タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P16-5 内 視 鏡 的 乳 頭 切 除 術 による 完 全 切 除 後 に 局 所 再 発 を 来
した 十 二 指 腸 乳 頭 部 粘 膜 癌 の 一 例
京 都 府 立 医 科 大 学 消 化 器 外 科
○… 泉 谷 康 仁 , 山 本 有 祐 , 森 村 玲 , 村 山 康 利 , 塩 崎 敦 ,
栗 生 宜 明 , 生 駒 久 視 , 落 合 登 志 哉 , 大 辻 英 吾
【はじめに】 内 視 鏡 的 乳 頭 切 除 術 は、 診 断 と 治 療 を 目 的 に 乳 頭 部 の 腺
腫 や 粘 膜 癌 に 対 して 病 変 部 の 一 括 切 除 を 行 う。ただし、 癌 に 対 する 適
応 は 十 分 なコンセンサスが 得 られていない。 今 回 我 々は 内 視 鏡 的 乳 頭
切 除 術 の 結 果 、 完 全 切 除 を 得 られたにもかかわらず、 後 に 局 所 再 発 を
来 した 十 二 指 腸 乳 頭 部 粘 膜 癌 の 一 例 を 経 験 したので 報 告 する。【 症 例 】
58 歳 女 性 . 十 二 指 腸 乳 頭 部 癌 と 診 断 され, 当 院 消 化 器 内 科 で 内 視 鏡 的
乳 頭 切 除 術 を 施 行 された. 病 理 組 織 学 的 所 見 はAdenocarcinoma…
tubulare,…very…well…differentiated,…tub1,…type…0-Isp,…depth…m,…9mm,…
ly0,…v0,…pHM(-),…pVM(-)であった.…2 年 後 に 施 行 した 内 視 鏡 検 査 で 乳
頭 部 に 腫 瘍 性 病 変 を 指 摘 され, 生 検 で 高 分 化 型 腺 癌 を 認 めた. 腫 瘍 マー
カーはCEA…1.8ng/mL…CA19-9…9.3U/mL、 画 像 所 見 上 は 十 二 指 腸 壁 へ
の 進 展 が 疑 われたが、 明 らかな 膵 浸 潤 、リンパ 節 腫 大 、 遠 隔 転 移 を 疑
う 所 見 を 認 めなかった. 当 科 に 手 術 目 的 に 紹 介 され、 亜 全 胃 温 存 膵 頭
十 二 指 腸 切 除 術 ,D2リンパ 節 郭 清 を 施 行 した. 術 後 経 過 は 良 好 で 術
後 第 26 病 日 に 退 院 した. 病 理 組 織 学 的 所 見 はAdenocarcinoma,…very…
well…differentiated,with…tubular…adenoma,patAcbd,…depth…m,…ly0,…v0,…
n0,…panc0,…DU0,…EM0,…N0であり、 乳 頭 部 内 胆 管 への 進 展 を 認 めた。
内 視 鏡 的 切 除 に 得 られた 組 織 像 と 類 似 していたため, 局 所 再 発 病 変 と
診 断 された.【 考 察 】 近 年 、 胆 膵 管 内 進 展 を 伴 わない 粘 膜 癌 への 内 視
鏡 的 乳 頭 切 除 術 の 拡 大 適 応 の 報 告 が 散 見 される。しかし、 内 視 鏡 的 乳
頭 切 除 術 で 完 全 切 除 を 達 成 した 十 二 指 腸 乳 頭 部 粘 膜 癌 の 症 例 の 中 にも
本 症 例 のように 局 所 再 発 を 来 す 症 例 が 存 在 するため、 経 過 観 察 には 十
分 な 注 意 が 必 要 であると 考 える。
P16-6 十 二 指 腸 乳 頭 部 腫 瘍 に 対 する 腹 腔 鏡 補 助 下 乳 頭 切 除 術
1
