タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P24-3 当 教 室 での 膵 空 腸 密 着 吻 合 法 の 変 遷 と 成 績
筑 波 大 学 消 化 器 外 科
○… 橋 本 真 治 , 小 田 竜 也 , 宮 本 良 一 , 高 橋 遍 , 小 林 昭 彦 ,
福 永 潔 , 佐 々 木 亮 孝 , 大 河 内 信 弘
【はじめに】 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 後 の 膵 液 瘻 は、 各 施 設 で 様 々な 対 策 を
講 じることで、その 発 生 率 は 減 少 してきているが、 未 だに、 多 くの 患
者 や 多 くの 外 科 医 を 悩 ませている。 今 回 、 膵 液 瘻 制 御 のために 当 教 室
で 施 行 されてきた3 種 類 の 膵 空 腸 密 着 吻 合 法 のそれぞれの 膵 液 瘻 発 生
率 について 検 討 した。【 対 象 】2007 年 1 月 から2011 年 10 月 までに 施 行 さ
れた 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 104 例 。( 方 法 )2010 年 4 月 まで 主 流 であった 柿 田
式 密 着 吻 合 (n=45)と 膵 空 腸 前 後 壁 吻 合 (n=31)、それ 以 降 から 現 在 ま
で 施 行 されているBlumgart 変 法 (n=28)の3 種 の 吻 合 法 につき、hard…
pancreas 症 例 (H)とsoft…pancreas… 症 例 (S)に 分 けて、 膵 液 瘻 発 生 頻 度
(Grade…A/B/C:…ISGPF)、ドレーン 留 置 日 数 、 術 後 在 院 日 数 を
retrospectiveに 評 価 をした。【 結 果 】 柿 田 式 (H:20 例 、S:25 例 )/ 前
後 壁 吻 合 (H:5 例 、S:26 例 )/Blumgart 法 (H:13 例 、S:15 例 )の 膵
液 瘻 発 生 率 は 全 体 (Grade…A+B+C)で51% /64% /35% で あ り、
Grade…B+Cの 発 生 率 は38%/35%/14%であった。それぞれのhard…
pancreas 症 例 での 膵 液 瘻 発 生 率 は20%/40%/0%であり、Grade…
B+C 発 生 率 も20%/40%/0%であった。soft…pancreas 症 例 では 膵 液
瘻 発 生 率 は76%/69%/66%であり、Grade…B+C 発 生 率 は、52%/
34%/14%であった。ドレーン 留 置 日 数 ・ 術 後 在 院 日 数 の 中 央 値 は 柿
田 式 / 前 後 壁 /Blumgart 法 で、17/16/5 日 ・23/23/15 日 であった。
【 考 察 】 現 在 、 当 教 室 で 施 行 されているBlumgart 法 の 膵 液 瘻 発 生 頻
度 は、 従 来 の 方 法 の 約 半 数 に 減 少 させることができ、 術 後 在 院 日 数 も
大 幅 に 縮 小 することができた。hard…pancreas 症 例 の 膵 液 瘻 制 御 に 成
功 したが、soft…pancreas 症 例 では、Grade…B+C 発 生 率 は 減 少 してい
るものの、 全 体 の 膵 液 瘻 発 生 率 は 依 然 高 値 であり、 今 後 早 急 に 対 応 し
なければならない 課 題 である。
P24-4 在 院 期 間 短 縮 を 目 指 した 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 後 膵 空 腸
吻 合 の 手 技 の 工 夫
1
