タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

PD7-3
腹 腔 鏡 補 助 下 膵 体 尾 部 切 除 術 後 に 広 範 な 上 腸 間 膜 血 栓
症 のため 緊 急 手 術 を 行 った1 例
名 古 屋 大 学 腫 瘍 外 科
○… 安 藤 公 隆 , 横 山 幸 浩 , 江 畑 智 希 , 伊 神 剛 , 菅 原 元 ,
高 橋 祐 , 國 料 俊 男 , 角 田 伸 行 , 深 谷 昌 秀 , 上 原 圭 介 ,
板 津 慶 太 , 吉 岡 裕 一 郎 , 梛 野 正 人
症 例 は48 歳 ,… 女 性 .…2011 年 7 月 ,… 膵 体 部 の1…cm 大 の 内 分 泌 腫 瘍 の 診 断
で 腹 腔 鏡 補 助 下 膵 体 尾 部 切 除 ,… 脾 摘 術 を 施 行 した.… 手 術 時 間 289 分 ,… 出
血 量 101…ml.… 膵 切 離 は 門 脈 直 上 で 行 い,… 膵 断 端 と 左 横 隔 膜 下 に10…mm
フラットドレーンを 留 置 し 持 続 吸 引 した.… 術 後 ,…ISGPF 分 類 …Grade…Bの
膵 液 瘻 でドレナージ 中 であったが,… 患 者 希 望 により 術 後 9 日 目 に 退 院
した.…また,… 術 後 より 徐 々に 血 小 板 数 が 増 加 し13 日 目 には126.5 万 /μlに
達 したため,… 抗 凝 固 療 法 を 開 始 した.… 術 後 14 日 目 より 上 腹 部 痛 を 自 覚
しており,…17 日 目 には 嘔 吐 を 伴 う 激 痛 となったため 救 急 外 来 を 受 診 し
た.… 腹 部 には 筋 性 防 御 を 認 め 血 液 ガス 分 析 では 塩 基 過 剰 -16.8…mEq/L,…
造 影 CTでは 膵 断 端 に 留 置 したドレナージチューブが 上 腸 間 膜 静 脈 に
接 し,…これより 上 流 は 末 梢 から 本 幹 におよぶ 広 い 範 囲 で 造 影 効 果 を 認
めず,… 血 栓 と 考 えられた.… また 一 部 の 小 腸 壁 は 浮 腫 状 に 肥 厚 し 虚 血 が
疑 われた.… 門 脈 本 幹 及 び 肝 左 葉 と 前 区 域 の 肝 内 門 脈 血 流 は 保 たれてい
たが,… 後 区 域 枝 は 血 栓 により 造 影 されなかった.… 以 上 の 所 見 より,… 上 腸
間 膜 静 脈 血 栓 症 に 伴 う 小 腸 壊 死 の 術 前 診 断 で 緊 急 開 腹 術 を 施 行 した.…
腹 腔 内 には 血 性 腹 水 が 貯 留 し 腸 間 膜 は 浮 腫 で 肥 厚 しており,…Treitz 靱
帯 より60…cm 肛 門 側 から40…cmにわたり 区 域 性 に 空 腸 のうっ 血 が 著 明
で 漿 膜 面 の 色 調 は 不 良 であった.… 他 部 位 の 小 腸 もうっ 血 気 味 であった
が,… 壊 死 には 陥 っていないと 判 断 し,… 色 調 不 良 領 域 の 空 腸 部 分 切 除 を
施 行 した.… 一 期 的 吻 合 は 行 わず 口 側 と 肛 門 側 の 空 腸 断 端 で 双 孔 式 人 工
肛 門 とした.… 上 腸 間 膜 静 脈 の 血 栓 除 去 は 行 わず,… 術 後 にヘパリン 持 続
注 →ワーファリン 内 服 の 抗 凝 固 療 法 を 施 行 した.… 再 手 術 後 34 日 目 の 造
影 CTでは 上 腸 間 膜 静 脈 は 依 然 閉 塞 していたが 血 栓 は 縮 小 傾 向 にあり,…
膵 液 瘻 も 改 善 していたため 術 後 39 日 目 ( 初 回 手 術 後 56 日 目 )に 人 工 肛 門
