター 外 科
○… 野 村 尚 弘 , 市 原 透
症 例 は79 歳 、 男 性 。 右 季 肋 部 痛 にて 近 医 受 診 し、 胆 石 、 胆 嚢 炎 の 診 断
で 保 存 的 治 療 を 施 行 後 、 手 術 目 的 で 当 院 紹 介 となった。 造 影 CTにて、
胆 嚢 の 腫 大 、 胆 嚢 壁 のびまん 性 肥 厚 と、 肥 厚 した 壁 内 にRokitansky-
Aschoff…sinus 様 の 低 吸 収 域 を 認 め、 黄 色 肉 芽 腫 性 胆 嚢 炎
(Xanthogranulomatous…cholecystisis; 以 下 XGC)を 第 一 に 疑 った。し
かし、CA19-9が25,340…U/mlと 異 常 高 値 であったため、 胆 嚢 癌 の 可 能
性 を 考 えFDG-PETを 施 行 したところ、 胆 嚢 壁 全 体 に 異 常 集 積
(SUVmax15.9)を 認 めた。 以 上 より、XGCまたは 胆 嚢 癌 を 疑 ったが、
確 定 診 断 は 困 難 で 開 腹 手 術 を 施 行 した。 胆 嚢 を 全 層 切 除 で 摘 出 し 術 中
迅 速 病 理 検 査 に 提 出 したところ、 悪 性 所 見 はなくXGCと 診 断 された。
永 久 標 本 による 最 終 病 理 診 断 でも 悪 性 所 見 はなく、XGCの 診 断 であっ
た。XGCは 胆 嚢 癌 との 鑑 別 が 困 難 で、 拡 大 手 術 がなされることがし
ばしばある。 今 回 、 術 中 迅 速 病 理 検 査 にて 診 断 し 過 大 侵 襲 を 加 えるこ
となく 治 療 しえたXGCの1 例 を 経 験 したので 報 告 する。
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