タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P81-11 末 梢 胆 管 から 発 生 した 胆 管 内 発 育 型 肝 内 胆 管 癌 の1 切
除 例
東 海 大 学 消 化 器 外 科
○… 山 田 美 鈴 , 中 郡 聡 夫 , 古 川 大 輔 , 村 上 健 太 郎 , 矢 澤 直 樹 ,
加 藤 賢 一 郎 , 安 田 聖 栄 , 生 越 喬 二
【はじめに】 胆 管 内 発 育 型 肝 内 胆 管 癌 は、 大 型 胆 管 から 発 生 するため
末 梢 胆 管 の 拡 張 を 呈 し 嚢 胞 状 形 態 をとることは 少 ない。また 嚢 胞 状 形
態 を 呈 する 肝 内 胆 管 癌 の 多 くは 粘 液 産 生 例 である。 今 回 、 末 梢 胆 管 に
発 生 し 嚢 胞 状 形 態 を 呈 した 粘 液 非 産 生 の 肝 内 胆 管 癌 の 一 例 を 経 験 した
ので 報 告 する。【 症 例 】69 歳 、 女 性 。 心 窩 部 痛 を 主 訴 に 当 院 を 受 診 した。
血 液 生 化 学 検 査 では 肝 胆 道 系 酵 素 の 上 昇 を 認 めた。 腫 瘍 マーカーは
CA19-9、CEA…ともに 正 常 範 囲 内 であった。 腹 部 超 音 波 検 査 では、 肝
S4に 胆 嚢 に 接 するように20mm 大 の 類 円 形 で 境 界 明 瞭 な 等 ~ 高 エコー
腫 瘤 に 描 出 され、 内 部 に 音 響 陰 影 を 伴 う 強 エコー 像 を 伴 っていた。
CTでは 嚢 胞 性 病 変 の 中 に、 動 脈 相 から 門 脈 相 まで 持 続 する 造 影 効 果
を 有 する 乳 頭 状 隆 起 で 占 められていた。MRIでは、 病 変 はT2 強 調 画
像 で 淡 い 高 信 号 、 拡 散 強 調 画 像 で 著 明 な 高 信 号 を 呈 した。 嚢 胞 内 に 粘
液 成 分 はなかった。ERCPでは 嚢 胞 性 病 変 は 描 出 されず、また 左 葉 の
肝 内 胆 管 は 軽 度 拡 張 していたが 狭 窄 はなかった。 胆 汁 細 胞 診 では
ClassVであった。 胆 管 内 発 育 型 肝 内 胆 管 癌 の 診 断 で 肝 左 葉 切 除 を 施
行 した。 肉 眼 的 病 理 所 見 では 肝 S4に 肝 外 に 突 出 するように 嚢 胞 が 存
在 し、 内 部 に 乳 頭 状 の 腫 瘤 が 存 在 していた。 嚢 胞 内 には 砂 粒 状 の 結 石
が 充 満 し、 左 葉 の 胆 管 内 には 胆 泥 が 存 在 していた。 粘 液 は 認 めなかっ
た。 病 理 組 織 学 的 には 嚢 胞 壁 は 胆 管 壁 であり、 隆 起 性 病 変 は 一 部 に 微
小 浸 潤 を 認 める 乳 頭 腺 癌 であった。 腫 瘍 は 広 範 囲 の 胆 管 に 上 皮 内 進 展
していた。【 考 察 】 本 症 例 の 嚢 胞 形 成 の 機 序 としてさらなる 末 梢 胆 管
が 存 在 しないほどの 末 梢 の 胆 管 から 発 生 し、 腫 瘍 の 増 大 とともに 胆 管
壁 が 嚢 胞 状 に 拡 張 したと 考 えられた。
P82-1 胆 管 内 腫 瘍 栓 を 伴 い 肝 内 胆 管 癌 との 鑑 別 を 要 した 異 時
性 大 腸 癌 肝 転 移 の1 切 除 例
徳 島 市 民 病 院 外 科
○… 小 林 愛 貴 美 , 三 宅 秀 則 , 金 村 普 史 , 松 本 規 子
(はじめに) 大 腸 癌 術 後 異 時 性 肝 転 移 巣 が 胆 管 内 に 発 育 し、 限 局 的 に