横 浜 市 立 大 学 附 属 市 民 総 合 医 療 センター 消 化 器 病 センター 外
科 、 2 横 浜 市 立 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 消 化 器 ・ 腫 瘍 外 科 学
○… 杉 田 光 隆 1
, 上 田 倫 夫 1
, 谷 口 浩 一 2
, 松 山 隆 生 2
,
森 隆 太 郎 2
, 野 尻 和 典 2
, 熊 本 宜 文 2
, 武 田 和 永 2
,
田 中 邦 哉 2
, 國 崎 主 税 1 2
, 遠 藤 格
【 目 的 】 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 ( 以 下 PD) 後 の 膵 液 瘻 は、 術 後 在 院 期 間
を 延 長 させ、 術 後 出 血 等 の 重 篤 な 合 併 症 を 引 き 起 こす 誘 引 となる。 今
回 、 当 科 におけるPD 後 の 膵 空 腸 吻 合 の 手 技 の 工 夫 を 提 示 し、これら
が 膵 液 瘻 の 発 生 率 の 低 下 および 術 後 在 院 期 間 の 短 縮 に 寄 与 したかを 検
討 する。【 対 象 および 方 法 】2006 年 1 月 ~2011 年 11 月 にPDを 施 行 した
74 例 を 対 象 とした。 当 科 では、PD 時 の 膵 空 腸 吻 合 を 膵 管 空 腸 粘 膜 吻
合 + 貫 通 法 で 行 っている。 膵 管 空 腸 粘 膜 吻 合 は5-0モノフィラメント
吸 収 糸 による 外 翻 結 節 縫 合 とし、 正 常 膵 または 主 膵 管 非 拡 張 例 では
5Fr 膵 管 チューブを 約 3cm 長 にしたlost…stentを 留 置 、 硬 化 膵 かつ 主 膵
管 拡 張 例 ではステントを 留 置 していない。2008 年 11 月 まで( 前 期 群 、
n=28)は、 膵 切 離 はメスで 行 い 切 離 面 の 焼 灼 は 行 わず、 閉 鎖 式 持 続 吸
引 式 ドレーンを 膵 空 腸 吻 合 部 前 面 と 胆 管 空 腸 吻 合 部 後 面 に2 本 留 置 し
ていた。2008 年 12 月 以 降 ( 後 期 群 、n=46)は、 膵 切 離 を 電 気 メスある
いはハーモニックで 行 い、 主 膵 管 周 囲 を 除 く 切 離 面 の 凝 固 処 理 を 行 い、
ドレーンは 膵 空 腸 吻 合 部 より 胆 管 空 腸 吻 合 部 後 面 に 通 した1 本 のみと
している。 両 群 とも、ドレーンアミラーゼ 濃 度 を 測 定 し、 原 則 として
術 後 5 日 目 にドレーンを 抜 去 している。これら2 群 における 背 景 因 子 ( 年
齢 、 性 別 、BMI、PNI、 糖 尿 病 合 併 率 、 術 前 減 黄 の 有 無 、 正 常 膵 の 比 率 )、
術 中 因 子 ( 手 術 時 間 、 出 血 量 、 膵 管 ステント 留 置 割 合 )、 術 後 合 併 症 、
膵 液 瘻 の 発 生 頻 度 ( 膵 液 瘻 の 定 義 はISGPFの 定 義 に 従 う)、および 術 後
平 均 在 院 日 数 を 比 較 し、 後 期 群 で 追 加 した2つの 工 夫 の 有 用 性 を 検 討
した。【 結 果 】 背 景 因 子 には 両 群 間 に 差 を 認 めず、 術 中 因 子 では 膵 管
ステント 留 置 率 が 前 期 群 に 高 い 傾 向 を 認 めたが、 有 意 差 を 認 めなかっ
た。 術 後 膵 液 瘻 発 生 率 は、 全 gradeでは 前 期 群 vs. 後 期 群 で46.4%…vs.…
28.9%、gradeB 以 上 では21.4%…vs.…10.5%と 後 期 群 で 発 生 率 が 低 下 し、
