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P10-2 術 後 10 年 目 に 肝 転 移 再 発 した 大 腿 部 平 滑 筋 肉 腫 の1 例 <br />
自 治 医 科 大 学 附 属 さいたま 医 療 センター 一 般 消 化 器 外 科<br />
○… 小 林 恵 子 , 野 田 弘 志 , 渡 辺 文 昭 , 遠 山 信 幸 ,<br />
小 西 文 雄<br />
【はじめに】 四 肢 原 発 平 滑 筋 肉 腫 は 肺 転 移 が 多 く、 後 腹 膜 発 生 例 では<br />
肺 のほかに 肝 臓 への 転 移 が 多 いといわれ、また、 平 滑 筋 肉 腫 は 晩 期 再<br />
発 例 も 散 見 される。 今 回 、 原 発 巣 切 術 後 10 年 目 に 肝 転 移 再 発 した 大 腿<br />
部 平 滑 筋 肉 腫 の1 例 を 報 告 する。【 症 例 】70 歳 代 、 女 性 。 約 2カ 月 前 か<br />
らの 食 後 の 上 腹 部 違 和 感 を 主 訴 に 前 医 受 診 。 肝 腫 瘍 を 指 摘 され 当 院 に<br />
紹 介 受 診 。10 年 前 に 左 大 腿 部 平 滑 筋 肉 腫 の 根 治 的 切 除 の 既 往 があった。<br />
またB 型 肝 炎 、C 型 肝 炎 の 既 往 はなかった。 血 液 検 査 所 見 では 胆 道 系<br />
酵 素 の 軽 度 上 昇 を 認 めるも 腫 瘍 マーカー(CEA、CA19-9、AFP、<br />
PIVKA2)は 正 常 範 囲 であった。 画 像 検 査 所 見 では 腹 部 CT 検 査 で 肝 外<br />
側 区 域 に 大 きさ14cmの 造 造 影 効 果 を 持 つ 実 質 部 分 と 出 血 壊 死 が 混 在<br />
する 腫 瘤 を 認 めた。また 肝 S8…にも1.7cm 大 で 造 影 効 果 を 持 つ 腫 瘤 を 認<br />
めた。EOB…MRI 検 査 では 腹 部 CT 検 査 と 同 様 に、 腫 瘤 は 辺 縁 は 造 影 さ<br />
れるものの 内 部 はhigh、low 入 り 混 じった 像 を 呈 し、また、S8の 腫 瘤<br />
は 弱 い 造 影 効 果 を 伴 っていた。CTA/CTAP 検 査 では、 両 腫 瘤 は 早 期<br />
動 脈 相 で 腫 瘍 実 質 内 の 辺 縁 部 を 中 心 に 網 目 状 の 濃 染 を 示 しその 後 漸 増<br />
性 の 遅 延 濃 染 を 認 め、3 分 後 の 撮 影 でも 造 影 効 果 は 持 続 していた。<br />
FDG-PET…CT 検 査 では 両 腫 瘤 に 有 意 な 集 積 を 認 めた。 以 上 から 術 前<br />
鑑 別 診 断 として 血 管 腫 、 血 管 肉 腫 等 を 疑 い、 増 大 傾 向 を 示 し 悪 性 の 可<br />
能 性 が 高 いこと、 有 症 状 であることから 手 術 の 方 針 とし、 肝 外 側 区 域<br />
切 除 および 肝 部 分 切 除 を 施 行 した。 術 後 胆 汁 瘻 を 認 めたが 軽 快 し、 術<br />
後 25 日 目 に 退 院 となった。 病 理 組 織 検 査 結 果 は 紡 錘 形 、 卵 円 形 細 胞 が<br />
束 状 に 錯 綜 し、 平 滑 筋 肉 腫 と 診 断 された。10 年 前 に 切 除 された 大 腿 部<br />
腫 瘤 標 本 を 再 度 検 索 したところ、 平 滑 筋 肉 腫 に 矛 盾 なく、 類 似 形 態 を<br />
示 した。 以 上 から 切 除 後 10 年 経 過 した 平 滑 筋 肉 腫 の 肝 転 移 再 発 と 診 断<br />
した。【 結 語 】 四 肢 原 発 平 滑 筋 肉 腫 の 肝 臓 転 移 、 再 発 の 報 告 は 極 めて<br />
頻 度 が 低 い。 今 回 稀 な 症 例 を 経 験 したため 若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 え 報<br />
告 する。<br />
P10-3 肝 原 発 神 経 内 分 泌 腫 瘍 の 一 例<br />
福 山 市 民 病 院 外 科<br />
○… 野 島 洋 樹 , 大 村 泰 之 , 日 置 勝 義 , 佐 々 木 寛 , 井 谷 史 嗣 ,<br />
金 仁 洙 , 高 倉 範 尚<br />