滋 賀 医 科 大 学 外 科 、 2 滋 賀 医 科 大 学 総 合 外 科 学 講 座
○… 塩 見 尚 礼 1
, 仲 成 幸 1
, 赤 堀 浩 也 1
, 来 見 良 誠 2 1
, 谷 徹
【はじめに】 十 二 指 腸 乳 頭 部 癌 はかつて 進 行 癌 が 多 く、 膵 頭 十 二 指 腸
切 除 術 で 切 除 される 症 例 が 多 かったが、 近 年 内 視 鏡 的 に 切 除 する 症 例
が 増 加 している。しかし 適 応 に 一 定 したものはなく、 致 死 的 な 偶 発 症
の 可 能 性 などの 問 題 がある。 当 科 では 粘 膜 癌 までの 乳 頭 部 腫 瘍 症 例 で
内 視 鏡 的 乳 頭 切 除 を 希 望 しない 患 者 に 対 し、 腹 腔 鏡 補 助 下 十 二 指 腸 乳
頭 切 除 術 を 施 行 しているので 報 告 する。【 術 式 】 臍 より12mmカメラ
ポートを 挿 入 し、 腹 腔 鏡 下 胃 切 除 術 に 準 じて4~5 本 の5mmポートを
挿 入 した。 気 腹 下 にKocherの 受 動 術 を 行 い、 上 腹 部 に7cmの 正 中 切
開 をおいて 十 二 指 腸 下 行 脚 を 創 外 に 出 した。 乳 頭 部 切 除 の 場 合 、 先 に
胆 嚢 摘 出 術 を 行 った 後 、 術 中 胆 道 造 影 用 チューブを 胆 嚢 管 から 挿 入 し
ておいた。このチューブを 手 がかりに 十 二 指 腸 を 長 軸 方 向 に 切 開 し、
乳 頭 部 を 露 出 させた。 約 5mmのマージンをとって 十 二 指 腸 壁 を 全 層
に 切 開 し、 胆 管 、 膵 管 を 露 出 した。 十 分 な 距 離 をとって 切 離 し、それ
ぞれの 断 端 を 術 中 病 理 診 断 に 提 出 した。 断 端 陰 性 を 確 認 した 後 、 十 二
指 腸 粘 膜 と 膵 管 、 胆 管 を 結 節 縫 合 し、それぞれロストチューブを 留 置
した。 十 二 指 腸 壁 を 短 軸 方 向 に 閉 鎖 し、ドレーンを 留 置 して 手 術 を 終
了 した。【 結 果 】これまで 本 術 式 を2 症 例 に 行 った。1 例 は 前 医 で 膵 頭
十 二 指 腸 切 除 術 を 薦 められたが 癌 の 確 定 診 断 がつかなかったため 拒 否
され、 当 院 紹 介 となった。もう1 例 は 冠 動 脈 バイパス 後 で 心 機 能 低 下
の 為 、 本 術 式 が 選 択 された。 病 理 診 断 ではいずれも 断 端 陰 性 で、 深 達
度 はmであった。2 症 例 とも 術 後 3 日 目 より 経 口 摂 取 開 始 し、 術 後 10 日
頃 に 退 院 可 能 であった。【 考 察 】 早 期 十 二 指 腸 乳 頭 部 癌 に 対 しては、
十 分 なインフォームドコンセントののちに 手 術 術 式 を 選 択 する 必 要 が
ある。 内 視 鏡 的 乳 頭 切 除 術 を 希 望 されないときの 低 侵 襲 手 術 として、
腹 腔 鏡 補 助 下 乳 頭 切 除 術 は 選 択 肢 として 有 用 であると 考 えられる。
P16-7 当 科 で 経 験 した 十 二 指 腸 乳 頭 部 神 経 内 分 泌 腫 瘍 の3 例
富 山 県 立 中 央 病 院 外 科
○… 金 本 斐 子 , 清 水 康 一
2005 年 ~2011 年 までに 当 科 にて 経 験 した 十 二 指 腸 神 経 内 分 泌 腫 瘍 の3
例 を 報 告 する。 症 例 1は81 歳 女 性 、 卵 巣 癌 術 後 のfollow…upのCTにて