術 後 在 院 期 間 では22.5 日 vs.…15.1 日 と 後 期 群 で 有 意 に 短 縮 された。【 結
語 】 後 期 群 で 行 った2つの 工 夫 は、 膵 液 瘻 の 発 生 率 の 低 減 および 術 後
在 院 期 間 の 短 縮 に 有 用 であった。
P24-5 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 における 膵 空 腸 吻 合 の 工 夫
済 生 会 横 浜 市 東 部 病 院
○… 伊 藤 康 博
( 背 景 ) 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 (PD)は、 他 疾 患 の 手 術 に 比 べ 死 亡 率 、 合
併 症 の 発 生 率 は 高 く 一 度 合 併 症 が 発 生 すると 重 篤 な 経 過 をたどる 可 能
性 がある。なかでも 膵 液 瘻 の 発 生 は 重 篤 な 経 過 を 来 すことがありPD
における 周 術 期 管 理 は 非 常 に 重 要 であり 慎 重 に 行 われている。PDに
おいて 膵 空 腸 吻 合 術 は 重 要 な 位 置 を 占 めており 当 施 設 における 膵 空 腸
吻 合 術 の 工 夫 を 成 績 と 共 に 示 す。( 手 術 手 技 ) 術 式 はPD-IIA-1(D2)を 基
本 とし、 膵 空 腸 吻 合 術 は 全 例 柿 田 式 密 着 吻 合 を 行 っている。 主 膵 管 へ
のステント 留 置 は、 全 例 で 行 い 不 完 全 ドレナージとしている。 日 本 肝
胆 膵 外 科 学 会 高 度 技 能 指 導 医 を 中 心 とした 手 術 、 手 技 の 定 形 化 を 行 っ
ている。まず、アトムチューブを 膵 管 内 に 通 しておき、 密 着 吻 合 用 の
3-0…Proleneを 膵 断 端 から 約 5mm 程 度 離 れた 部 位 で 膵 後 面 から 前 面 へ
貫 通 させる。それに 続 き 空 腸 漿 膜 筋 層 レベルで 膵 断 端 が 完 全 に 覆 われ
る 幅 とする。さらに、その 頭 ・ 尾 側 に 数 針 加 えておく。 一 旦 膵 管 内 の
チューブを 抜 き、5-0…PDSにて 主 膵 管 前 壁 …(12 時 部 位 )に 支 持 糸 をかけ
る、 続 いて9 時 、3 時 とかけ、その 間 に1 針 ずつ 加 え 主 膵 管 を 拡 張 させる。
膵 管 空 腸 吻 合 は、 後 壁 から 始 める。6 時 、7 時 半 、4 時 半 に3 針 と 空 腸 全
層 にかけ 結 紮 後 、 膵 管 チューブを 膵 管 内 に 挿 入 し、 後 壁 の1 糸 にて 結
紮 固 定 する。 先 程 の 前 壁 側 の 糸 をそれぞれ 空 腸 にかけ 順 次 結 紮 し、 膵
管 空 腸 吻 合 を 終 える。 続 いて 密 着 吻 合 用 の3-0…Proleneを 順 次 結 紮 し、
膵 管 空 腸 吻 合 を 終 了 する。 膵 管 ドレナージ 法 についても 着 目 し、 以 前
は 内 瘻 ・ 外 瘻 ともに 術 者 の 裁 量 にて 決 定 していたが 膵 液 瘻 の 来 しやす
い 正 常 膵 においては 外 瘻 を 選 択 している。( 成 績 )2009 年 11 月 から2011
年 11 月 までの 間 に 経 験 したPD40 例 では、ISGPF 分 類 による 膵 液 瘻 は5
例 (12.5%)(grade…A/B/C:3/2/0 例 )であった。 膵 液 瘻 を 来 した 症 例
は 全 例 正 常 膵 かつ 主 膵 管 非 拡 張 例 であった。( 結 語 ) 膵 空 腸 吻 合 法 にお
いて、 手 術 手 技 の 定 形 化 、ドレナージ 法 を 検 討 することで 良 好 な 成 績
が 得 られた。 当 施 設 における 膵 空 腸 吻 合 の 工 夫 をビデオとともに 成 績