【はじめに】 肝 原 発 神 経 内 分 泌 腫 瘍 は 比 較 的 稀 な 疾 患 であり、 大 きく<br />
多 発 していることが 多 いものの 切 除 予 後 が 比 較 的 良 いことが 特 徴 であ<br />
る。 今 回 我 々は 肝 原 発 神 経 内 分 泌 腫 瘍 の 一 例 を 経 験 したので 報 告 する。<br />
【 症 例 ・ 現 病 歴 】 症 例 は80 歳 台 男 性 、DMを 併 存 しており、2 年 前 に<br />
髄 膜 腫 にて 開 頭 手 術 と 胃 悪 性 リンパ 腫 にて 胃 全 摘 手 術 の 既 往 があった。<br />
特 に 症 状 はなかったが、 定 期 フォローのCTにて 肝 腫 瘍 を 指 摘 された。<br />
【 術 前 検 査 】CT,MRIにて 肝 前 区 域 に 被 膜 形 成 を 伴 って 内 部 モザイク<br />
状 の5cm 径 の 膨 張 性 腫 瘍 が 認 められ、すべての 相 で 周 囲 の 肝 実 質 に 比<br />
べて 造 影 効 果 は 少 なかった。 肝 炎 の 既 往 感 染 はなく、 上 下 部 内 視 鏡 に<br />
て 悪 性 所 見 なし、 腫 瘍 マーカーの 上 昇 もなし、FDG-PETでは 肝 腫 瘤<br />
にのみ 集 積 をみとめた。 悪 性 リンパ 腫 の 肝 浸 潤 や 原 発 性 肝 細 胞 癌 、 転<br />
移 性 肝 癌 などを 鑑 別 疾 患 として 考 え、 肝 生 検 を 行 ったが、 確 定 診 断 に<br />
至 らなかった。がいずれにしても 悪 性 腫 瘍 が 疑 われたため、 手 術 にて<br />
切 除 の 方 針 とした。【 手 術 】 肝 前 区 域 切 除 を 施 行 、 遺 残 ない 腫 瘍 の 切<br />
除 が 可 能 であった。【 術 後 経 過 】 術 後 は 比 較 的 順 調 に 経 過 し 退 院 したが、<br />
2ヶ 月 を 経 過 した 際 に 頭 痛 と 食 思 不 振 から 自 宅 で 低 血 糖 による 意 識 障<br />
害 を 発 症 、その 後 も 意 識 障 害 が 遷 延 し 永 眠 される 経 過 となった。【 病 理 】<br />
腫 瘍 は 黄 色 充 実 性 であり、 細 胞 形 態 と 免 染 でCD56 陽 性 であったこと<br />
から 神 経 内 分 泌 腫 瘍 と 診 断 した。また、MIB-1index…12.6%であった<br />
ことからG2の 腫 瘍 であった。【 考 察 】 今 回 経 験 した 症 例 では、 大 きな<br />
腫 瘍 ではあるが 単 発 であり 組 織 学 的 悪 性 度 も 中 等 度 であったことから<br />
比 較 的 良 好 な 予 後 が 見 込 まれる。また、PETを 含 めた 術 前 検 査 で 肝<br />
以 外 に 原 発 巣 と 思 われる 病 変 もみとめなかったため、 肝 原 発 と 判 断 し<br />
た。 免 疫 染 色 ではChromoglaninAなどで 陰 性 であり、 典 型 的 な 像 を<br />
示 していたとは 言 えない 症 例 であった。【 結 論 】 比 較 的 稀 な 肝 原 発 神<br />
経 内 分 泌 腫 瘍 の 症 例 を 経 験 した。<br />
P10-4 術 前 診 断 が 困 難 であった 原 発 性 肝 カルチノイドの1 症<br />
例<br />
大 阪 府 立 成 人 病 センター 消 化 器 外 科<br />
○… 五 十 嵐 佑 子 , 山 田 晃 正 , 橘 高 弘 忠 , 後 藤 邦 仁 , 高 橋 秀 典 ,<br />
大 東 弘 明 , 石 川 治<br />
【 症 例 】50 代 / 女 性 .【 主 訴 】なし.【 現 病 歴 】 検 診 時 の 腹 部 超 音 波 検<br />
査 にて 肝 後 区 域 に 境 界 不 明 瞭 な 高 エコー 結 節 を 指 摘 されたが 放 置 . 約<br />
1 年 後 に 増 大 傾 向 を 認 めたため 近 医 受 診 . 精 査 の 結 果 , 胆 管 嚢 胞 腺 癌<br />
疑 いと 診 断 され, 当 院 紹 介 受 診 .【 既 往 / 家 族 歴 】 特 記 事 項 なし.【 現 症 】<br />
血 圧 :107/59, 脈 拍 :70.【 血 液 検 査 所 見 】HBsAg(-),HBcAb(-),<br />
HCV-Ab(-), 肝 障 害 度 A,CEA:1.3ng/ml,AFP(L3):6ng/ml(