閉 鎖 術 を 施 行 した.…その 後 も 外 来 で 抗 凝 固 療 法 を 継 続 中 である. 本 症
例 では 以 下 のような 問 題 点 が 挙 げられる.…1)… 血 栓 形 成 は 鏡 視 下 手 術 と
因 果 関 係 があるのか…2)… 脾 摘 後 血 小 板 増 多 症 ではどれくらいから 抗
凝 固 療 法 を 開 始 するべきか…3)… 広 範 囲 に 上 腸 間 膜 血 栓 を 認 める 場 合
の 手 術 術 式 はどうするべきか
PD8-1
巨 大 膵 粘 液 性 嚢 胞 性 腫 瘍 に 対 する 腹 腔 鏡 下 膵 体 尾 部 切
除 術
日 本 医 科 大 学 外 科
○… 中 村 慶 春 , 松 本 智 司 , 松 下 晃 , 吉 岡 正 人 , 清 水 哲 也 ,
山 初 和 也 , 田 尻 孝 , 内 田 英 二
【 目 的 】 腫 瘍 径 が 大 きい 症 例 の 場 合 、 腹 腔 鏡 下 切 除 術 では 十 分 な
working…spaceを 確 保 することが 難 しい。 今 回 若 年 女 性 に 発 症 した 巨
大 な 膵 粘 液 性 嚢 胞 性 腫 瘍 (MCT)に 対 し、 腹 腔 鏡 下 膵 体 尾 部 切 除 術
(Lap-DP)を 無 理 なく 安 全 に 施 行 するために 我 々の 行 った 工 夫 につい
てご 討 論 をお 願 いいたします。【 症 例 】 症 例 は37 歳 ・ 独 身 女 性 で、 身
長 170cm、 体 重 62kg、BMI21.4であった。 既 往 歴 ・ 家 族 歴 に 問 題 なく、
飲 酒 ・タバコ 歴 ・ 妊 娠 歴 もなかった。 当 院 を 受 診 する 半 年 前 から 健 康
診 断 で 腹 腔 内 腫 瘍 を 指 摘 され、 他 の 病 院 で 開 腹 術 による 切 除 を 勧 めら
れていたが 開 腹 による 大 きな 術 創 を 憂 い 拒 否 していた。そのため 腹 腔
鏡 下 手 術 による 切 除 を 希 望 して 当 院 に 紹 介 されてきた。 画 像 所 見 では、
ほぼ 膵 体 尾 部 全 域 を 占 拠 する 長 径 17cm 大 に 及 ぶ 内 部 に 結 節 のない 嚢
胞 性 病 変 が 認 められ、 脾 臓 も 腫 大 していた。MCTの 診 断 で 腹 腔 鏡 下
膵 体 尾 部 切 除 術 を 予 定 した。【 術 中 所 見 】 体 位 は 仰 臥 位 でTrocarは4
本 使 用 した。 膵 頸 部 、 脾 動 静 脈 を 切 離 し、 右 側 から 膵 体 尾 部 の 遊 離 を
始 めたが、 腫 瘍 の 体 積 で 剥 離 するスペースが 得 られなかった。 安 全 に
内 容 物 を 除 去 する 必 要 があると 判 断 し、 腫 瘍 直 上 の 左 肋 弓 下 を4cm 切
開 し 創 縁 保 護 用 のwound…protectorを 装 着 した。 直 下 に 腫 瘍 が 露 出 し、
腫 瘍 壁 を 前 後 のバルーンで 挟 みこめるdouble…balloon…catheterで
1000mlの 腫 瘍 内 容 を 直 視 下 に 吸 引 した。 減 圧 されると 腫 瘍 壁 は 体 外
に 突 出 してくるため 刺 し 口 を2 重 に 結 紮 し 体 内 に 戻 した。 経 過 中 内 容
物 は 一 滴 も 刺 し 口 から 漏 れ 出 ることはなかった。その 後 完 全 鏡 視 下 で
膵 臓 ・ 脾 臓 を 遊 離 し 同 切 開 創 から 体 外 に 取 り 出 した。 手 術 時 間 は400
分 で 出 血 量 は280mlであった。【 術 後 経 過 】 摘 出 標 本 の 病 理 結 果 は 膵