十 二 指 腸 乳 頭 部 の10mm 大 の 腫 瘤 性 病 変 を 認 めた。 十 二 指 腸 乳 頭 部 癌
の 診 断 にて 幽 門 輪 温 存 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 (PPPD) 施 行 。 病 理 診 断 では、
粘 膜 固 有 層 に 浸 潤 するカルチノイド 腫 瘍 で、#17bにリンパ 節 転 移 を
認 めた。 術 後 は 追 加 治 療 なしで 経 過 観 察 中 であるが3 年 11ヵ 月 無 再 発
生 存 中 である。 症 例 2は54 歳 男 性 、 検 診 の 胃 透 視 にて 前 庭 部 の 不 整 像
を 指 摘 された。 上 部 消 化 管 内 視 鏡 にて 十 二 指 腸 乳 頭 の 腫 大 を 指 摘 、 生
検 にてカルチノイド 腫 瘍 と 診 断 され、PPPD 施 行 。 病 理 診 断 では、 粘
膜 下 層 に 浸 潤 する12×10×8mm 大 の 腫 瘤 で、リンパ 節 転 移 は 認 めな
かった。 術 後 1 年 4ヵ 月 無 再 発 生 存 中 である。 症 例 3は77 歳 女 性 、 急 激
な 貧 血 進 行 を 認 め、 上 部 消 化 管 内 視 鏡 を 施 行 、 十 二 指 腸 乳 頭 の 腫 大 認
めた。 生 検 にて 神 経 内 分 泌 腫 瘍 (NET)と 診 断 され、PPPD 施 行 。 病 理
診 断 では、NET…G3、 固 有 筋 層 に 浸 潤 する41×37×30…mm… 大 の 腫 瘍 で、
リンパ 節 転 移 は 認 めなかった。pT2pN0pM0…pStage2Aにて 経 過 観 察
中 であるが、 術 後 2ヵ 月 無 再 発 生 存 中 である。 神 経 内 分 泌 腫 瘍 は、 従
来 までは 悪 性 度 により 分 類 され、 各 臓 器 毎 に 基 準 が 異 なっていたが、
2010 年 に 改 定 されたWHO 分 類 では、 消 化 器 系 で 統 一 され、 核 分 裂 度
とKi-67 指 数 により 病 理 組 織 学 的 に 分 類 された。 症 例 1と2は、2010 年
以 前 の 症 例 であるため、2010 年 の 分 類 に 従 い 再 度 検 討 し 直 し 報 告 する。
本 邦 における 全 消 化 管 神 経 内 分 泌 腫 瘍 の 有 病 率 は0.003%とされる。そ
のうち 十 二 指 腸 神 経 内 分 泌 腫 瘍 は 全 神 経 内 分 泌 腫 瘍 の13.8%とされ、
十 二 指 腸 での 発 生 部 位 のうち 乳 頭 部 は25%との 報 告 があり 比 較 的 まれ
な 疾 患 である。 当 院 での 経 験 を 踏 まえ、 本 邦 における 症 例 をもとに 文
献 的 考 察 を 加 え 報 告 する。
P16-8 多 発 リンパ 節 転 移 を 伴 い 術 前 診 断 に 苦 慮 した 十 二 指 腸
神 経 内 分 泌 腫 瘍 の1 例
1
大 阪 大 学 大 学 院 消 化 器 外 科 、 2 大 阪 市 立 大 学 附 属 病 院 病 理 部
○… 古 川 健 太 1
, 江 口 英 利 1
, 丸 橋 繁 1
, 小 林 省 吾 1
, 川 本 弘 一 1
,
和 田 浩 志 1
, 種 村 匡 弘 1
, 若 狭 研 一 2
, 森 正 樹 1
,
土 岐 祐 一 郎 1
, 永 野 浩 昭
1
【 症 例 】53 歳 、 男 性 【 主 訴 】 上 腹 部 痛 【 現 病 歴 】2010 年 2 月 に 上 腹 部