肝 内 胆 管 の 拡 張 を 認 め 肝 内 胆 管 癌 との 鑑 別 を 要 した 症 例 を 経 験 したの
で 報 告 する。( 症 例 )69 歳 、 男 性 。 右 肺 転 移 を 伴 った 上 行 結 腸 癌 に 対 して、
2010 年 7 月 9 日 に 右 半 結 腸 切 除 、D3 郭 清 を 施 行 した。 病 理 組 織 学 的 診
断 はtub2でA,…3 型 ,…45mm,…pSS,…INFα,…ly3,…v1,…pN1,…fStage4であった。
右 肺 腫 瘍 に 対 してはPET 検 査 実 施 後 9 月 22 日 に 胸 腔 鏡 下 右 肺 部 分 切 除
を 行 った。 病 理 組 織 学 的 にも 大 腸 癌 の 肺 転 移 であった。 術 後 補 助 化 学
療 法 としてXELOX 療 法 を11 月 1 日 より 開 始 した。 化 学 療 法 継 続 中 の
2011 年 4 月 の 腹 部 エコー 検 査 および 造 影 CT 検 査 で、 肝 S5に2.0cm 大 の
腫 瘍 性 病 変 とB5の 拡 張 を 認 めた。ERCP 検 査 では 右 肝 管 内 にfilling…
defectが 認 められ 胆 管 内 腫 瘍 栓 が 疑 われた。PET-CTでは 肝 腫 瘍 に 一
致 して 異 常 集 積 (SUVmax7.4)を 認 めた。 腫 瘍 マーカーは 全 経 過 を 通
して 正 常 範 囲 内 であり、 今 回 入 院 時 はCEA;1.2ng/ml、CA19-9;8.3U/
mlであった。 以 上 の 所 見 より、 肝 内 胆 管 癌 、 大 腸 癌 肝 転 移 の 両 方 が
疑 われ、 経 過 からは 肝 転 移 の 可 能 性 が 高 いと 判 断 した。 化 学 療 法 によ
る 肝 障 害 でICGR15は12.5%とやや 不 良 であったが、 手 術 は 肝 右 葉 切 除
術 を 行 った。 切 除 肝 では 肝 S5に1.7cm 大 の 腫 瘍 と 右 肝 管 内 に 発 育 した
腫 瘍 栓 を 認 めた。 病 理 学 的 診 断 では、 高 円 柱 状 異 型 細 胞 の 癒 合 腺 管 状
増 殖 からなり、 中 心 壊 死 が 目 立 ち 中 分 化 型 の 管 状 腺 癌 像 で 胆 管 癌 の 像
とは 異 なり 大 腸 癌 の 肝 転 移 と 診 断 された。(まとめ) 当 症 例 では 経 過 よ
り 肝 転 移 を 疑 ったが、 大 腸 癌 肝 転 移 は 胆 管 浸 潤 を 来 すことは 少 なく、
胆 管 内 腫 瘍 栓 やそれに 伴 った 限 局 性 胆 管 拡 張 を 伴 った 場 合 、 術 前 に 肝
内 胆 管 癌 と 鑑 別 して 確 定 診 断 を 得 るのは 困 難 な 場 合 が 多 い。 手 術 は 原
発 巣 切 除 後 の 化 学 療 法 による 肝 障 害 も 考 慮 しなければならぬが、 系 統
的 肝 切 除 が 必 要 であると 考 えられた。
P82-2 総 肝 管 まで 伸 展 する 胆 管 内 腫 瘍 栓 を 伴 い 肝 両 葉 に 巨 大
転 移 巣 を 形 成 した 転 移 性 肝 癌 の1 切 除 例
稲 沢 市 民 病 院 外 科
○… 久 納 孝 夫 , 尾 上 重 巳 , 吉 田 克 嗣 , 加 藤 健 司
胆 管 内 腫 瘍 栓 を 伴 う 転 移 性 肝 腫 瘍 は 稀 であるが、 手 術 を 含 めた 治 療 方
針 を 決 定 するためには 注 意 すべき 転 移 形 式 である。 今 回 我 々は、 両 葉
に 大 きな 転 移 巣 を 形 成 したうえに 総 肝 管 まで 胆 管 内 腫 瘍 栓 が 伸 展 して