粘 液 性 嚢 胞 腺 腫 であった。Grade…Aの 膵 液 瘻 が 発 生 したが 保 存 的 に 軽
快 し、 術 後 14 日 目 に 退 院 した。 現 在 術 後 40カ 月 目 であり 合 併 症 なく 経
過 している。【 結 語 】 腫 瘍 径 、 腫 瘍 の 悪 性 度 、 患 者 ごとの 整 容 性 の 比
重 などによる 術 式 の 選 択 方 法 と、 悪 性 の 可 能 性 がある 膵 嚢 胞 性 疾 患 に
対 し 術 中 に 内 容 物 を 穿 刺 吸 引 することの 是 非 、またその 手 技 の 完 成 度
などが 焦 点 になるものと 思 われる。
PD8-2
破 裂 性 、 胆 汁 交 通 性 肝 嚢 胞 に 対 し 腹 腔 鏡 下 手 術 を 施 行 し
た1 例
独 立 行 政 法 人 労 働 者 健 康 福 祉 機 構 香 川 労 災 病 院
○… 國 土 泰 孝 , 桑 田 和 也 , 渡 辺 信 之 , 村 岡 篤
【 患 者 】83 歳 、 男 性 。 主 訴 : 腹 痛 。【 既 往 歴 】 肺 結 核 、 前 立 腺 肥 大 、
虫 垂 炎 手 術 。【 現 病 歴 】 平 成 22 年 11 月 臍 部 周 囲 に 痛 みとみとめ、 近 医
受 診 し 腹 部 超 音 波 検 査 、 上 部 消 化 管 内 視 鏡 検 査 を 行 い、 約 15cm 大 の
肝 嚢 胞 を 指 摘 されていた。3 日 後 突 然 の 下 腹 部 痛 を 認 め 近 医 受 診 。 腹
部 超 音 波 検 査 で 腹 部 全 体 に 腹 水 貯 留 と 肝 嚢 胞 を 認 めた。 肝 嚢 胞 は 約
15cm 大 であったが 虚 脱 傾 向 を 認 め 肝 嚢 胞 破 裂 による 腹 膜 炎 と 診 断 さ
れ 当 院 へ 紹 介 となった。【 現 症 】 血 圧 178/88mmHg、 体 温 37.9℃、 腹
部 全 体 に 圧 痛 を 認 めた。 腸 雑 音 は 減 弱 。【 血 液 検 査 】AST…109…U/l、
ALT…187…U/l、ALP…765…U/l、 総 ビリルビン…1.5…mg/dl、γ-GTP…164…
U/l、CRP 定 量 … 8.2… mg/dl、WBC… 75… *10^2/ul、CEA2.7… ng/ml、
CA19-9…20…U/mlと 肝 機 能 障 害 とCRP 上 昇 を 認 めた。【 腹 部 CT 検 査 】
肝 内 には 小 嚢 胞 が 多 発 し、S5から 胆 嚢 をとり 囲 む 様 に 嚢 胞 を 認 めた。
嚢 胞 は 虚 脱 し、 肝 周 囲 に 液 体 貯 留 を 認 めたため 肝 嚢 胞 の 破 裂 と 判 断 し
た。【DIC-CT】 左 右 肝 管 分 岐 部 から 前 後 区 域 分 岐 し、 後 区 域 の 胆 管 は
嚢 胞 壁 に 沿 って 走 行 していたが、 嚢 胞 内 への 造 影 剤 の 漏 出 は 認 めな
かった。【 経 過 】 破 裂 性 肝 嚢 胞 による 腹 膜 炎 と 診 断 し 緊 急 手 術 を 行 った。
臍 , 心 窩 部 に12mm、 右 側 腹 部 に5mmポート2 本 を 挿 入 し 手 術 開 始 。 腹
腔 内 には 血 性 腹 水 を 認 めた。 嚢 胞 壁 に 約 2.5cmの 破 裂 孔 を 認 め、 内 部
には 茶 褐 色 の 凝 血 塊 様 の 物 質 を 認 めた。 胆 嚢 動 脈 、 胆 嚢 管 を 切 離 後 、
嚢 胞 内 腔 を 洗 浄 したところB6の 嚢 胞 壁 に 沿 った 分 枝 から 出 血 、 胆 汁
の 漏 出 を 認 めた。 嚢 胞 の 天 蓋 部 分 を 切 離 した 後 、 胆 汁 漏 出 部 の 中 枢 側
末 梢 側 、 背 側 をMLクリップで 処 理 した。 胆 汁 流 出 、 出 血 が 止 まった