痛 を 主 訴 として 近 医 に 救 急 搬 送 された。 腹 痛 は 自 然 軽 快 したが、 画 像
検 査 にて 後 腹 膜 腫 瘤 を 指 摘 され、2 月 24 日 に 開 腹 手 術 を 施 行 された。
開 腹 所 見 では、 腫 瘤 が 上 腸 間 膜 動 静 脈 ( 以 下 SMA/SMV)と 十 二 指 腸
水 平 脚 の 間 に 存 在 し、 脈 管 に 強 固 に 癒 着 していたため 摘 出 不 能 で、 生
検 のみ 施 行 された。 生 検 結 果 はparagangliomaの 疑 いであった。 根 治
的 切 除 には 動 静 脈 の 再 建 を 要 するとの 判 断 に、 当 院 に 紹 介 となった。
【 画 像 所 見 】 腹 部 CTではSMA/SMV 背 側 に 接 して28mmの 多 血 性 の
腫 瘤 と、 十 二 指 腸 下 行 脚 周 囲 に8mm~15mmの 結 節 を 数 個 認 め、 前 医
での 病 理 所 見 と 併 せてparagangiiomaおよびその 転 移 と 考 えられた。
さらに 十 二 指 腸 下 行 脚 前 壁 に13mmの 濃 染 部 位 を 認 めたが、 前 述 の 腫
瘤 との 関 係 は 不 明 であった。 上 部 消 化 管 内 視 鏡 検 査 では、 十 二 指 腸 下
行 脚 に 粘 膜 の 発 赤 を 認 めたのみであった。【 手 術 所 見 】2011 年 2 月 に 開
腹 術 を 施 行 した。SMA/SMV 背 側 および 十 二 指 腸 下 行 脚 周 囲 に 数 個
の 腫 瘤 を 認 め、SMV 合 併 切 除 再 建 を 伴 う 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 を 施 行 した。
SMAからの 剥 離 は 可 能 で、 切 除 は 不 要 であった。 切 除 標 本 の 肉 眼 所
見 では、 十 二 指 腸 には 下 行 脚 に 粘 膜 の 発 赤 と 小 隆 起 を 認 めるのみで
あった。【 病 理 所 見 】 十 二 指 腸 下 行 脚 の 粘 膜 下 に 扁 平 な 腫 瘤 を 認 め、
神 経 内 分 泌 腫 瘍 (Neuroendocrine…tumor; 以 下 NET)であった。その
他 の 腫 瘤 も 同 様 の 病 理 所 見 で、 十 二 指 腸 下 行 脚 を 原 発 巣 として、 周 囲
に 多 数 のリンパ 節 転 移 を 伴 ったものと 診 断 した。【 術 後 経 過 】 術 後 46
日 目 に 軽 快 退 院 し、 現 在 無 再 発 生 存 中 である。【 考 察 】 本 症 例 では
十 二 指 腸 近 傍 に 多 数 の 結 節 を 認 めていたが、 内 視 鏡 検 査 では 明 らかな
腫 瘤 を 認 めず、 前 医 での 病 理 診 断 から 多 発 リンパ 節 転 移 を 伴 う
paragangliomaとの 術 前 診 断 に 手 術 を 行 った。 切 除 標 本 の 検 索 では、
比 較 的 小 さな 十 二 指 腸 NETを 原 発 巣 として 周 囲 に 大 きなリンパ 節 転
移 を 多 数 伴 ったものであった。NETは2cmまでのものは 悪 性 度 が 低
く 転 移 や 周 囲 への 浸 潤 も 少 ないとされているが、 主 病 巣 が 小 さい 場 合
でも、 比 較 的 大 きく 多 数 の 転 移 巣 を 伴 う 症 例 が 存 在 することも 念 頭 に
おく 必 要 があると 考 えられた。
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