いた 直 腸 癌 術 後 の 転 移 性 肝 癌 の 切 除 例 を 経 験 したので 報 告 する。【 症
例 】70 歳 女 性 。 既 往 歴 に 糖 尿 病 、 高 血 圧 、5 年 前 に 直 腸 癌 の 手 術 歴 あ
り(Rb、2 型 、 中 分 化 型 腺 癌 、a2、n(-))。 平 成 23 年 5 月 より 心 窩 部 不
快 感 出 現 。6 月 近 医 受 診 。 診 察 および 超 音 波 検 査 で 腫 瘤 を 認 め、 当 科
紹 介 。 心 窩 部 に 手 拳 大 の 腫 瘤 触 知 。 血 液 検 査 で、 耐 糖 能 異 常 、 貧 血 な
どの 他 、ALP1961、CEA39.5 等 の 異 常 を 認 めた。 精 査 で 肝 外 側 区 域 ( 門
脈 臍 部 に 接 す)に10cm 超 の 腫 瘍 と 後 区 域 ( 一 部 前 区 域 にかかる)にも
10cm 超 の 腫 瘍 を 認 め、また、 肝 内 胆 管 の 拡 張 と 肝 門 部 胆 管 に 軽 度 造
影 される 腫 瘤 を 認 めた。 肝 門 部 リンパ 節 転 移 ないし 後 区 域 転 移 巣 から
伸 展 する 胆 管 内 腫 瘍 栓 が 疑 われた。 黄 疸 は 発 症 していないが、 胆 管 閉
塞 が 起 こりかけていると 推 測 され 化 学 療 法 の 継 続 性 が 不 確 実 であり、
切 除 の 方 針 とした。 平 成 23 年 8 月 手 術 施 行 。 肝 外 側 区 域 の 腫 瘍 は 門 脈
臍 部 に 接 していたが、 内 側 区 域 の 血 流 を 温 存 し 外 側 区 域 切 除 。 肝 門 部
の 腫 瘍 は 胆 管 内 腫 瘍 栓 で 後 区 域 転 移 巣 から 連 続 していた。 腫 瘍 栓 下 流
で 胆 管 切 離 し、 腫 瘍 栓 を 含 む 胆 管 を 周 囲 より 剥 離 し 左 肝 管 、 前 枝 を 切
離 した 後 、 門 脈 頭 側 を 抜 き、 一 塊 に 拡 大 後 区 域 切 除 術 で 摘 出 。 左 肝 管 ・
前 区 域 胆 管 空 腸 吻 合 再 建 した。 術 後 軽 度 の 胆 汁 漏 と 創 染 認 めたが、 軽
快 退 院 。 術 後 4カ 月 の 現 在 、 再 発 なく、 腫 瘍 マーカーも 正 常 化 し、 通
院 でTS-1 内 服 による 補 助 療 法 を 施 行 中 。【 考 察 】 本 症 例 は 両 葉 に 巨 大
転 移 巣 があるうえに 肝 門 部 で 胆 管 狭 窄 をきたす 腫 瘍 を 認 めたため、 初
期 治 療 方 針 決 定 が 難 しかった。 残 肝 を 如 何 に 残 して 胆 管 内 腫 瘍 栓 を 含
めた 肝 切 除 を 行 うかに 工 夫 が 必 要 で、どの 病 変 も 切 除 マージンを 十 分
取 ることは 不 可 能 と 考 え、 内 側 区 域 と 前 区 域 の 大 部 分 ・ 尾 状 葉 の 大 部
分 を 残 し 病 変 をできるだけ 一 塊 に 切 除 する 様 に 心 がけた。 近 年 、 術 前
検 査 の 機 器 の 発 展 、 手 術 手 技 の 改 善 や 化 学 療 法 の 進 歩 が 目 覚 ましく、
個 々の 症 例 に 応 じた 治 療 法 を 計 画 することが 大 切 である。
P82-3 肝 内 胆 管 癌 と 術 前 診 断 した 胆 管 内 発 育 を 伴 う 大 腸 癌 転
移 性 肝 癌 の1 例
岐 阜 大 学 腫 瘍 外 科
○… 加 藤 順 子 , 長 田 真 二 , 山 田 敦 子 , 棚 橋 利 行 , 八 幡 和 憲 ,
今 井 寿 , 佐 々 木 義 之 , 吉 田 和 弘