ことを 確 認 し、 生 食 9000mlで 腹 腔 内 を 十 分 に 洗 浄 。 左 横 隔 膜 下 、ダ
グラス 窩 にも 暗 赤 褐 色 の 腹 水 を 認 めため 十 分 洗 浄 した。ドレーンをダ
グラス 窩 、 左 右 横 隔 膜 下 、 嚢 胞 内 にそれぞれ 留 置 し、 閉 腹 した。 術 中
所 見 より 破 裂 性 、 胆 汁 交 通 性 肝 嚢 胞 と 診 断 した。 経 過 は 良 好 で 術 後 12
日 退 院 。【まとめ】 破 裂 性 肝 嚢 胞 はきわめてまれな 疾 患 で、 胆 管 と 交
通 を 認 める 肝 嚢 胞 もきわめてまれである。 今 回 腹 腔 鏡 下 天 蓋 切 除 術 を
施 行 した1 例 を 経 験 したので 報 告 する。
PD8-3
肝 右 葉 前 区 背 側 域 および 後 区 域 の 完 全 腹 腔 鏡 下 肝 切 除
術 : 半 腹 臥 位 完 全 鏡 視 下 肝 切 除 術 の 有 用 性 の 検 討
九 州 大 学 消 化 器 総 合 外 科 ( 第 二 外 科 )
○… 池 田 哲 夫 , 森 田 和 豊 , 橋 本 直 隆 , 萱 島 寛 人 , 増 田 稔 郎 ,
池 上 徹 , 吉 住 朋 晴 , 調 憲 , 前 原 喜 彦
【… 背 景 】 肝 臓 は 胸 壁 に 囲 まれており、 特 に 肝 右 葉 後 区 域 および 前 区
域 の 背 側 域 での 肝 切 除 には 大 きな 開 腹 あるいは 開 胸 が 必 要 となる。 完
全 腹 腔 鏡 下 に 行 えは、 手 術 侵 襲 の 軽 減 は 著 しいが、 腹 腔 鏡 下 では 肝 授
動 、 実 質 切 離 に 出 血 等 の 危 険 が 高 く 困 難 な 部 位 とされている。…[ 目 的 ]
半 腹 臥 位 での 肝 右 葉 前 区 背 側 域 、 後 区 域 での 肝 切 除 の 安 全 性 と 有 用 性
を 検 討 する。【 対 象 】1994 年 11 月 ~2011 年 11 月 までに2 施 設 で 行 った 腹
腔 鏡 下 肝 切 除 は125 例 であった、その 内 、 腫 瘍 が 右 葉 前 区 背 側 域 、 後
区 域 切 除 と 肝 右 葉 切 除 を 行 った46 例 を 対 象 とした。46 例 の 初 期 の18 例
は 臥 位 ~ 半 側 臥 位 (G1)、 最 近 の28 例 は 左 半 腹 臥 位 (G2)で 行 い2 群 の 臨
床 Dataを 比 較 検 討 した。【 半 腹 臥 位 】 左 半 腹 臥 位 は 水 泳 のクロールで
息 継 ぎをしている 時 の 体 位 に 近 く、 臍 は 見 えない。【 半 腹 臥 位 での 術
式 の 工 夫 】1.…Pringle…maneuverなしにRouviere’s…Sulcusから 肝 実 質
切 離 を 先 行 し、グリソン 鞘 を 剥 離 し 選 択 的 血 行 遮 断 を 行 う。…2.… 肝 実
質 切 離 はEnSealと 水 滴 機 能 を 付 けたBipolor 鉗 子 で 行 う。3.… 第 2 次 分 枝
以 降 のGlisson 鞘 はHem-o-lokにて 閉 鎖 後 切 断 する。【 結 果 】 表 1~2に
示 す 通 り、G2では 葉 切 除 以 外 の 系 統 的 肝 切 除 が 可 能 となり 適 応 が 拡
大 したと 伴 に、 出 血 量 、 術 後 在 院 日 数 の 減 少 を 認 めた。【まとめ】 半
腹 臥 位 での 完 全 腹 腔 鏡 下 肝 切 除 は 安 全 で 有 用 な 方 法 である。
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