についても 示 す。
P24-6 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 後 難 治 性 膵 液 瘻 に 対 しIVR 下 に 経
皮 経 腸 膵 管 ドレナージ 造 設 術 を 行 った1 例
愛 知 県 がんセンター 中 央 病 院 消 化 器 外 科
○… 川 合 亮 佑 , 清 水 泰 博 , 佐 野 力 , 千 田 嘉 毅 , 小 森 康 司 ,
二 宮 豪 , 大 澤 高 陽 , 二 村 雄 次
症 例 は62 歳 , 男 性 .…MEN1で 副 甲 状 腺 腫 瘍 摘 出 術 の 既 往 がある.GIF
にて 十 二 指 腸 下 行 脚 に3~9mm 大 の 多 発 する 粘 膜 下 腫 瘍 を 認 め, 生 検
でカルチノイドと 診 断 した. 全 身 検 索 でその 他 に 腫 瘍 を 認 めず,2002
年 1 月 8 日 に 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 行 った. 今 永 法 で 再 建 し, 膵 - 空 腸
吻 合 は 膵 管 粘 膜 吻 合 で, 膵 管 チューブはlost…stentとした. 術 中 に 総
肝 動 脈 に 直 径 1cmの 動 脈 瘤 を 認 め. 肝 円 索 を 動 脈 瘤 周 囲 に 縫 着 した.
術 後 膵 液 瘻 を 認 め, 術 後 18 日 目 にドレーンより 出 血 したため 同 日 緊 急
血 管 造 影 検 査 を 施 行 した. 総 肝 動 脈 瘤 からの 出 血 と 診 断 し,コイルで
塞 栓 し 止 血 した.さらに 術 後 24 日 目 には 膵 - 空 腸 吻 合 部 から 肝 下 面 に
膿 瘍 を 形 成 し, 経 皮 ドレナージを 要 した.その 後 も 発 熱 とドレーンか
らの 多 量 の 膿 性 排 液 が 続 き,CTとドレーン 造 影 では 膵 腸 吻 合 部 が 離
開 するMajor…leakageと 思 われた.すでに 膵 管 ステントは 逸 脱 しており,
改 善 傾 向 が 見 られないため, 術 後 69 日 目 にIVR 下 に 膵 液 の 外 瘻 化 を 試
みた. 膵 - 空 腸 吻 合 部 ドレーンより 空 腸 内 にバルーンカテーテルを 挿
入 し, 手 前 側 を 造 影 して 主 膵 管 を 描 出 した. 次 に 造 影 された 主 膵 管 を
CTガイド 下 に 左 側 腹 部 背 側 より 穿 刺 し, 主 膵 管 から 膿 瘍 部 を 経 由 し
て 空 腸 内 にガイドワイヤーを 留 置 した.さらに 腹 壁 直 下 の 空 腸 を 右 肋
弓 下 より 穿 刺 し, 主 膵 管 からのガイドワイヤーを 体 外 へ 誘 導 して 経 皮
経 腸 的 に 主 膵 管 内 にカテーテルを 留 置 し 得 た.その 後 膵 液 瘻 は 著 明 に
改 善 し, 術 後 78 日 目 にドレーン 抜 去 が 可 能 となった. 術 後 9 年 7ヶ 月 の
現 在 まで 胆 膵 系 の 合 併 症 を 認 めず. 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 後 膵 液 瘻 は 時
に 難 治 性 となり, 胆 汁 を 含 む 消 化 液 により 活 性 化 された 膵 液 が 治 癒 を
妨 げる 大 きな 原 因 と 考 えられる.そのため, 膵 液 を 外 瘻 化 させること
が 重 要 であり, 膵 腸 吻 合 部 ドレーン 瘻 孔 を 利 用 できない 場 合 には 膵 管
穿 刺 ドレナージも 考 慮 すべき 方 法 である.
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