【 症 例 】74 歳 男 性 。 平 成 19 年 8 月 に 直 腸 癌 ・ 総 胆 管 結 石 のため、 他 院
にて 低 位 前 方 切 除 術 +D3 郭 清 、 胆 嚢 摘 出 術 + 結 石 除 去 +T…tube 留 置 。
直 腸 癌 (tub1,…pSE,…pN0,…int,…ly1,…v0,…PM0,…DM0,…Stage2)に 対 して 術 後
補 助 療 法 は 選 択 されていない。 平 成 23 年 1 月 の 腹 部 CTにて 肝 内 側 区 域
に 限 局 した 胆 管 拡 張 がみられたが 明 らかな 腫 瘍 性 病 変 を 認 めず、 血 液
検 査 上 も γ-GTPの 軽 度 上 昇 、CEAが2.9(ng/ml)、CA19-9が2.8(U/
ml)で、Du-PAN-2やSpan-1も 正 常 であったため 経 過 観 察 。しかし 同
年 4 月 の 造 影 CT 再 評 価 にて 肝 S4 背 側 に、 動 脈 相 で 淡 くリング 状 濃 染 の
みられる15mm 大 の 低 吸 収 域 を 確 認 。さらに 同 腫 瘍 はMRCPにて 左 胆
管 ( 内 側 区 域 )に20×10mm 大 の 欠 損 像 として 描 出 されるに 至 り、 肝 内
胆 管 癌 との 診 断 のもと 手 術 目 的 にて 当 科 に 紹 介 。なお 上 ・ 下 部 消 化 管
精 査 では 異 常 所 見 を 認 めていない。 同 年 9 月 に 開 腹 手 術 したところ、
腹 膜 播 種 やリンパ 節 転 移 を 疑 う 所 見 を 伴 わず、 腫 瘍 は 内 側 区 域 胆 管 本
幹 に2cmほどの 硬 結 として 触 知 したが 腹 腔 内 への 露 出 なし。 周 辺 脈 管
への 侵 襲 なく、 左 肝 管 断 端 を 術 中 迅 速 検 査 にて 悪 性 所 見 のないことを
確 認 した 上 で 左 葉 切 除 術 を 選 択 した。 切 除 標 本 では 同 部 にみられる
15mm 大 の 白 色 調 結 節 は 胆 管 内 にも 乳 頭 状 に 充 満 ・ 突 出 しており、 肝
内 胆 管 癌 として 矛 盾 のない 肉 眼 所 見 であった。しかし 病 理 組 織 学 的 検
査 では、adenocarcinoma…(well~moderately…differentiated…type)で、
免 疫 染 色 ではCK20(+)、CK19(+)、CK7(+)、CA19-9( 一 部 陽 性 )にて、
最 終 的 には 大 腸 癌 肝 転 移 と 診 断 。 術 後 経 過 は 良 好 で 補 助 化 学 療 法 なく
3カ 月 再 発 はみられていない。【 考 察 】 画 像 所 見 では、 肝 内 胆 管 癌 と 転
移 性 肝 癌 の 鑑 別 は 一 般 的 にも 困 難 とされている。 本 症 例 も、 切 除 標 本
肉 眼 所 見 上 も 肝 内 胆 管 癌 に 合 致 する 所 見 であったが、 病 理 検 索 、 特 に
免 疫 染 色 にて 大 腸 癌 由 来 の 腫 瘍 と 診 断 されるに 至 っている。 併 存 する
胆 管 拡 張 は、 肝 内 胆 管 癌 で 主 にみられる 所 見 であることに 加 え、 転 移
性 肝 癌 では10%とされてきたため 診 断 の 一 助 であったが、 近 年 の 詳 細
な 検 討 では 転 移 性 肝 癌 でも44%に 胆 管 浸 潤 がみられたとされている。
今 回 の 症 例 の 経 験 につき、 画 像 所 見 上 の 特 徴 も 踏 まえ、 文 献 的 考 察 と
ともに 報 告 する。
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